井原市
岡山県に井原市という都市があります。県南部の都市です。他県の方はあまり名前を聞いたことがないかもしれませんね。
Wikipediaで調べると、「中国地方の子守歌」発祥の地であり、北条早雲、雪舟などを輩出している地なのだそうです。
井原市医師会のサイトには、いくつか面白い読み物があるのですが、中でもお薦めは、「知識の宝庫」と題された一連のページです。
結構、備忘録として使えそうです。医師の方、覗いてみてください。
岡山県に井原市という都市があります。県南部の都市です。他県の方はあまり名前を聞いたことがないかもしれませんね。
Wikipediaで調べると、「中国地方の子守歌」発祥の地であり、北条早雲、雪舟などを輩出している地なのだそうです。
井原市医師会のサイトには、いくつか面白い読み物があるのですが、中でもお薦めは、「知識の宝庫」と題された一連のページです。
結構、備忘録として使えそうです。医師の方、覗いてみてください。
Wiiに対するちょっと楽しいニュースとちょっとした注意事項。
Wiiは任天堂のゲーム機です。直感的に扱えるワイヤレスリモコンがウリです。物珍しくて私も買ってみました。早速、「Wii sports」をやってみたのですが、一人でやっていてとても虚しい気分になりました。窓に映る自分の姿を見て、我に返って、やめました。友人が来た時には盛り上がりますが、以来一人ではほとんど遊んでいません。
で、そのWiiに関する面白いニュースがありました。
皆様、書いた論文の英文校正どうされていますか?
結構お気に入りのサービスを見つけたので紹介します。
実は、最近、英文校正の証明書が必要な国内の雑誌に投稿したのです。英文校正といってもたいしたものではなく、せいぜい Abstractと legendくらい。全部で 150語前後の英文でした。
先輩の医師が教えてくれた F社にまずお願いしました。日本の会社です。ところが、この校正がかなりひどいものでした。普段読む英語の医学雑誌で見慣れない表現のオンパレードに訂正されていました。一流英文誌の構文を下敷きに、単語を変えて作った英文も変に直されていて、絶対私の英語の方が正しいと確信していました。
英文校正の証明書が必要なので、校正の疑問な点を含めて、F社に手紙を書きました。そうしたところ、「言われたとおりに全部直して欲しい。納得いかないところがあったら、校正者に英語で手紙を書いて欲しい。」と言われました。
実際に手紙にすると、おかしな点が多すぎて、手紙だけで短い論文一本分くらいになってしまいます。日本語で手紙書くのならともかく、英文で手紙を書くには手間が多すぎます。「日本の会社に交渉するのに、いちいち英文で手紙なんて書いてられるか」って。そこで F社をあきらめました。
それで見つけたのが、Editageという会社。この会社のサイトを見ると、NatureやScienceといった一流雑誌に投稿された論文の校正もしているようです。
見積もりは 1時間以内。午後 4時にお願いした論文は午後 11時に校正が終了してメールが届きました。どっちでも良いような表現は、「気にいらなかったら無視してくれ・・・」という注釈付き。
F社の校正に対して私がおかしいと指摘した部分は、もちろん私の文章がそのまま生かされていました。さらに、医学用語のスペルミスを F社は見落としていましたが、Editage社はきちんと指摘してくれました。これは、校正者が普段医学論文を読み、その用語に慣れている証だと思います。
ただ、2カ所表現に納得いかなかったので、校正者に手紙を書きました。ただし・・・英文で。でも、2カ所だけだったので、短い手紙ですみました。
数時間後にメールが来て、私の主張を認めて貰えて、英文校正証明書も PDFで手に入りました。見積もりをお願いしてから、英文校正証明書が手に入るまで1日半。早いでしょ?
料金は、F社が10000円ちょっとで、Editageが1000円弱 (6円/語)。料金のところに、「1語からでも受け付けます」とあって、安いだけでなく、お茶目です。
結局F社で満足したのは、電話対応してくれたお姉様の声が綺麗だったことだけでした。先輩も、「やっぱりだめだな」と、Editageに乗り換えると言っていました。
この会社は、今後も英文校正や英語でのポスター作成に重宝すると思います。
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(注) 私はEditage社とは何の利害関係もありません。上記はあくまで個人的体験で、トラブルがあっても責任は負えませんのでご了承ください。
脳梗塞慢性期の患者の外来管理では、抗血小板薬 (血液をサラサラにする薬) の他に、リスクファクター (高血圧、脂質異常症、糖尿病、タバコなど) のコントロールを行わなければいけません。
禁煙は実際に困難なことが多いのが現状です。ところが、禁煙治療が保険診療で行えるようになっています。
そこで、自分が神経内科外来をしている病院で、呼吸器外来医に相談してみたのですが、保険適応外と言われてしまいました。
昔一緒に働いていた呼吸器の N先生に同じ質問をしたところ、大変勉強になる話を教えて頂いたので紹介します。
禁煙外来ですが、保険適応はどの医療機関でも可能なわけではなく、
①施設基準と②患者基準の双方のすべてを満たす必要があります。
一般に禁煙外来を従来から持っていたところには施設基準を満たしていないことがあるようです。
まず、施設基準については
1. 禁煙治療を行っている旨を医療機関内に掲示していること
2. 禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること
3. 禁煙治療に係る専任の看護職員を1名以上配置していることと 呼気一酸化炭素濃度測定器を備えていること
4. 医療機関の構内が禁煙であること
が満たされている必要があります。
この場合、大学病院などでは病院内だけではなく、庭・大学 (教育施設)・附属研究施設のすべて (病院と同一の敷地にあるものすべて) で禁煙が徹底されている必要があります。
(つまり、たとえ屋外であっても喫煙所がある場合や灰皿が設置されている場合は施設基準を満たさないことになります。)
上記のような点から総合病院などの施設では禁煙外来を掲げているものの、自由診療を継続しているところも多いようです。
患者基準に関しては
1. ニコチン依存症と診断されていること (タバコ依存スクリーニングテストで5点以上)
2. ブリンクマン指数 (=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
3. 標準治療プログラム (12週間で5回の受診が必要)に文書による同意を得ている
4. 外来患者 (入院中は不可)
5. 前回の禁煙指導から1年以上空いていること
が必要とされています。
これについては患者の自己申告によるものが大きいので基準は満たせると思います。
タバコ依存スクリーニングテストは以下のようなものです。
1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
2. 禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがありましたか。
3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。
4. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
5. 上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
6. 重い病気にかかって、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
7. タバコのために健康問題が起きていることがわかっていても吸うことがありましたか。
8. タバコのために精神的問題が起きているとわかっていても吸うことがありましたか。
9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
10. タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。
上記の質問で 「はい」を1点 「いいえ」を0点として計算
判定方法:10点満点のうち5点以上の場合、ICD-10診断によるタバコ依存症である可能性が高い(約 80%)
感度:ICD-10タバコ依存症の 95%が 5点以上を示す。 特異度:ICD-10タバコ依存症でない喫煙者の81%が4点以下を示す。 得点が高い者ほど禁煙成功の確率が低い傾向にある。
その他の医療機関についてはノバルティスが協賛している
http://www.e-kinen.jp/index.html
で調べてみてください。(施設基準が通っているかについても記載があります。)
郡山の病院時代、一緒に働いていた数名や、私の親しい医師でメーリングリストを作りました。そこで、色々と意見交換をしています。
ある先生がアトピー、喘息で悩んでおられて、酒を飲むと喘息発作が出やすくなるという話題となりました。
そこで、呼吸器科のN先生が色々と調べてくれました。内輪の話で済ませるにはもったいないので、N先生の了解を得て、転載します。
アルコール誘発性喘息について少し調べてみました。
飲酒による喘息の誘発はほとんどが日本からの報告で、その背景にアセトアルデヒド分解酵素の活性があるようです。
長崎大学の第二内科からアルコール誘発性喘息に関して報告が出ていました
まとめてみると
・エタノール経口負荷試験では健常者・誘発陽性喘息患者・誘発陰性喘息患者について調べた。
・血中アルコール濃度には3群で有意差は認められなかったのに対して、血中アセトアルデヒド濃度と血中ヒスタミン濃度は誘発陽性患者で陰性群と比較して有意に高値を示した。
・白血球ヒスタミン遊離試験ではエタノールにはヒスタミン遊離作用は認められなかったが、アセトアルデヒドに対しては用量依存性にヒスタミン遊離が認められた。
・健常者と比較して誘発陽性患喘息患者では有意にアセトアルデヒドに対するヒスタミン遊離が促進していた。
・誘発陽性患者の代謝酵素の遺伝子解析では日本人の平均的な分布と差異は認められなかった。
・変異型ホモでは100%、ヘテロでは53%、正常型ホモでは22%の患者にアルコール誘発性の喘息が認められた。つまり、飲酒を契機に喘息が誘発される方はアセトアルデヒド代謝酵素の活性が低く、マスト細胞などからのヒスタミン放出を介して喘息発作が生じることになります。
ヒスタミンによる喘息ですので、H1ブロッカーの内服が効果があると考えられます。
(ただし、もともと気道過敏性を持っているために喘息が誘発されると考えられるので、通常の喘息の治療も必要と考えます。)ちなみに、アセトアルデヒド分解酵素の活性を落とすジスルフィラムをあらかじめ内服させた喘息をもつ欧米人に飲酒をさせたところ、喘息が誘発されたとの報告もあります。
また、一部のセフェム系抗菌薬にもジスルフィラム様作用があり、注意が必要です。ある報告では飲酒2時間程度前のH1ブロッカー内服と、30分程度前のβ刺激薬吸入が発作の予防に有効であるとされていました。
(稀ですが、飲料そのものに含まれる添加物や原料に対するアレルギーもあり、ワインやビールでは保存料や大麦・ホップに対するアレルギーで喘息が誘発されることもあるようです。)
アルコール誘発性喘息とアセトアルデヒド代謝酵素の関係については以下のものに記載されていました。
Correlation between alcohol-induced asthma and acetaldehyde dehydrogenase-2 genotype.
J Allergy Clin Immunol. 1998 May;101(5):576-80.アセトアルデヒドに対する気道過敏性の上昇については以下のものに記載されています。
Increased airway responsiveness to acetaldehyde in asthmatic subjects with alcohol-induced bronchoconstriction.
Eur Respir J. 1999 Jul;14(1):19-22.飲酒前のH1ブロッカー内服、β刺激薬吸入に関しては以下のものに記載されています。
Inhibitory effect of terfenadine, a selective H1 histamine antagonist, on alcoholic beverage-induced bronchoconstriction in asthmatic patients.
Eur Respir J. 1995 Apr;8(4):619-23.アルコールと喘息 押方智也子, 谷口正実, 秋山一男
独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター 臨牀と研究, 83(11) : 1683-1685, 2006
第 295回東京レントゲンカンファレンスで発表してきました。個人的には、今回で 2回目の発表となります。
これは、各大学の放射線科医が症例を呈示して、他大学の放射線科医が読影するという試みです。
Discusserは、放射線科医達が大勢見守る前で読影し、プレゼンテーションします。それを踏まえ、Moderatorは解答を示します。読影のプロセス、ポイントが示されるため、とても勉強になります。
東京レントゲンカンファレンスのサイトには、各科にまたがる過去の症例が掲示されており、楽しむことが出来ます。
です。医師のみなさん、腕試しにどうぞ。
最近結核がブームです。私のグループの患者は、数名が結核と判明しました。神経内科に入院するくらいですから、主訴はそれぞれ外眼筋麻痺や発熱のみであり、呼吸器症状が全くなかったため、当初は結核とは思ってもいませんでした。
結核の診断は意外と難しいのです。典型的な肺病変があれば簡単なのですが、肺病変がはっきりしないことが多々あります。結核菌が全身に散らばった粟粒結核と呼ばれる病態は極めて重篤ですが、肺病変がはっきりしないと診断確定が甚だ困難です。
結核と診断するためには結核菌を証明しなければいけません。喀痰、胃液、尿、便、髄液などを採取し、顕微鏡で見て、菌が証明できれば簡単ですが、多くの場合できません。菌の培養の方が感度は高いのですが、結果が出るのに1ヶ月くらいかかります。PCR法は、論文で読むより感度が低い印象です。
そんな中、画期的な検査法が開発されました。それはQuantiFERONという検査で、結核菌特異蛋白に対するインターフェロンγの一種を見ています。感度、特異度ともにかなり高いものがあります。迅速な診断が可能です。昨年キットが開発され、今年から保険適応になり、私の患者たちもこの恩恵を受けることができました。まだ知っている医師が少ない検査なので、啓蒙活動をしなければいけないと思っています。
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