Category: 医学と医療

カンボジアの奇病

By , 2012年7月15日 10:34 AM

カンボジアの子どもを襲う謎の病気、3か月で60人死亡 WHO

2012年07月04日 16:42 発信地:プノンペン/カンボジア

【7月4日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は3日、カンボジアの子供たちの間で広まっている原因不明の病気により、ここ3か月で60人が死亡したと発表した。

WHOの公衆衛生専門家、ニマ・アスガリ(Nima Asgari)医師によれば、最初の死亡例は4月に報告された。犠牲者は全て7歳以下の幼い子どもだという。

WHOは現在、カンボジア保健省と協力して病原と感染経路の特定に取り組んでいる。

アスガリ氏は、まだ調査が初期段階にあるため詳しい症状の特定は難しいとしつつ、「高熱や、重い胸部の症状に加え、一部の子どもは神経系に異常をきたしている兆候がある」と説明している。

現在までに報告された61例のうち、一命を取り留めた患者は1人しかいないという。発症した子どもたちは首都プノンペン(Phnom Penh)と北西部の観光都市シエムレアプ(Siem Reap)の病院に運び込まれている。

WHOが後にAFPに送ったコメントによれば、この病気が伝染病であると示す兆候はまだ確認されていない。(c)AFP

世界を震撼させたこのニュース、どうやらエンテロウイルス 71による手足口病であると結論付けられたようです。さらにステロイドの安易な使用が事態を悪化させていたとのこと。ステロイドは使い方によっては極めて効果的な薬剤です。副作用も必要以上に怖がる必要はありません。ただ、根拠のない使用は、慎むべきですね。以下は、某先生に教えていただいたニュースです。詳細が明らかになってきて、事態は収束に向かいそうです。

2012年07月13日更新 カンボジアで発生している原因不明の病気の調査結果について(更新3)

 2012年7月12日に公表されたWHOの情報によりますと、カンボジア保健省は、カンボジア国内の小児で発生した原因不明の病気について、調査の結果、大部分は重症の手足口病であったと結論づけました。

WHOと関係機関(カンボジアのパスツール研究所、米国の疾病予防管理センター等)は、2012年4月以降、カンタ・ボパ小児病院(Kantha Bopha Children’s hospital)から、入院した小児の疾患と死亡が異常に増えているとの報告を受け、調査を行っていました。

その調査では、カンタ・ボパ小児病院や他の病院の記録、検査、地域の初動対応チームによる家族調査、国のサーベイランスシステムのデータ評価が行われました。

調査結果

 調査によって、合計78人の患者が特定されました。そのうち、カンタ・ボパ小児病院から報告があった患者は62人で、残りは他の病院から報告があった患者でした。症例定義を満たした61人の患者を中心に調査が行われ、そのうち54人が死亡しました。

適切な検体採取をする前に死亡した患者もおり、すべての患者の検体を検査することはできませんでした。合計31人の患者の検体が採取され、カンボジアのパスツール研究所で、いくつかの病原体の検査が行われました。その結果、大部分の検体で、手足口病を起こすエンテロウイルス71(EV71)が陽性となりました。また、インフルエンザ菌b型や豚連鎖球菌など、他の病原体が陽性になった検体も少数ありました。

調査の結果、患者のほとんどは3歳未満で、慢性疾患や栄養失調の患者が数人いました。患者は14州で発生しており、多くはステロイドを投与されていました。ステロイドの使用によって、EV71の患者の状態が悪化したことがわかりました。

対応

 この事例に対応して、政府はWHOの支援を受けながら、EV71による重症の手足口病患者の主な症状であった神経症状と呼吸器症状のサーベイランスを強化しました。保健センターは、軽症の手足口病患者を報告するよう指示されました。サーベイランスが強化されたので、今後、数か月間は、この病気の重症例が新たに発見されることが予想されます。

また、保健省は関係機関の支援を受けて、軽症及び重症の手足口病患者を管理するためのガイドラインや研修コースの作成に取り組んでいます。さらに、保健省は、手足口病の予防、患者の発見、治療についての注意喚起を行っています。

手足口病とは

 手足口病は、小児でよくみられる感染症です。カンボジアでの発生は新しいことではなく、世界中でみられます。ほぼすべての患者は、治療しなくても、7日から10日で回復し、合併症が起こることはまれです。

手足口病は、家畜に発生する口蹄疫とは別の病気です。手足口病はペットや他の動物から感染することはなく、また、動物に感染することもありません。

手足口病はエンテロウイルスによって起こる病気です。主に、コクサッキーウイルスによって起こり、軽症で自然に治ります。また、EV71によって起こることもあり、この場合には重症な合併症がみられることもあり、死亡することもあります。

手足口病の初期症状

 手足口病は、通常、発熱、食欲低下、だるさ、のどの痛みで発症します。赤い斑点の発疹が1日から2日で広がり、手のひらや手、足のうらに水ぶくれができます。発疹は、お尻や陰部にできることもあります。

重症の手足口病の症状

 少ないですが、手足口病が小児で重症になることがあります。重症の場合には、息切れ、眠気、手足に力が入らない、けいれんなどの症状がみられます。小児でこのような症状がみられた場合には、すぐに医療機関を受診することがすすめられます。

手足口病の治療

 手足口病には、特別な治療法はありません。患者には、十分な水分補給が必要です。発熱や皮膚のただれによる痛みを抑えるための治療が行われます。

手足口病の予防

 一般的な衛生習慣を守ることで予防できます。特に、水ぶくれやただれた部分に触った後、調理の前、食事の前、小児に食事や母乳を与える前、トイレの後、小児のからだを洗った後に、石けんと水でよく手を洗うことが重要です。

★感染症情報手足口病

渡航する方は十分注意してください。

 海外滞在中や帰国後に、気がかりな症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診し、渡航した地域や滞在中の行動などについて医師に詳しく伝えてください。また、帰国の際に熱や心配な症状がある方は検疫所の担当者にご相談ください。

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歌を忘れてカナリヤが

By , 2012年7月10日 6:59 AM

歌を忘れてカナリヤが (原口隆一・麗子著、文芸社)」を読み終えました。

著者の原口隆一氏は武蔵野音大の教員であり、声楽家としても活動を続けていました。ところが、 1993年 9月 24日に脳梗塞を発症しました。後遺症として失語症が強く残り、著者は地道にリハビリを続けました。実際の彼のノートの一部が印刷されているのですが、「お父さん=男→父→パパ」と書いてあります。さらにルビまで振ってあるのです。このレベルの単語が失われてからのリハビリだったので、大変な努力が必要だったのではないかと思います。

しかし、彼は歌手としての復帰を目指し、2000年にその夢を叶えました。その努力の奇跡が本に描かれています。

私は神経内科医として脳梗塞の患者さんを多く見ていますが、患者さんの思いというものが伝わってきて、非常に感動しました。

同じように脳梗塞の後遺症で苦しんでいる方、リハビリ関係の方、脳卒中診療に関わる方などに読んで欲しいと思いました。また、音楽家が内面を綴った文章ですので、音楽関係の方にも興味を持っていただけるのではないかと思います。

 

「唄を忘れたカナリヤ」(西條八十「砂金」より)

唄を忘れた金糸雀(かなりや)は
後の山に棄てましよか
いえいえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀は
背戸の小藪に埋(い)けましょか
いえいえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀は
柳の鞭でぶちましよか
いえいえ それはかわいそう

唄を忘れた金糸雀は
象牙(ぞうげ)の船に銀の櫂(かい)
月夜の海に浮べれば
忘れた唄をおもいだす

(参考)

第35回日本神経心理学会総会

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古代アンデスの謎

By , 2012年6月26日 8:27 AM

「古代アンデスの謎 二〇〇〇年前の脳外科手術 (片山容一著、廣済堂出版)」を読み終えました。丁度 20年前、1992年に書かれた本です。

著者は日大の脳神経外科教授ですが、 UCLAの名誉教授も務めています。そして定位脳手術の世界的権威です。医学生時代にボリビア・アンデス一帯を登山し、博物館で穴を開けられた数々の頭蓋骨を見たのが著者とアンデスの頭蓋骨の出会いでした。以後、著者はこの穴の謎の探求を続けることになります。

どうやらこの穴は、生きている時に開けられたらしいのです。この穴が脳外科手術によって開けられたことに初めて言及したのは、かの有名なブローカでした。というのも、穴の周囲の骨が増殖し、穴が滑らかになっているのが確認されているからです。これは穴を開けてから、その人物が長く生きたことを意味します。

ブローカ以後、有名な脳外科医がこの問題に取り組みます。世界で最初に脊髄腫瘍の手術をしたホースレイはてんかんの治療だと考え、ルカ・シャンピオニエールは減圧開頭術ではないかと推測しました。その後も、バランス、シェリントン、ウォーカーなど、錚々たる学者、脳外科医がこの問題に言及しました。

著者は現代の脳外科医の眼から見て、当時の手術がどのように行われていたかを推測します。そして、最終的に、この穴が急性硬膜外血腫の手術痕だったのではないかという結論に達しました。しかし、当時は CTのなかった時代です。診断技術に乏しく、危険な手術に踏み切るかどうかアンデスの医師たちは悩んだことでしょう。この悩みを著者は現代の医師たちに重ねあわせています。

迷いの内容は違うが、手術をしたほうがいいのかどうかわからないのは、古代アンデスの外科医とまったく同じである。そして決断の核心には、まったく医学的治療や科学的な因果関係などといったことばで語られるような確信はないのである。これも古代アンデスの外科医とまったく同じである。

こういうとき、なにか無条件に従わなければならない原則が決まっていたとしたら、医師の仕事は大変やりやすいものになる。原則に従うということで、自分は正しいことをしているのだと思い込むことができるからである。

古代アンデスの頭蓋骨の謎から、時代を超えて現代まで通じる考察ができるのが、著者の見識の高さではないかと思います。そして、あとがきでは現代の医療問題について触れられていました。このあとがきが、医療崩壊が叫ばれるより前に書かれていたことに驚きました。

こういう意味では、彼らの置かれた立場は想像を絶するほど難しいものであったに違いない。そんな彼らが少しでも気を楽にする方法は、彼らも持っていたと思われる体系と原則に沿い、頭蓋穿孔について社会が自然に形作ってきた合意と要請に従って、仕事を進めることであっただろう。

医療技術というものは、よほどはっきりした根拠がない限り、それぞれの医師の確信のみにもとづいて行われるわけではない。一部の例外を除いて、全体的には社会的な合意と要請に従うように行われる傾向がある。

医療の問題を語るとき、誰かが作り出した常套句がよく使われる。薬漬け、検査漬け、などはすぐ頭に浮かぶものである。こういった常套句はわかりやすいだけに、容易に使われることが多く、しかもそれですべてがわかったつもりになってしまう。だから問題の本質を考える上では、かえって妨げになっていることが多いようである。

医療費の高騰は、現代の社会の持つ大きな問題のひとつである。その原因探しは行政の大切な役目になっている。この問題を語るときに必ず出てくる、薬漬け、検査漬け、といった常套句の与える印象どおり、医師たちが自分の利益のために不必要な検査や投薬を行なっているのなら、医師を責めれば問題は解決するだろう。しかしそれだけでは到底解決できないことは、もうだんだんと誰の目にもはっきりしてきている。

医師に対する不信というのも常套句のひとつである。しかしこれはなにも今に始まったものではない。医師に対する不信という問題は、古今東西の著作をあたってみればいくらでもみつけることができる。多少の知識のある人なら誰でも知っていることだろう。そこには、もっと本質的な問題がもともとあるのである。医師に信頼回復を叫ぶだけでは、問題は絶対に解決しないようにわたしには思える。そろそろ医療技術というものの本質的な性質を、社会との関係から考えてみることのできる時期にきているのではないだろうか。

この解説まで読むと、単に頭蓋骨の穴の謎を解くだけではなく、古代アンデス、現代に共通する、医療問題の普遍性を見ぬくことが、本書のもう一つの目的であることに気付かされます。

最後に、現代の実際の手術風景の描写から、著者を指導した教授の含蓄ある言葉を記しておきます。著者たちは、こういうことを思いながら手術を進めているのですね。

傷んでいる脳ほどほんの少しでも大切にしなければいけないのだ。このひとには、この傷んでいる脳しかないのだから。

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医療債務

By , 2012年6月21日 9:56 PM

いつも愛読している李啓充先生の「続・アメリカ医療の光と影」。ここ2回、「医療債務の陥穽」という内容でした。非常にショッキングな内容だったので、紹介しておきます。

医療債務の陥穽(1)
医療債務の陥穽(2)

アメリカは訴訟社会ということもあり、訴訟費用を医療費に上乗せしてきたことが、医療費高騰の一因なのかもしれません。Twitterでつぶやくと、かなり反響の大きい記事でした。

 

もう一つ、全く関係ない話ですが考えさせられた記事。T大の大学院まで出たエリートの悲劇の話です。

無題

人間の能力って同心円ではないので、ある分野に突出した才能を持っていても、ある分野では気付けないことが普通にあるのかもしれません。私は優秀には程遠いですが、自戒を込めて。

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片頭痛と遺伝子

By , 2012年6月18日 8:24 AM

2012年6月10日の Nature Geneticsに興味深い論文が出ました。前兆のない片頭痛患者の遺伝子解析 (ゲノムワイド関連解析, Genome-wide association analysis; GWAS) の結果です。

Genome-wide association analysis identifies susceptibility loci for migraine without aura

これまで、片頭痛についてはいくつかの研究が行われ、下記のSNPが指摘されていました (※SNP:ある生物種集団のゲノム塩基配列中に一塩基が変異した多様性が見られ、その変異が集団内で1%以上の頻度で見られる時、これを一塩基多型(いちえんき・たけい、SNP : Single Nucleotide Polymorphism)と呼ぶ。)。

<International Headache Genetics Consorium with migraine aura study(IHGC)>

・MTDH

<Women’s Genome Health Study of migraine (WGHS)>

・PRDM16

・LRP1

・TRPM8

 

今回の論文では、ドイツとオランダで 前兆のない片頭痛患者 2326人 (population-matched control 4580人) の遺伝子を解析し、以下の 2つの  SNPが新たに同定されました。

<clinic-based German and Dutch individuals with migraine without aura>

・MEF2D (myocyte enhancer factor 2D, locus 1q22)

脳に高度に発現している転写因子で、神経の分化を制御している。MEF2Dの神経活動依存的活性化は、興奮性シナプスの数を制限する。片頭痛の脳では興奮性が増しているので、MEF2Dの制御不良は、前兆のない片頭痛患者の興奮性神経伝達に関与しているのかもしれない。

・TGFBR2 (transforming growth factor β receptor 2, locus 3p24)

細胞の増殖や分化の制御、及び細胞外マトリックスの産生に関与するセリン・スレオニンキナーゼである。TGFBR2の p.Arg460His変異は、家族性大動脈解離の原因としても知られている。

 

そして、完全には再現性 (replication) が確認できなかったものの、次の2つの遺伝子に疑いが残り、さらなる研究が必要とされました。

<clinic-based German and Dutch individuals with migraine without aura>

・PHACTR1 (phosphatase and actin regulator 1, locus 6p24)

PHACTR/scapininファミリーの一つで、シナプスの活動性や形態を制御している。PHACTR1は内皮細胞機能にも関与しており、その一塩基多型は若年性心筋梗塞に感受性があるとされる。

・ASTN2 (astrotactin2, locus 9p33)

脳皮質の層状構造の発達に重要な、神経細胞の遊走に関与している。

 

また、過去に報告されていた 遺伝子のうち 2つは、今回の研究でも有意な所見が得られました。

<clinic-based German and Dutch individuals with migraine without aura>

・TRPM8 (transient receptor potential melastatin 8, locus 2q37)

寒冷およびメントールで活性化されるイオンチャネルで、感覚神経に発現している。皮膚のアロディニア(異痛症)に関与しているとされるが、これは片頭痛患者の多くで見られる。

・LRP1 (low-density lipoprotein receptor-related protein 1, locus 12q13)

神経や血管を含む多くの組織で発現している細胞表面の受容体で、細胞外環境のセンサーとして働く。血管平滑筋の増殖に関与したり、シナプスでの伝達を調整する。

 

今回報告された遺伝子は、どれも機能を見ると、片頭痛に関係しているというのが頷けます。そして、著者らの考察で興味深かったのは次の点です

「過去の研究と併せると、TRPM8は様々なタイプ(前兆の有無など)の片頭痛に関係がありそうである。一方で、MTDHは前兆のある片頭痛患者を集めた IHGC研究では片頭痛との関連が疑われたが、今回前兆のない片頭痛患者を集めた研究では、片頭痛との関連が証明できなかったので、頭痛よりむしろ前兆に関係しているのではないか?」

 

片頭痛は患者数が多いので、こうした大規模な遺伝学的研究はやりやすいのでないかと思います。こうした遺伝子の側からの研究により、原因遺伝子/蛋白質が同定され、より効果的な治療法の開発が進むことを期待します。

 

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自動車保険

By , 2012年6月4日 7:53 AM

神経内科ではてんかんの患者さんを診療する機会が多くあります。今話題の自動車免許の件も避けては通れない問題で、患者さんと話し合うことがしばしばあるのですが、先日の外来で自動車保険について聞かれて、自分の中で盲点になっていたことに気付き、簡単に調べてみました。

てんかんと自動車保険

サイトをご覧頂くと、加入する際の参考になるのではないかと思います。一方で、個々の保険会社名は書いていないですので、加入の際に確認が必要でしょうね。

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神経学会総会

By , 2012年5月27日 11:14 AM

以前お伝えしたとおり、5月22~25日に神経学会総会があり、行ってきました。なかなか有意義な数日間が過ごせました。この数日間を簡単にお伝えしようと思います。

5月22日

神経学会生涯教育セミナー Hands-on 6 「高次脳機能」に参加しました。WAIS-IIIは自分で検査したこともされたこともあったので、検査の初歩的説明は私にはあまり面白くなかったです。しかし、次期 WAIS-IVから評価項目の記載が代わると話など、いくつか新しい知識が得られました。聞き終わってからラボに実験に行きました。

5月23日

8時から「ビデオで見る不随意運動の基礎」という講演を聞きました。不随意運動は見る機会があっても、最初は「これが○○だよ」と誰かに教えて貰わないと、なかなか正しく学習出来ません。教科書を読んでも、文字からでは想像しにくいものが多いのが事実です。そういった意味で、得難い勉強の機会でした (とはいえ、10年も神経内科医をやっていれば、ビデオで見た不随意運動のほとんどは既に経験したものですが・・・)。

9時からは絞扼性末梢神経障害の手術についての講演でした。亀田総合病院の整形外科の先生が、講演してくださいました。内容は、carpal tunnel syndrome (手根管症候群), ulnar neuropathy at elbow (昔、肘部管症候群と言われていたもの), Guyon’s canal syndrome, tarsal tunnel syndrome, T.O.S. (胸郭出口症候群), piriphormis syndrome (梨状筋症候群), meralgia parestheticaについてでした。我々は診断をつけたら整形外科に患者さんを紹介することが多い訳ですが、整形外科の先生がどのような基準でどのように治療するかがわかって、非常に勉強になりました。また、手根管症候群の一部で、Palmar cutaneous branchが障害されると非典型的な症状 (母指の障害) を出し、Tinel’s signの部位が通常と異なることは初めて知りました。こんなに面白い話なのに、非常に参加者が少なかったのが残念でした。

10時頃からポスターをみて、ラボに行き、実験をしました。そして、15時の講演に合わせて会場に戻りました。15時からの「小脳症状とは何か」という講演は、期待はずれでした。あまり「小脳症状とは何か」という問に答えていない演者が多かった気がします。

5月24日

8時から「てんかん発作を診て勉強しよう」の講演を聞きました。基本的な話が中心で、新しく勉強になったことは少なかったですが、入院でビデオ+脳波同時期録ができる施設が羨ましいと思いました。なかなかそういう環境でないと、ヒステリー (偽発作) と本当のてんかん発作の鑑別が難しいことがあるからです。

9時からは「感覚情報と大脳基底核」の講演を聞きました。内容としては、「Motor」「Oculomotor」「Prefrontal」「Limbic」の系は (細かいことを別にすれば) 閉じている、一方感覚系は閉鎖ループではなく、一種の open loopとして大脳基底核に関わっている、という話でした (一部閉鎖ループはあるかもしれないが、その影響は小さい)。つまり、運動の実行、プラン時に感覚野は大脳基底核の機能に影響を与え、この障害は基底核で運動症状を作ると言うことです。また、Sensory trickは、大脳基底核障害で回らない基底核ループの感覚情報の修飾、paradoxical gaitは感覚情報を用いた小脳による運動の補正 (大脳基底核:internal triggerな運動を制御、小脳:external triggerな運動を制御) と説明するとわかりやすいのではないかと提案されました。なんとなくわかった気がしたのですが、いつも話がわかりやすい宇川先生を以てしても難しい話でした。

10時からはポスターを見ました。紀伊半島古座川 ALSに 3名の C9ORF72変異が見つかった話、Parkinson disease with dementiaでは MMSEより HDS-Rの方が鋭敏であること、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) のレスパイト入院では年間医療費はほとんど増えないという話などが面白かったです。ポスターを見てからラボに実験に行きました。

5月25日

前日、将棋の橋本八段達と午前 1時過ぎまで飲んでいて朝辛かったですが、何とか遅刻せずに間に合いました。

8時からの「てんかんと運転免許」は今トピックの話でした。てんかんの方に運転免許が与えられるようになってきた経緯、それを規定する法律内容について説明がありましたが、詳しく書くと長くなってしまうので、いくつかに絞って紹介します。

・医師の責任について。てんかん患者が運転免許を取るときに必要な診断書は、虚偽の記載をすれば虚偽公文書作製罪に問われます。しかし、適合と判断したのに非適合あったケースでは、医師の刑事責任は問われません。

・事故件数について。日本での運転免許保持者は 8101万人、総人身事故は 72.6万件/年、うちてんかん発作によると思われる事故は 71件 (そのうち免許取得/更新時に申請していたのは 5名) と、有病率を考えれば決して多くありません。

・ヨーロッパでは欧州連合指令による規定があります。自家用運転での発作抑制期間 (この期間発作がなければ免許がとれる) は、てんかん 1年、初回発作 6ヶ月、薬物調整時 6ヶ月、てんかん手術後 1年、職業運転での発作抑制期間は、てんかんの場合内服なしで 10年、初回発作 5年です。今後これが global standardになっていくのではないかと考えられています。ちなみに、発作抑制期間の長さにより、あまり事故率は変わらないというデータがあるそうです。

・運転適性 がない (発作の恐れがある) のに運転していた人のうち、35%が仕事や生活の必要性のため免許がどうしても必要なので申告していなかったそうです。

講演後、フロアから、いくつか良い質問がありました。

①初回発作のときどうするか?

てんかんは、 2回以上の発作があって初めて確定診断されることが多いです (初回発作があっても、半分の患者さんはその後発作を起こさない)。なので、初回発作のみでは診断できない場合があります。このとき運転免許をどうするかに関しては、明確な決まりはないそうです。

②仕事がなくなるのが怖いから、患者さんは申請できないのでは?

現行ルールを守って貰うため、世間を巻き込んだ議論をする必要があります。現行ルールで良いのかは学会で方針を出したい、とのことでした。

③減薬をどうプランニングするか?

成人に成る前にトライすべきで、成人になってからは極めて慎重であるべき、とのことでした。

(2012年 10月11日16:00-18:00に日本てんかん学会のワークショップ「てんかんと運転」があり、そこで様々な事が決まる見込みなのだそうです)

9時からは、「実地に役立つ神経遺伝学」の講義でした。家族性 ALSと診断されていた MJD, MERFF, Friedrich ataxia with retained reflexes, Posterior column ataxia, hereditary spastic palarysisが症例としてあげられました。遺伝形式などにより使う手法が違うので臨床診断がしっかりしていないと無駄が多くなってしまう、という話でした。どのような場合にどのような解析法を使うかなど、勉強になりました。参加者が少なかったのが残念でした。

10時からポスターを見に行きました。京都からの報告で、 ALS/Paget病の患者さんで VCP変異が見つかった話などが興味深かったです。日本ではその変異はないかと思っていたのですが、実際にはあったのですね。

13時 30分から、「東日本大震災:あれから一年」というシンポジウムに参加しました。まず岩手医大、東北大学の先生が、震災により生じる健康被害についてどう研究をするか、どうデザインを組むかを話されました。私は「そういう話は学会誌の読み物にまとめて、こういう場じゃないと聞けない話をすればよいのに」と思いました。

3人目の演者、福島県立医大の宇川教授は「調査する側とされる側の思いは違う」とチクリと言って、講演を始めました。福島県は、浜通り、中通り、会津と 3地域にわけられますが、それぞれの震災後の状況、現状を話されました。放射能汚染についても触れました。現在、福島市の放射線量はローマと同じくらいですが、雨樋など一部高い場所もあるようです。どの程度怖がるかは、科学じゃなくて価値観の問題なので難しいようです。考えさせられました。

4人目の演者は斎藤病院の斎藤先生でした。石巻の民間病院の院長です。周囲が全て津波に飲まれ、1個のおにぎりを半分にして、それを 1日 2回にして飢えを凌いだとおっしゃっていました。斎藤病院では、震災後救急患者が 2-3倍になりすぐに満床になりました。DMATは石巻赤十字病院には来ましたが、斎藤病院には来ず、その後東北大学が様々な支援をしたそうです。支援物資の分配も上手くいっていなかったそうで、民間病院や在宅の方へは届くのが遅れました。石巻では 3ヶ月で 70%, 6ヶ月で 86.8%の病院が再開しました。民間病院には、建物に半分の補助がでましたが、医療機器は補償されず、官民格差を感じたとのことでした。最後のまとめで斎藤先生がおっしゃっていたのは、①震災時に拠点病院以外の病院をどうするのか?②卸売り業者が被災して薬が手に入らなくなった場合、メーカーから直接買えるようにならないか?③支援物資をどう届けるのか?④予算案が国会を通るのに何故 8ヶ月も空白が生じたのか?ということでした。

5人目の演者はいわき病院の先生でした。いわきは揺れ、津波、原発事故のトリプルパンチをくらいました。原発事故後、1週間は外を車が走っていなかったと証言されていました。いわき病院では、津波時に寝たきりの患者さんを院内の高いところに避難させ、その後全ての患者さんを他院に搬送し、そして戻ってきて診療を再開しました。講演では、被災後の ALSの患者さんの動向などについて話されました。現在のいわきでは、流出した人はいるものの相双地区から流入した人がいて、若干人が増えたそうです。転勤してくる方の住む家がないほどだとおっしゃっていました。

まだシンポジウムは続いていたのですが、被災地の先生の話が終わったため、別のシンポジウムに出るため、途中で抜けました。このシンポジウムで残念だったのは、参加者が非常に少なかったことです。他に勉強しなきゃいけないことがたくさんあるのはわかりますが、1年経つと人の関心は移ろうものだなぁ・・・と。まだ引きずっている私の方がおかしいのでしょうか?

さて、15時 15分からは「神経学と精神」というシンポジウムに出ました。まずは神経疾患で見られる精神症状について。急性自律性感覚性ニューロパチーでは半数以上に精神症状が見られる、片頭痛で遁走が見られることがある、post stroke depressionでは中前頭回の血流が低下している、CADASILではアパシーが見られる、パーキンソン病では性欲亢進が見られることがある、抗 NMDA受容体抗体脳炎では意識・自我の障害がみられる、拒食症では insulaとの関係が指摘されている、視床梗塞では personality障害が出る・・・という話でした。その後、精神科の先生からの話を聴き、神経内科とは違った立場からの見方に新鮮さを感じました。

これで私が聴講した全ての講演が終わりました。参加できた講演はこれでもごく一部で、神経学の幅広さを実感しました。

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医学者の手帖

By , 2012年5月24日 6:36 AM

「医学者の手帖 (緒方富雄、森於菟著、学生社版)」を読み終えました。科学随筆文庫の一冊です。

緒方富雄氏は、緒方洪庵の曾孫にあたります。クラシック音楽が好きだったようです。「ないようで」という随筆には、次のように演奏の話が出てきます。

書いてあることだけが、われわれのいとなみを規定するのではない。書いてないものも大いにわれわれを規定する。

ある楽譜を、書かれたまま演奏すればいいのなら、仕事は簡単である。実は、譜に書かれていないものを演奏し出すところに、むずかしさがある。つきつめていえば、それを「書かれてないもの」と見るかどうかに問題の中心がある。

どこをあるいてもよさそうな道にも、ひとがつくったもうひとつの「みち」があるように、どうふるまってもよさそうにみえるところにも、おのずから「なにか」があるところに、人のいとなみの「みち」がある。

これは一例ですが、「ある日」という随筆で、カーネギーホールでの切符の買い方を教えてくれた人物に触れていますから、アメリカ時代は良くコンサートを聴きに行っていたのではないかと思います。

森於菟 (もりおと) 氏は森鴎外の長男です。台湾大学医学部長を務めました。さらにその長男は皮膚科医で、社会保険埼玉中央病院で皮膚科部長になられたそうです。

さて、森於菟氏の随筆には、森鴎外のことが多く登場します。「観潮楼始末日記」は、森鴎外が住んでいた家の処分に奔走した話で、鴎外との想い出が、多くの文人との逸話と共に彩られています。下記に記すワンシーンは、明治時代の文学史がそのままそこにあります。

つぎは明治四十三年の春某日の夕、観潮楼階上で月例の歌会(父は短詩会と呼んでいた)が催されていた。父のほかには竹柏園主人佐佐木信綱、いつも紋附羽織袴お公卿様のような端麗な風采で悠然と柱に背を寄せておられる。わざと縁側に座蒲団を持って来て、あぐらをかき腕を組む肥大漢は根岸派の伊藤左千夫。新詩社のおん大与謝野寛はすべてに滑らかなとりなしで起居も丁寧である。皆その日の出題によった短歌の想を練っているのであった。若い人たちはもとの「明星」派が圧倒的に多い。伯爵の若殿吉井勇は大柄な立派な体躯でゆったりと控える。おでこの石川啄木は故郷の山河に別れて間のないころであったろう、頭に浮かんだ歌を特有のキンキン声で口ずさむと父が大声で笑う。北原白秋は既にキリシタンの詩で知られており、平井修は幸徳秋水を弁護することで父に相談にきた弁護士である。木下杢太郎は東大医科の学生太田正雄で私より数年の先輩。大久保栄さんが生きていたらこの中にいるだろうにと私は思う。平野万里は工学士で私の幼なじみ、私が里子に言った大学前森川町の煙草店の長男で当時私の「兄ちゃん」とよんだ人。このほかに「アララギ」派では伊藤左千夫のほか時々斎藤茂吉、小泉千樫など。

森於菟が書いた「鴎外の健康と死」という随筆で初めて知ったのが、森鴎外の死因となった病気について。一般的には萎縮腎(腎不全)とされているらしいのですが、これは誤りらしいです。その経緯について、非常に面白いことが書かれていましたので、長いですが引用します。

父の事績を忠実に記録したのは父の末弟なる森潤三郎であるが彼も真実を知らなかったのでその後の伝記の誤りはすべてこれに端を発しているといってよい。私にこれを語ったのは父の死床における主治医額田晉博士である。私が終戦による台湾からの帰国後勤務した東邦大学の医学部長(現在は学長)であった同君は、父の終世の親友で遺書を托した故賀古鶴所翁の愛姪を婦人とする人である。賀古さんは重態に陥りながら誰にも見せない父を説き落とした結果、それなら額田にだけ見せようとその診察を受けることを父が承知したただ一人の医師が額田君で、私と独協中学からの同窓、東大を出て十年に満たない少壮の内科医、賀古氏と同じく父の親友青山胤通博士門下の俊秀であった。父の最終の日記「委蛇録」中、大正十一年壬戊日記六月の条に「二十九日。木。(在家)第十五日。額田晉診予。」とあるのがそれで、その翌日からは吉田増蔵代筆で七月五日まで記録がつづき、九日終焉となったのである。

私が東邦大学の教授となった年、夏休暇前と思うが「いつか君にいって置こうと思っていたのだが」と前置きして額田君は話し出した。「鴎外さんはすべての医師に自分の身体も体液も見せなかった。ぼくにだけ許したので、その尿には相当に進んだ萎縮腎の徴候が歴然とあったが、それよりも驚いたのは喀痰で、顕微鏡で調べると結核菌が一ぱい、まるで純培養を見るようであった。鴎外さんはそのとき、これで君に皆わかったと思うがこのことだけは人に言ってくれるな、子供もまだ小さいからと頼まれた。それで二つある病気の中で腎臓の方を主として診断書を書いたので、真実を知ったのは僕と賀古翁、それに鴎外さんの妹婿小金井良精博士だけと思う。もっとも奥さんに平常のことをきいたとき、よほど前から痰を吐いた紙を集めて、鴎外さんが自分の庭の隅っこへ行って焼いていたと言われたから、奥さんは察していられたかも知れない。」

Wikipediaには、鴎外の死因に腎不全と結核を挙げています。極めてシンプルな記載です。

1922年(大正11年)7月9日午前7時すぎ、親族と親友の賀古鶴所らが付きそう中、腎萎縮、肺結核のために死去。満60歳没。

さて、鴎外の健康を論じる以上、家族歴は極めて重要です。森家の家族歴についても詳しく書いてあります。全部は紹介しきれないのですが、本文中に簡単な要約があります。

女性は概して長命であり、男性は晩年に動脈硬化が著しく、ことに腎臓を侵して萎縮腎になりやすい。

家族性の腎不全だと、多発性嚢胞腎などが挙げられるかと思いますが、動脈硬化が著しいという記載をみると高血圧+腎硬化症も鑑別になるのでしょうか。

森鴎外の最初の妻であり、森於菟の母であった森登志子は離婚後結核で亡くなっているそうです。森鴎外が結核であったことを考えると、夫婦はどちらかが移したものである可能性が高いでしょうね。

最後に、余談ですが、森家と順天堂の接点が書かれていました。

さてここで父の最初の妻すなわち私の実母の病歴をみよう。登志子の父赤松則良は幕臣で西周、津田真道と共に西欧に派遣された赤松大三郎である。その妻貞子は林洞海の女、佐藤尚中や松本順の姪に当り順天堂はその一族で、また、その姉は子爵榎本武揚の室である。

この本、こうした裏話が満載で、かなりお勧めです。

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第53回神経学会総会

By , 2012年5月22日 8:52 AM

本日から日本神経学会総会です。今のところ、下記の演題を聴きに行くつもりでいます。しかし早朝の演題は、起きられない可能性があるので微妙なところです (^^;

 

第53回日本神経学会 (2012年)

東京国際フォーラム 有楽町線有楽町駅徒歩1分

 

5月22日(火)

11:00 神経学会生涯教育セミナー Hands-on 6 「高次脳機能」第13会場 (ガラス棟7階)

5月23日(水)

8:00 教育講演 E(1)-1 ビデオでみる不随意運動の基礎 第3会場 (ホール棟B 7階)

9:00 教育講演E (1)-4 絞扼性末梢神経障害の手術 第4会場 (ホール棟B 7階)

10:00 ポスター発表 第16会場 (展示ホール地下2階)

パーキンソン病①画像、パーキンソン病④姿勢異常、筋疾患③筋ジストロフィー

16:00 教育講演E(1)-5 ALSの遺伝学 第3会場 (ホール棟B 7階)

or シンポジウムS(1)-9 小脳症状とは何か 第6会場 (ホール棟5階)

5月24日 (木)

8:00 教育講演 E(2)-1 てんかん発作を診て勉強しよう 第3会場 (ホール棟B 7階)

9:00教育講演 E(2)-3 感覚情報と大脳基底核 第3会場 (ホール棟B 7階)

10:00 ポスター発表第16会場 (展示ホール地下2階)

認知症⑧検査、パーキンソン病⑫ DBS、運動ニューロン疾患⑨社会医学、HIV, HTLV1、その他の機能性疾患②RLSなど

5月25日 (金)

8:00 ホットトピックス H(3)-1 てんかんと運転免許 第2会場 (ホール棟C 4階)

9:00 教育講演 E(3)-3 実地に役立つ神経遺伝学 (脊髄小脳変性症を中心に) (ホール棟B 4階)

10:00 ポスター発表第16会場 (展示ホール地下2階)

パーキンソン病⑭病態生理、パーキンソン病⑮基礎研究、パーキンソン病⑯病理・遺伝、脊髄小脳変性症④分子病態、脊髄小脳変性症⑤遺伝子異常、運動ニューロン疾患⑩神経病理、運動ニューロン疾患⑪遺伝、運動ニューロン疾患⑫分子病態、てんかん③画像検査・治療など、末梢神経疾患⑤CMTなど、筋疾患⑥ポンペ病その他

13:30 シンポジウムS(3)-12 東日本大震災:あれから一年 第8会場 (ホール棟D 5階)

15:15 シンポジウム S(3)-16 神経学と精神 医学の境界を再度考える 第3会場 (ホール棟B 7階)

今回の総会で面白いのは、「てんかんと運転免許」「東日本大震災:あれから一年」といった、時事的問題を扱った演題が多いことですね。神経内科医が社会で果たす役割を考えましょうということでしょう。楽しみです。

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大町病院から

By , 2012年5月20日 5:27 PM

以前、「南相馬市立総合病院の記録」という記事をお伝えしました。

同じく医療ガバナンス学会で、大町病院からいくつかの報告がなされています。記事へのリンクを貼っておきます。現場の人たちの思いが伝わってきます。

Vol.323 わだかまりを越えて 2011年11月23日
Vol.347 福島県南相馬市・大町病院から(2) 2011年12月23日
Vol.366 福島県南相馬市・大町病院から(3) 2012年1月15日
Vol.411 福島県南相馬市・大町病院から(4) 2012年2月22日
Vol.446 福島県南相馬市・大町病院から(5) 2012年3月29日
Vol.489 福島県南相馬市・大町病院から(6) 2012年5月16日

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