動画による不随意運動検討会2014
動画による不随意運動検討会2014に参加してきました。
まず、不随意運動の定義が示されたあと、多数の不随意運動の動画が提示されました。以下、取ったメモの内容です。
動画による不随意運動検討会2014
2014年3月6日 (木) 18:50~
野村コンファレンスプラザ新宿
「不随意運動の動画による鑑別診断」
演者:順天堂大学 名誉教授 水野美邦
不随意運動:「意思に基づかない不合理な運動」「意識は覚醒している」「てんかんは除く」「Restless leg’s syndromeは除く」
①Chorea:鑑別 L-Dopaによる peak-dose dystonia, Huntington disease, DRPLA
②Chorea:Huntington-disease like 2 (HDL2)
③Chorea: 小脳 atrophyあり、SCA-17, CAG repeat 47/39
HD like symptomを来す疾患:Huntington disease, HDL1 (psychiatric), HDL2, HDL4 (SCA-17), DRPLA
④Pantothenate kinase-associated neurodegeneration (Hallervorden–Spatz syndrome)
⑤Dystonia-Parkinsonism, oral dyskinesia:頭部MRIで線条体/視床の低信号あり、血清フェリチン低下→Neuroferritinopathy
⑥Postural tremor:血清鉄低値、血清フェリチン高値→Aceruloplasminemia
⑦Chorea:尾状核の萎縮あり, CK上昇あり→Chorea-acanthocytosis
⑧左上下肢不随意運動:Pallidolusyan TIA
⑨Hyperglycemic chorea
⑩Chorea Ballism:Hyperthyroidism
⑪疼痛を伴う spasm (8歳):DYT TorsinA mutation, GPiの DBSにて改善
⑫Dystonia-Parkinsonian tremor-retrocolis:DYT3 (Lubag)
⑬運動負荷での dystonic posture:DYT5, GCH1 mutation
⑭書字でのミオクローヌス, 頭頸部ミオクローヌス (8歳, 発症は 1歳):DYT11, myoclonic dystonia, GPiの DBSにて改善
⑮Parkinsonism+dystonia:DYT12, ATP1A3 mutation, L-Dopa無効, 急激な発症をするが沈静化してそれ以上進行しない
⑯DYT13:DYTは現在 25まで知られている
⑰顔面の不随意運動 (dystonia):Meige syndrome=かたい (DPi DBSで改善), 鑑別 Oro-bucclungual dyskinesia=やわらかい (原因:メジャートランキライザー, L-Dopa・・・)
⑱Sulpiride 8年服用し、中止 1ヶ月後に発症, 流涎と舌の不随意運動:Tardive dyskinesia→治療 D2 antagnoist (Tiapride) の一時増量
⑲peak-dose dyskinesia:治療 塩酸アマンタジン 300 mg投与, 日本人なら 100 mgでも良いかもしれない。一時的に改善するが、一年くらいして再度出てくる。その場合は drug 減量~offとするが、parkinsonismに効いている場合は継続する。
⑳L-dopa内服して 15分で下肢の不随意運動:L-Dopa induced onset-of-dose dyskinesia, あまり治療はしない
㉑Camptocormia:腰椎or胸椎下部で曲がる, 胸椎上部だと stooped posture
㉒PISA syndrome
㉓Ante-collis (首下がり):MSAに多く、parkinson病には少ない
㉔無酸素脳症の既往, ミオクローヌス:γ-Hydroxybutyric acidが有効だったという症例報告あり、ただし日本では麻薬に指定され使えない
㉕上腹部の異常収縮, sensory trickあり:propriospinal myoclonus (v.s. psychogenic movement disorder), psychogenicが少なくない
㉖歩行で全身が前屈してくる:生食投与で不随意運動が消失→心因性
psychogenic movement disorders:奇異な運動、急性発症あり、のろい動作・運動、見せびらかすような所作、一人の時はあまり出ない、生食でも改善、暗示にかかりやすい、ストレス・心因がある、secondary gainがある。
非常に内容豊富で、「動画による不随意運動検討会 2013」に引き続き、勉強になりました。
DYTに関しては、遺伝子が沢山見つかり、その道の専門家でないと把握しきれないくらいになってますね (^^;
残念ながら、「動画による不随意運動検討会」は今年で終わりらしいですが、引き続きこうして勉強できる機会を探したいと思います。