10月31日~11月1日、珍しく連休がとれたので、レンタカーを借りていわきに遊びに行きました。一人旅です。
宿はワシントンホテルいわきで、株主優待のおかげで半額。チェックインしてから、政寿司で夕食を取りました。東京時代の医局の後輩がいわき出身の方と結婚したのですが、グルメな彼も驚いたという寿司屋です。いわき駅前から 10 kmくらいと結構距離はありましたが、味は絶品。3980円のおまかせ握りは、都内の数万円するような寿司屋の味に引けを取りません。カウンターで隣の席の常連が、大七箕輪門を頼んでいて、酒を飲みたい気持ちでいっぱいになりましたが、車だったので涙を飲みました。
翌日は、小名浜港で遊覧船に乗りました。下船してから、ら・ら・ミュウに入ったところ、震災関連の展示をしていました。ここも甚大な被害を受けた場所だったんですね。
ら・ら・ミュウで美味しい海鮮丼を食べてから、ヘレナ国際乗馬倶楽部に行きました。なんと、ゴルフ場の敷地内にあります。この日は外乗で、ゴルフコースの合間を縫うように、60分ほど乗馬しました。馬房を見せてもらうと、「ブラックジャック」というユニークな名前の馬がいました。
いわきは、乗馬倶楽部を含めて気に入ったので、また行きたいと思います。今度は湯本温泉とか泊まってみたいですね。
誤嚥性肺炎の患者に対しては、禁食、抗菌薬で治療するのが一般的かと思います。
しかし、逆に治療期間中、食事をさせた方が良いのではないかという論文が発表されました (2015年10月8日)。
抄読会で使用した資料に概要を纏めてみました (PDF)。
抄読会 Tentative nil per os leads to poor outcome in older adults with aspiration pneumonia
注意すべき点は、初期にきちんと嚥下評価をして経口摂取可能か判断していることと、呼吸不全の強い患者は除外してあることです。そのため、誤嚥性肺炎全てに経口摂取させようと勘違いされると危険ですが、一部の患者についてはこれまでと治療が変わってくる可能性があるわけですね。
まだ、マイナーな雑誌に掲載された論文一本にすぎませんし、limitationもいくつかありますので、今後の追試の結果を待ちたいと思います。
(参考)
propensity score 図解まとめ
色々と忙しくて、ブログの更新が 3ヶ月近く滞ってしまいました。この 3ヶ月くらいの間にあったこと。
8月30日~9月5日に 1週間の夏休みを追加で頂きました。8月30日は酒井健治さん作曲のヴァイオリン協奏曲を成田達輝さんが演奏 (世界初演) するのをサントリーホールに聴きに行って、夜は酒井健治さん、成田達輝さんらと食事をしました。素晴らしい誕生日になりました。その後は実家に帰省し、連日大山乗馬センターにひたすら通いました。
9月13日は内科専門医試験でした。仕事が忙しく、勉強を始めたのは前日東京に向かう新幹線の車内。内科認定医試験は無勉強で通りましたので、内科他科の勉強をきちんとしたのは国家試験以来・・・。ごっそりと知識が抜けており、99%落ちたという手応えでした。ただし、知人から試験問題再現のバイトを教えていただき、100問近く概要を暗記して帰っていたので、交通費+ホテル代くらいにはなりそうです。来年頑張ります。
9月18~19日は角館で神経機能回復セミナーに参加しました。とても勉強になりました。
あとは 10月17日に DVD収録があり、7月頃からその準備に追われていました。というか、この仕事以外ほぼ何もできませんでした。3時間以上喋るのですが、6時間くらいかけて収録。カメラが回ると頭が真っ白になるものです。色々と反省しました。収録後にプロ棋士のハッシーと飲んで、愚痴を聞いてもらいました。その時に、カメラの前で喋るのに注意する点など色々質問しました。彼は何度もテレビ出演していて経験豊富だったので勉強になったのですが、収録前に聞くべきでした。
10月18日は楽器の合わせ。レスピーギ作曲、「リュートのための古風な舞曲とアリア第 3曲」を弾きました。半年ぶりに楽器のケースを開け、カラオケ屋で一人練習をしてから参加。合わせの途中に楽器の D線が切れてしまい、全部 G線で代用しました。1年くらい弦を張り替えていなかったからですかね・・・。
その他、某ガイドライン作成に systematic reviewの部分で関わることになったので、10月24日は東京医科歯科大学でガイドライン作成法の研究会。GRADE systemの話でした。日本の診療ガイドラインには質の低いものが少なくなく、GRADE systemのようにきちんとした方法論を用いて、全体の質を上げていかないといけないなと思いながら聞いていました。
JMECCという内科救急の講習会にも参加しました。秋田県の医療過疎地で月 1回行っている当直では、3次救急まで対応しなければいけない場合があるので、良い勉強になりました。
現在行っている仕事に関しては、Cochrane DTA (diagnostic test accuracy) reviewにエントリーしている 1本目の論文が protocol openに近づいているのと、タイトル登録にこぎつけた 2本目の論文があります。あとは、ガイドライン作成の準備と、知人から頼まれた和文総説 1本、年明けの講演の準備 (主催者がマスコミに案内状を送るようです) など、臨床以外の部分でかなり忙しくなっています。「何もすることがないよりはマシ」と思って頑張ります。当然、プライベートに関しては、非リアです (´・ω:;.:…
ブログは、Cochrane DTA reviewのデータ解析やガイドライン作成が本格的に始まったらまた滞ると思いますが、それまでは可能な範囲で更新していきたいと思います。
8月3日の当直中、悪寒、下痢、吐気があり、体温を測定したら 38℃台でした。今年 4回目の発熱です。
仕事が一段落したところで、今日は昼過ぎに早退し、ゴロゴロしていました。咽頭痛が加わってきましたが、解熱はしてきており、このまま安静で様子を見ます。
まぁ、ウイルス感染でしょうね。
7月25日 (土) ~31日 (金) に夏休みを頂きました。
7月25日は沖縄行きの飛行機に乗るため、仙台空港へ。ところが台風が沖縄に直撃するとのことで、飛行機が欠航。福岡沖縄便が運行していることを突き止め、金銭的にかなりの負担ではありましたが、仙台福岡便と福岡沖縄便を予約しました。仙台福岡便では、裏富士、天橋立、鳥取砂丘などの名所を上空から見ることが出来ました。この航路では、左側の座席、つまり A席がオススメですね。福岡沖縄便は、数時間遅れでの運行でしたが、無事夜には沖縄に着くことができました。その日は妹夫婦の家で手料理をごちそうになりました。
7月26日は、ブセナ海中公園に行きました。台風の影響で、残念ながらグラス底ボートは運休。海中展望塔では様々な種類の魚を見ることができましたが、階段を降りて魚を眺めるだけで 1000円程度の入場料は少し高いかなと思いました。ここの観光を終えてからは、地元で有名な「なかむらそば」で沖縄そばを頂きました。午後は、トレッキングをするため、読谷村の観光施設内にある「おきなわ乗馬クラブ」に行きました。珊瑚の欠片が打ち上げられたビーチを馬に乗って歩くのは、沖縄でないとなかなか経験できません。スタッフもとても親切でした。ただし、この乗馬クラブでの外乗は、相当な経験者 (おそらく 150鞍以上) でないと引き馬なんですね。その点が物足りなく感じました。夜は「GOSAMARU」で焼肉をごちそうになりました。肉は最高ですし、おもてなしが行き届いています。素晴らしいお店でした。
7月27日は沖縄から福岡空港に飛んで、新幹線で岡山へ。帰省しました。親の健康相談を聞きながら、もう結構な齢なんだなぁと実感しました。
7月28日は、大山乗馬センターに行って、レッスン (指導されたのは、つま先を外に開いてふくらはぎをしっかり締めることなど) を受けた後に、5 kmの外乗に出かけました。丁度雨が上がったばかりで涼しく、湖畔に立ち込める靄が幻想的でした。いつも、乗馬の帰りは境港で海産物を買って帰るのですが、この日は乗馬を遅めに始めたため、境港は閉まっていました。残念。
7月29日は岡山空港から羽田空港に飛んで、知り合いのプロ棋士と大井競馬場に出かけました。馬券は外れましたが、最終レースまで遊んで、歌舞伎町のしゃぶ叙で閉店時間まで一緒に食事をしました。業界の違う友人との付き合いは刺激になります。
さて、夏休みはあと数日残っていますが、散々遊んだので、溜まった仕事を片付けないといけません。医療系の DVD出演の準備、Cochrane systematic reviewのプロトコル書きなど、期限のある仕事が目白押しです。ということで、当面の間バタバタしてブログはほとんど更新できなくなりますが、ご容赦ください。
糖尿病の治療に用いられる SGLT2阻害薬でケトアシドーシスの懸念があると、FDAが警告していることを知りました。
SGLT阻害薬使用者のケトアシドーシスは、2013年3月から 2014年6月の間に、”FDA Adverse Event Reporting System” 上で 20例見つかりました。多くは 2型糖尿病で、血糖値の上昇はごく軽度 (200 mg/dl未満) であるそうです。2型糖尿病かつ血糖値の上昇が軽度である症例でケトアシドーシスを疑うというのは、なかなか難しいですね。
稀な副作用ではあると思いますが、知らないと診断するのは難しいので、記憶の片隅に置いておこうと思いました。
(参考)
・FDA Drug Safety Communication: FDA warns that SGLT2 inhibitors for diabetes may result in a serious condition of too much acid in the blood
6月29日に仕事を終えた後、30日午前 2時頃の夜行バスに乗って成田空港に移動。同日 Birminghamに旅立ちました。7月1~3日に開かれたCochrane DTA workshopに参加するためです。
3日間みっちりと勉強し、診断精度研究について、非常に勉強になりました。参加者は世界各地から 40名くらいでした。 2日目には 15人くらいと講師陣でパキスタン料理を食べに行きました。
ちなみに、Jon Deeks教授は、Cochrane libraryに interventionだけではなくて、diagnostic test accuracy (DTA) を加える事を認めさせるきっかけとなる働きかけをした方です。Cochrane DTA Handbookの著者でもあります。最後は、その Deeks教授 (みんな Jonって呼んでました) のサインの入った修了証明証を受け取りました。
EBM時代、こうした勉強をしておくのは非常に価値のあることだと思います。そして、海外の研究者に名前を覚えて貰えました (アジア人は私一人だったので目立ちました)。
7月3日は 15時くらいに終ったので、Birmingham美術館を訪れ、7月4日朝一の飛行機で日本に帰ってきました。おみやげに、TALISKER 57° 2本と、日本では手に入りにくい TALISKER DARK STORMを 4本買ったのですが、非常に重かったです。免税範囲を超えていたので申告したら、税金は 2200円の税金でした。日本では希少なウイスキーが手に入ったと思えば、安いものです。
7月5日帰宅後、冷蔵庫と IHクッキングヒーターを自宅で受け取りました。これでウイスキー用の氷がいつでも手に入るし、(飲みに来た人が) つまみを作ることも出来ます。料理をしない人間にとって、冷蔵庫 470 Lはかなりのサイズですが、地酒保存用としますかね・・・。
7月6日は時差ボケにそれほど苦しむことなく出勤。また、当直でした。
「愛され指導医になろうぜ 最高の現場リーダーをつくる (志水太郎著, 日本医事新報社)」を読み終えました。著者とは 2回ほど一緒に食事をしたことがありますが、人柄が素晴らしいです。
志水先生は日本の 200以上の病院で勤務した経験があるそうで、さらに米国やカザフスタンなど海外での指導経験も豊富です。医師としてのキャリアを始めたのは私より遅いのに、その後の歩みは次元が違いますね。
まず第一章で紹介されている「リーダーシップは生まれ持った特性ではなく、その振る舞いを意味する」という John Kotter教授の言葉を読んで、「これはきちんと学ばなければ」と背筋が伸びました。後天的に獲得するものである以上、それを学習するための努力が必要です。
本書は具体例が豊富です。様々なシチュエーションが記されており、それにどう対処すべきかがわかりやすく書かれています。自分が過去に行ってきた指導を思い出し、冷や汗を掻きながら読みました。もっと早くこの本に出会っていれば良かった・・・。
後輩の教育に携わるような、後期研修医以上の医師にオススメの本です。
物の名前を聞いても答えられない失語症の患者さんが、日常会話だと喋れてしまうことがあります。日常臨床では割と普通に見かけることですが、この現象に名前が付いていることを Alajouanine先生の論文で最近知りました。
Baillargerはパリのサルペトリエール病院の医師です。Baillargerは、ある単語を発音しようとしてもできないのに、やろうとしなければ出来てしまう現象を記載しました。これに眼を止めたのが、Jacksonてんかんなどで名を残した Queen Squareの医師 Hughlings Jacksonです。Jacksonは、さまざまな調子で ”yes” “no” などの発話ができる失語症患者について、感情的言語は保たれているが命題的機能が欠けていること、時々行なわれる発話に次の 3つの状態があることを見出しました。すなわち 「(1) 感情に支配された、会話ではない発話 (“oh”, “ah” など), (2) 会話ではあるが下位の発話 (”merci”, “good-bye” など), (3) 知的な価値を持った真の会話」です。鋭い観察に基づくこれら異なった状態の分析が、発話障害におけるジャクソンの生理病態学的解釈の基本でした。
この論文著者の Alajouanine先生は、次のような症例の体験を記載しています。ある失語症患者に娘の洗礼名を質問したのですが、その患者はうまく答えられず、娘に向かって「ねぇ、ジャクリーヌ (※洗礼名)、私はあなたの名前を思い出せないのよ」と。意図しても出てこないのに、感情に支配されたシチュエーションでは、このように簡単に出てくるものなのですね。この症例では、本人がそのことに気付いていないのが興味深いです。
高次脳機能の分野は非常にマニアックなので、なかなかこうした領域の論文を読む機会は少ないのですが、あまり気に留められないこの現象をジャクソンが追求していたことを知って、新たな発見がありました。
(参考)
・歌を忘れてカナリヤが
私が一口馬主になっている愛馬のレッドヴェルサスが、6月28日に新馬戦デビューしました。知人で競馬好きの将棋棋士の橋本崇載八段 (ハッシー) と一緒に選んだ馬です。なお、レッドヴェルサスの異父姉はレッドリヴェールという G1馬です。レッドヴェルサスはなかなかの血統で、Yahoo!ニュースにも紹介されました。
「新馬戦」(28日、阪神)
期待の良血馬がベールを脱ぐ。レッドヴェルサス(牡、栗東・須貝)が、28日阪神5R(芝1800メートル)にスタンバイ。父スウィフトカレントは新種牡馬ヴィクトワールピサの異父兄で、現役時は06年に小倉記念レコードV、天皇賞・秋2着と活躍。異父姉に無敗で13年阪神JFを制したレッドリヴェールがいる素質馬だ。
遠藤助手は「入ってきた時は緩かったですけど、乗りだして10日目くらいからしっかりとしてきました。もう別の馬ですよ」と好感触を伝える。姉は2、3歳時は400キロ台前半で調整に苦労する部分もあったが、同馬は480キロ台。「カイバもしっかりと食べるし、そういう意味でお姉さんよりも攻めた調整ができる」と力を込める。M・デムーロを背に、飛躍への第一歩を踏み出す。
父スウィフトカレントは新種牡馬ヴィクトワールピサの異父兄で、現役時は06年に小倉記念レコードV、天皇賞・秋2着と活躍。異父姉に無敗で13年阪神JFを制したレッドリヴェールがいる素質馬だ。
ところが、今回は相手が強すぎました。父ディープインパクト、母ポルトフィーノという、ポルトフォイユです。凄まじい末脚で、レッドヴェルサスは 5馬身も離されてしまいました。とはいえ、レッドヴェルサスも 3着馬を 4馬身突き放しているので、次走は期待ができます。
・ポルトフォイユ 新馬 2015 メイクデビュー阪神
このレースをも見て、ポルトフォイユはなかなかの名馬だと思ったので、今後はレッドヴェルサスとともに応援することにします。
他の出資馬では、G1を勝ったレッドキングダムは残念ながら怪我のため引退してしまいました。レッドラヴィータは 500万下を勝った後がピリッとせず、調整中。レッドボルテクスは、デビュ―に向け着々とトレーニングを積んでいます。