Category: 読書

シリコンバレーから将棋を観る

By , 2009年12月31日 9:58 AM

「シリコンバレーから将棋を観る 羽生善治と現代将棋 (梅田望夫著、中央公論新社)」を読み終えました。

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偽善の医療

By , 2009年12月23日 11:33 AM

偽善の医療 (里見清一, 新潮新書)」を読み終えました。

岩田健太郎先生のブログで紹介されていて、魅了されて購入したのでした。思わず頷きながら、あっという間に読了しました。内容については、岩田健太郎先生のブログに簡単に紹介されていますのでご覧ください。

楽園はこちら側-偽善の医療-

本書は様々な意味で問題提起をしています。

「患者様」という呼称の問題、告知の問題、人工呼吸器の問題、安楽死の問題、健康食品や怪しげな民間療法の問題、医師への謝礼の問題・・・。

すべての人間の死亡率は 100%であり、ほぼすべての人間は「患者」という状態を経験して死に至ります。

そのために考えておいた方が良い問題が多く挙げられています。また、本書を通じて、怪しげな治療に騙されないための科学的、論理的思考をある程度身につけることが可能です。多くの方が読まれることを期待します。

そういえば、最近何度かコメントを頂いた呼吸器内科ブログ管理人様のブログでも紹介され、感想が述べられていたのを思い出しました。

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迷惑メールは誰が出す?

By , 2009年12月10日 6:20 AM

「迷惑メールは誰が出す? (岡嶋裕史著、新潮新書)」を読み終えました。

迷惑メールを出す人間は、それによって得する人間に決まっているのですが、結構クリック率、購入率が思ったより良いことに驚きました。これなら送ろうとする人間の気持ちもわかる気がします。

「迷惑メールのリンクをクリックしたことがありますか」 39%がイエス
「迷惑メールをきっかけにして、ものを買ったことがありますか」 11%がイエス
「迷惑メールで詐欺などにかかったことがありますか」 9%がイエス

本書で面白かったのは、迷惑メールを誰が出しているかというより、迷惑メールがどのようにして送られてくるか、詐欺の手口、どのように対処すれば良いかなどについてわかりやすく書かれていたことです。また、迷惑メールの歴史も興味深く読めました。

読むのが遅い方でも、3時間くらいで読める薄い本ですので、興味があると読んでみると良いかもしれません。

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病理学からみたヒト脳の宿命

By , 2009年11月24日 6:33 AM

「病理学からみたヒト脳の宿命(桶田理喜著、Springer)」を読み終えました。

ヒトの脳は他の動物と比べてかなり発達していますが、その分犠牲にされたものがあります。たとえば、脳の容積を増やす過程で、直線であった動脈が湾曲を余儀なくされます。その結果、血行力学的に不利になり、脳虚血に陥りやすい部位が出てきます。これはヒト脳が抱えることになった宿命の一例です。

本書は、「大脳にみられる病変局在の選択性」「脳幹の一定領域を選択的に侵す病態」「脊髄の一定領域を選択的に侵す病態」の三章に分けて構成されています。

第一章「大脳にみられる病変局在の選択性」では、灰白質を選択的に侵す病態が考察され、全脳虚血の他に、動脈攣縮などの血管の機能異常について考察します。面白いのは白質を選択的に侵す病態です。一酸化炭素中毒の動物モデルで白質病変が形成されるかを検討し、「高度の低酸素状態と、それにつづく血圧低下(※一酸化炭素には血管拡張作用がある)による軽度の脳虚血が、大脳白質と淡蒼球(ときには黒質)の選択的病変発生に必要にして十分な条件である」との結論を得ます。その中で何故淡蒼球が侵されるかは、「動脈構築、すなわち主管に対して細い口径の穿通枝をもつ動物の宿命である」と説明されます。一酸化炭素そのものの毒性によるものではない証拠に、シアンソーダを用いても、低酸素と血圧低下が起これば、同様の病変が形成されるそうです。この章では、他に 5-FUや MTXの神経毒性、Binswanger脳症、CADASILなどを扱っています。

第二章の脳幹の一定領域を選択的に侵す病態では、まず Central pontine myelinolysis (CPM), pontine and extrapontine myelinolysis (PEM) が検討されますが、両者ともに好発部位は灰白質と白質の線維がサンドイッチ状になっている部位であり、部位特異性の原因になっているものと思われます。一方で、Multiple spongy necrosis of the pontine base (MSN) は、橋底部背側を好発部位としますが、これは穿通動脈進入部から最も遠位であり、動脈血流の減少によるものと解釈されます。本章の最後はビタミン B1欠乏性脳症 (Wernicke脳症) です。幾多の実験を通した後に得られた機序は、ビタミン B1欠乏で一次的に海綿状脳病変が生じ、二次的に病巣内血流の末梢抵抗増大がおこるとするものです。特に「下丘や視床などのようなアストロサイトと神経細胞突起が均一に密集している組織構造を持った領域」で海綿状病巣が形成されると、神経細胞の虚血性変化と出血が起こりやすいと考えられます。

第三章は脊髄の一定領域を選択的に侵す病態で、最初に Foix-Alajouanine病が紹介されます。本疾患は、動静脈短絡により静脈うっ滞が生じ、側索が好んで侵されます。そのほか、遅発性放射線障害、HTLV-1 associated myelopathy / Tropical spastic paraparesis (HAM/TSP) が扱われます。

本書を通じて感心したのは、疑問を持った点に関して、適切な実験をおこない、答えを導いていくプロセスです。「論文や教科書に載っていないのでわからない」というのではなく、自分で新たな知見を積み重ねて教科書を作っていくことが凄いと思いました。本書の中には、解決した問題に加えて、新たに見つかった課題も記されています。これは後世への宿題となるのでしょう。

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ベートーヴェンの生涯

By , 2009年11月10日 6:56 AM

「ベートーヴェンの生涯 (ロマン・ロラン著、片山敏彦訳、岩波文庫)」を読み終えました。短い小説なので、色々な方に是非読んで頂きたいです。

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音楽家の手

By , 2009年11月2日 6:40 AM

音楽家の手 臨床ガイド (イアン・ウィンスパー、クリストファー B ウィン・ペリー編著、酒井直隆、根本孝一監訳、協同医書出版社)」という本を買いました。

音楽家と手の痛みなどについて詳しくまとめられています。ほとんどは整形外科疾患なのですが、本書で取り上げられている絞扼性神経障害やジストニアは神経内科医にとって身近な疾患です。この分野に興味を持った方には是非お勧めしたいと思います。

Hypermobility症候群の項では、Paganiniや Listが取り上げられていました。以前、Paganiniの手についての論文を集めたとき、私がPaganiniが Hypermobility症候群であるとする最初の提唱者ではないかと思ったのですが、すでに本書の著者らが触れていましたね。先を越されたのは少し残念でしたが、自分の意見が彼らと同じであることを嬉しく思いました。

ちなみに、訳者の酒井直隆先生は、「ピアニストの手 障害とピアノ奏法」という本も書かれており、本書と一緒に購入しました。

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ビール職人、美味しいビールを語る

By , 2009年10月10日 8:15 AM

「ビール職人、美味しいビールを語る (山田一巳/古瀬和谷著、光文社文庫)」を先日ドイツで読み終えました。非常に読みやすい本ですし、ビールにも詳しくなれますので、「ビールを嗜む方」にお勧めです。

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症例から学ぶ 戦略的 認知症診断

By , 2009年9月26日 7:29 AM

「症例から学ぶ 戦略的 認知症診断 (福井俊哉著、南山堂)」を読み終えました。

普段、Dementia (いわゆる「認知症」) 診療のエキスパートが、どのようなプロセスで診断しているのか、詳細にわかって面白かったです。

例えば問診一つでどのようなことを意識するのか、問診の際の患者の態度がどのように診療に役立つか (家族の方を向いて助けを求める「Head turning sign」や「考え無精」、「going-my-way」など)、Clock drawing testをどのように用いるか、改定長谷川式簡易知能評価スケール (HDS-R) の各項目から何を読み取るか・・・。

我々は、日常的に Dementiaの診療をしていますが、他人の診察風景を見ることが殆どないので、福井先生の診察風景が浮かんでくるような文章は、本当に勉強になりました。

神経内科医、精神科医には必読の本だと思います。

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音楽と音楽家

By , 2009年9月25日 7:08 AM

「音楽と音楽家 (シューマン著、吉田秀和訳、岩波文庫)」を読み終えました。

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フーガ

By , 2009年8月26日 9:40 PM

「フーガ (マルセル・ビッチ/ジャン・ボンフィス著、池内友次郎監修、余田安広訳、白水社)」を読み終えました。

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