11月22日、大学時代の親友 Tomoの家に遊びに行ってきました。親友が仕事で遅くなるということで、ヴァイオリンのレッスンを受けて、午後9時半くらいに伺ったのですが、親友の彼女は次の日が仕事とのことで、迷惑をかけてしまったようです。
でも、一緒に鍋をして、とても楽しい時間を過ごせました。考えてみると、国家試験前が終わった日に彼の家で飲んで、その2年後くらいに一緒に食事をして、それ以来なので、非常に懐かしかったです。彼は外科4年目、私は内科4年目なので、それぞれ専門分野が全然違って、その意見交換といった意味でも楽しめました。最後は3人で、ボジョレーヌーボー3本空けて寝ました。今度は是非郡山に招待したいと思っています。
その日のヴァイオリンのレッスンですが、バッハの無伴奏パルティータを和声の面から教わり、非常に勉強になりました。
今一番のおすすめの本は「音楽の形式(門馬直衛著)」です。一部形式~複合三部形式、ロンド形式、ソナタ形式など、非常にわかりやすく解説しています。今まで漫然と聴いていた曲が、全然違って聴こえるようになりました。モーツァルト、ベートーヴェンなどは、形式を理解せずして語れない音楽で、彼らが如何に苦心していたか良くわかりました。
いよいよ明日、ヨーロッパに旅立ちます。今回はルツェルン音楽祭を楽しんだ後、ウィーンに寄ってから日本に戻ります。
タイトルは、ナタン・ミルシテインの「ロシアから西欧へ」という本から。ミルシテインは俺の大好きな演奏家で、解釈の一つ一つにきちんとした理由があります。
この本には、彼の親友のホロヴィッツ、ピアティゴルスキーとの思い出、他に、イザイ、エリザベート王妃、クライスラー、ストラヴィンスキー、トスカニーニ、バランシン、あるいはピカソ達との思い出まで記されています。当時激動のソ連にあって、歴史に名を起こす人たちとの交流を含めて、自分の芸術のあり方を追い求めた生き方には、読んでいて引き込まれました。
彼のようにはなれないとはしても、自分にとって何か成長出来るような旅にしたいと思います。
「脳と音楽 (岩田誠著、メディカルレビュー社)」は、私が神経内科医を志すことになるきっかけとなった本です。脳が音楽をどのように認識しているかや、ラヴェルが「緩徐進行性失語症」という病気に如何に苦しめられていたかなど、興味深い内容について、豊富な資料から医学的考証が加えられています。
私も、まだ目を通してはないけれど、資料はかなり集めています。時間が出来たら、こうした分野の研究をしたいです。その前に、一般的な神経内科の勉強をしなければ・・・。
郡山に来てから毎朝5時に勝手に目が醒めるようになりました。とはいえ、夜も早く寝るようになってますが。
さて、今日のタイトルはダニエル・メイスン著の小説からです。著者は1998年にハーバード大学を首席(生物学専攻)で卒業し、その後カルフォルニア大学医学部を2003年に卒業という経歴を持ちます。
本の内容は、イギリスのミャンマーへの侵略戦争が舞台です。戦況思わしくない中、ただ一人軍医であるキャロルは、音楽と医学で血を流さずミャンマーを平定していきます。その軍医からの要望でエラールのピアノが戦地に送られるのです。しかし、高温多湿な地域でピアノの調整が必要となり、調律師である主人公(イギリス人)が現地に派遣されるというストーリーです。落ちは少し弱いですが、途中の文章が酔わせます。女性の描き方がとても魅力的で、また日本語訳が非常に上手な小説だと思います。