午前 3時に目が覚めたものの、ネットにつないで遅くまでホテルでゴロゴロしていた。ドイツだと深夜にダイアル Q2のエロチックな CMがたくさん流れているが、北欧に来てからは全く見かけない。
朝食をとると、まずオスロ美術館に行った。美術館はなんと入場無料で、荷物を入れるロッカーも無料。ウリは二つあって、一つはムンクの作品たち。有名な「叫び」や「スペイン風邪」というのもあった。もう一つは、ピカソ、モネ、セザンヌなどの名画を一つの部屋に纏めてあるもの。美術館はそれほど大きくなく、少数精鋭の絵があるという感じだった。
ところが、ビックリしたことが起こった。鑑賞中、私の前を歩いていた中国人女性 4人組が、あろうことか素手で目の前の名画の表面を触っていたのだ。アラームが鳴って警備員が駆けつけてきたものの、その 4人組は悪びれた様子がなかった。最低限のマナーを守れない人間は来ないでほしい。更に腹が立ったのが、その部屋にいたのが私とその 4人だけで、警備員は彼女たちが触った現場を見ていないので、私までうさんくさい眼で見られたことだ。この後のコンサートに備えて正装している礼儀正しい男性が、そのようなことをするように見えるだろうか?それに、私はいつも手を後ろに組んで鑑賞しているし。
美術館の周りにはいくつか銅像があり、その中には北欧の有名な作曲家シンディングのものもあった。
美術館の次は、コンサートに向かった。「Ridehuset」という、小さなホールで行われた室内楽の演奏会だ。名前からして、乗馬関係の施設なのだろうか?室内楽のメンバーは、第一ヴァイオリン Alyson Read, 第二ヴァイオリン Marit Egenes, ヴィオラ Birgitta J. Halbakken, チェロ Cecilia Gotestam, ピアノ Gonzalo Morenoだった。
建物は音響が悪く、コンサート向けではないのが残念だった。曲は、ノルウェーの作曲家 Trygve Madsenの弦楽四重奏第5番と、ロベルト・シューマンのピアノ五重奏曲。Madsenの弦楽四重奏曲はフーガ風に始まり、聴き応えのある曲だった。惜しむらくは、相互の音程が悪かったことだ。第一ヴァイオリンは高目の音程を取る方で、チェロは低く取る癖があった。チューニングが元々少し合っていなかったのに加えて、こうした癖があるため、随所で音程が気になった(音程は高めに取る方が栄えるので、ヴァイオリニストは高く取りがちだが、そうするとチェロとの音程の幅が広がって聴きにくくなる。カルテットでは、チェロは高めに、ヴァイオリンは低めに意識する方が良いとされる)。それ以外は、素晴らしかった。シューマンも凄く盛り上がって、演奏に加わりたくなって仕方がなかった。
コンサートが終わってから、オペラハウスに行った。残念ながらコンサートはなかったが、書籍関係のイベントをやっていた。屋上まで斜面になっていて上れるので、歩いて上がって景色を楽しんだ。
それからノーベル平和センターに行った。常設展ではノーベル平和賞の歴史を展示してあり、特設展では前年度のノーベル平和賞受賞者、米国のオバマ首相が扱われていた。
コンサートハウス、国立劇場の脇を通ってドヴレハーレンで食事。ノルウェーの伝統料理が味わえる大衆食堂らしい。前菜のサラダは美味しかったが、メインの肉料理は塩辛い固い肉で、あまり美味しくなかった。ワインもいまいちだった。