6月19日は理化学研究所の誕生日。1917年6月19日に理化学研究所は誕生しました。
先日、理研の研究者から面白い話を聞きました。利根川進センター長が、「日本人は折角良い研究をしているのに情報発信が足りない」と苦言を呈していたというのです。確かに、税金を使って研究する以上、社会にその成果を知らしめるのは当然のことですし、マニアックな領域の研究でも正当に社会から評価されるためには広報に力を入れなければなりません。
そうした流れからか、Youtubeでの「RIKENチャンネル」が非常に充実しているのに最近気付きました。面白かったものを 2つ紹介しておきます。
・放射線の基礎
http://youtu.be/LKP9-AIb4Cw
・脳の中の「点と線」~神経回路とシナプスの謎に迫る研究最前線~
http://youtu.be/oodw5Dok1JA
興味のある方は、Youtubeの画面右側の関連動画で色々見られるので、そちらもどうぞ。
Facebookで知り合いの精神科医から教えて頂いたサイト。記事の終わりにある「生きてみる」ボタンと、「この記事を読んで自殺をやめた人 ○人」というのが良いですね。
死ぬ技術はもういらない、生きるテクを大公開
獨協医科大学内分泌代謝内科の論文不正疑惑について追及したブログがあります。
この問題について、同大学の小鷹昌明神経内科準教授がコメントされています。小鷹教授は Guillain-Barre症候群など末梢神経の免疫疾患での世界的権威です。
良いとか悪いとかのみの問題ではなく、もっと深いところに根がある問題だというのが、文章からわかります。サイエンスに関わる人間には、是非読んでみて頂きたいと思います。
論文捏造疑惑
最近、蛋白質をもう少し深く理解するために、アミノ酸の勉強を始めました。色々調べていたら、Science Soulというサイトを見つけ、「Lecture」の項が非常に良く纏まっていたので紹介します。
Science Soul-Lecture-
講義プリントをダウンロードして、あまりの面白さに、あっという間に読み終えました。アミノ酸の極性の話など、丸暗記しないといけないと思っていたことでもわかりやすく解説してくれるので、覚えやすいですね。さらに、「アンケート回答」での絶妙の返しに思わず笑ってしまいました。懐かしの、生協の白石さん的返し方です (^^)
知識を深めて、一緒にディープな世界に遊びに行きましょう。
「遺伝子工学の基礎 (野島博著、東京化学同人)」を読み終えました。
大学 1年生の時に授業使うため買った本ですが、当時は「医者になったら臨床しかやらないからいいや」と思って本棚に眠らせていました。まさか、15年も経って読むことになるとは思いませんでした。
読んでみると内容は凄く面白かったです。今行っている実験の意味が本を読んで初めて理解出来る部分がありました。予備知識がないと難解な部分もありましたが、その辺はググると解決できました。便利な世の中になったものです。
特に興味深かったのが、グルタミン酸の RNA編集。1996年のこの教科書に「脳のグルタミン酸受容体 (GluR) の一種である非 NMDA受容体とよばれるものの構成サブユニットは AMPA選択性の 4種類 (GluR1~4) とカイニン酸選択性の二つのサブユニット (Glu5, 6) が知られている。約 900アミノ酸残基からなるこれらサブユニットは四つの膜貫通領域 (TMI~IV) をもつが、その TMII領域で遺伝上はグルタミンのコドン (CAG) しか見当たらないのに、GluR2や GluR5, 6でアルギニン (CGG) に変化しているものが見つかった。転写後に A→Gなる RNA編集が起こったと解釈されている」と書いてあります。ALSでのグルタミン酸 RNA編集異常が報告される 8年前の教科書で このように RNA編集が注目されていて、面白いと思いました。
「ペニシリンはクシャミが生んだ大発見 (百島祐貴著、平凡社)」を読み終えました。百島先生は神経放射線を専門としており、私も学生時代、教科書を読んだことがあります。まさか医史学に精通された方とは知りませんでした。
本書は非常に読みやすく書かれていますが、医学の広い分野を扱っており、私が知らなかったことばかり。楽しませて頂きました。備忘録をかねて、特に面白かった部分を抜粋して紹介します。ここに記したのは極一部ですので、興味を持った方は是非本書を買って読んでみてください。
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医療関係者の中には、クロックス愛用者がたくさんいます。履いていて楽だから・・・らしい。バミュ先生もお気に入りなのだとか。
・産婦人科残酷物語-crocs-
・産婦人科残酷物語-黒い3連星-
ところが、ウィーンではクロックスが禁止されたらしい。この情報を Twitterで呟いたら反響が大きくて驚きました。
2008年08月13日 04:05 発信地:ウィーン/オーストリア
【8月13日 AFP】オーストリア・ウィーン(Vienna)市当局は12日、同市内の病院で人気の樹脂製サンダル「クロックス(Crocs)」を履くことを禁止する方針であることを明らかにした。市内の病院では看護師などがクロックスを履いている姿がよく見られるが、患者への安全性の問題があるという。
市内にある病院の技術部門の責任者Peter Woelfl氏は「クロックスについての技術的評価を行ったところ、クロックスは帯電の防止性がなく、院内の精密機器の機能に障害を与え爆発などを引き起こす可能性がある」としている。
ウィーンでは前月、すでに1つの病院がクロックスを禁止しているが、同氏によると今月末までにはウィーン市内のすべての病院で禁止されることになる。特に禁止が徹底されるのは、手術室や集中治療室、放射線や透析機器を扱う部門など、帯電を防止する衣服の着用が義務づけられている施設だという。(c)AFP
ヨーロッパでは空気が乾燥していて静電気が起きやすくなっているからか、音楽の都に充ち満ちたエクトプラズムがクロックスに憑依して機器を爆発させてしまうからかは知りませんが、にわかには信じがたいニュースですね。記事にある「技術的評価」の中身を知りたい気がします。
日本では問題になっていないので多分大丈夫なのだと思いますが、心配な人は腰からネズミの尻尾のようにアースを垂らしてクロックスの帯電を防げば安心かもしれません。どうか、クロックスを履いて、腰からアース垂らした医療従事者を見かけたら、医療安全に熱心な人なのだと温かい目で見守ってやってください (^^;
Nintendo DSで医療系ソフトが結構充実しているようです。確かに、パターン認識が大切な分野では、この手でのゲームで反復練習するのは良いかも知れません。
神経内科の分野でも、MRIの読影とか、針筋電図の解釈とか、あると楽しいかもしれませんが、購入者層が滅茶苦茶狭いので赤字確定でしょうね。
メディカ出版
トレーニングDSシリーズ
医師や医学生相手だと対象が少ないので、看護師も遊べるようなソフトにして、対象の幅を広げているのが商売繁盛の秘訣でしょうか。私の学生時代には考えられなかったことです。時代と共に色々な学習ツールが充実してくるものですね。