ガラパイア-世界の病院食ってどんな感じ?世界病院食図鑑-を眺めていて、ヨーロッパの病院食がどんなものか知りたくなり、色々ネットで調べてみました。もちろん病気によって違ってきますので一概には言えませんが、雰囲気は伝わってきます。
出産での入院に関わるブログが多いのは、出産時に赤ちゃんを撮ろうと思ってカメラ持参で入院している方が多いからでしょうね。
<イギリス病院食>
・ミリアムのキッチン-これがイギリスの病院食です!1-
・ミリアムのキッチン-これがイギリスの病院食です!2-
・ミリアムのキッチン-これがイギリスの病院食です!3-
・ミリアムのキッチン-れがイギリスの病院食です!4-
・Here and There Blog-NHSの病院食-
・ことり。ジャーナル-イギリスの病院食-
・素敵な英国生活-病院食-
一気に沢山紹介しても見きれないと思うので、少しずつ更新していきます。
2010年 11月 26日のブログでお伝えしたことですが、本邦でもアルツハイマー病の新しい治療薬ガランンタミンとメマンチンが使えるようになります (早ければ 2011年春頃からの見込み)。
治療の選択肢が増えるのは良いことだと思います。ただ、新薬だからといって過剰に期待するのは避けたいですね。新薬が販売されてから 1年間は 2週間処方の縛りがありますから、本格的に使われるのはもう少し先になると思います。
先日紹介したブログで、この新薬についてわかりやすく纏めていますので、是非読んで頂きたいと思います。
takのアメブロ 薬理学などなど。-アルツハイマー型認知症治療薬、2種を追加承認-
「歴史の中の「眼」を診る 眼に効く眼の話(安達惠美子著、小学館)」を読み終えました。
マイナー科(内科や外科以外の科は業界でそう呼ばれることがあります)の本ですと、「人の魂は皮膚にあるのか(小野友道著,主婦の友社)」なんていう本を紹介したことがありましたが、専門分野を離れて読む本はなかなか楽しいものです。
本書は一般人が読んでもわかりやすく書いてあります。特に個人的に興味を持った部分をいくつか紹介します。
・わが国に眼鏡が伝来したのは1549年で、かのフランシスコ・ザビエルが周防の大名の大内義隆に送った老眼鏡と言われている。
・徳川家康の眼鏡の度や寸法を実測して、「日本眼科学会雑誌」を創刊した大西克知氏が報告した。レンズの度は大きい眼鏡が 1.5 D, 小さい眼鏡が 2.0Dの凸レンズであった。両方とも老眼鏡と思われる。
・キュリー夫人は放射線を浴びて白内障になって、4度も手術を受けた。治療はモラックス博士とプチ博士が行ったが、モラックス博士は眼科のクロード・モネの白内障の診断もしている。
・ドン・ペリニョンは盲目の修道僧であった。ローマ時代に忘れられていたコルク栓を復活させたことで、シャンパンの二次発酵を可能にし、天然の発泡酒という銘酒を生み出した。
・ホルス神は古代エジプトの天空神で、頭が鷹、体が人、右眼が太陽、左眼が月を表している。ホルスが眼病で見えなくなったところをトート神に癒され治癒した伝承がある。ホルスは眼の守護神とされている。ホルスの眼の形はアルファベットのRと似ており、薬の処方のときに使われる Recipe (Rp) の語源につながっている。
・メリメ作カルメンの主人公は斜視だった。しかし、ビゼーのオペラでは触れられていない。
・ジェームス・ジョイスは緑内障のような症状で、計11回も手術を受けた。一説によると、かの有名なアルフレッド・フォークトを頼っている。
・クロード・モネは白内障を患っていた。晩年の色遣いに白内障の影響が表れている。フランスの首相クレマンソーの勧めで右眼の手術を受けると、黄色っぽく見えていた風景が青色っぽく見え、片眼ずつの異なった見え方を「バラ園からみた家」に表現した。
・バッハの失明原因について。手術をしているので、白内障の可能性がある。また、糖尿病ではないかと推測されていて、網膜症の可能性もある。更に脳卒中で亡くなったことを考えると、基礎疾患に高血圧があって、高血圧眼底だった可能性もある。
・フロイトは、彼女の愛を得るために研究に励んでいた。そしてコカインにモルヒネ中毒の禁断症状を止める作用があることを発見した。しかし、同年、同じ病院のコラーがコカインの鎮痛作用に注目して白内障手術に用いた。フロイトはコカインの麻酔作用に気付かなかったことに意気消沈し、精神病理学者としての研究を積むことにした。
・第九の歌詞で有名なシラーには「ヴィルヘルム・テル」という代表作がある。その中に「眼の光」の尊さをうたった一節があり、この句がアルブレヒト・フォン・グレーフェの記念碑に刻まれている。
・検眼鏡を開発したのは、ドイツの生理学者、物理学者のヘルムホルツである。ヘルムホルツは、以前紹介したヘルツの師。
Chem-Stationというサイトがあります。化学について色々情報があります。難解な話ばかりでなく、化学のことをあまり知らない人が読んでも楽しめるコーナーがたくさんあって、時々チェックしています。
Chem-Station
特に面白かったのが、化学の博士号を持っている先生がセンター試験を解いてみた話。点数は・・・。
Ph.D.化学者が今年のセンター試験(化学)を解いてみた
解けなかった言い訳が面白いです。また、「「そんな理不尽に耐えてこそ、大学入学という栄光は勝ち取れる」ということなのでしょう。まぁ大学卒業したら、こんなのとは比べもようもない「人間社会の理不尽さ」が待っているんですけどね(笑) 」という纏め方が素晴らしいです。
その他、このサイトで知ったことですが、2011年は世界化学年です。
来年は世界化学年:2011年は”化学の年”!
日本の科学教育は他の先進国に比べて遅れていることが書かれています。何かしらの改革が必要かも知れません。
来年は世界化学年:2011年は”化学の年”!
最初の驚きは、先進諸国の中でほぼ日本だけが教科書検定を行っていること!
それにより定められた内容以上の化学的知識は授業で扱えない事になっていることが語られました。
それに対して国際標準の高校化学では、物質の性質・変化に関する「なぜ?」をつかむための内容である量子数(n,l,m)、s・p・d軌道、ギブズエネルギー、ネルンスト式、σ軌道・π軌道、グリニャール反応、求核性・求電子性などの項目は既習事項!!であるという、なんだかすごい話が。。。(そのうえ実験のトレーニングも行うのだそう。ひゃー!)
その他、研究者の興味を大変惹きつけるエントリーも。
超一流誌による論文選定は恣意的なのか?
超一流誌は大半が rejectされますから、色々憶測が飛び交うのですね。超一流誌に論文を載せたいというのは、研究者に共通する夢ですね。
1年半くらい更新されていないサイトですが、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) に関して多くの記事を纏めた「神経内科の修行部屋」というブログがあります。数年前のトピックスが数多く紹介されており、今読んでも勉強になります。興味のある方はごらんください。
神経内科の修行部屋
2010年12月9日の Neuron誌に、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) に関する興味深い論文が掲載されました。家族性筋萎縮性側索硬化症 (fALS) の新しい原因遺伝子として valosin-containing protein (VCP) が同定されたのです。インパクトの大きな報告であったため、同 Neuron誌の Previewsで Shaw氏が取り上げています。
Continue reading 'VCPをめぐる最近の話題'»
Nintendo DSで医療系ソフトが結構充実しているようです。確かに、パターン認識が大切な分野では、この手でのゲームで反復練習するのは良いかも知れません。
神経内科の分野でも、MRIの読影とか、針筋電図の解釈とか、あると楽しいかもしれませんが、購入者層が滅茶苦茶狭いので赤字確定でしょうね。
メディカ出版
トレーニングDSシリーズ
医師や医学生相手だと対象が少ないので、看護師も遊べるようなソフトにして、対象の幅を広げているのが商売繁盛の秘訣でしょうか。私の学生時代には考えられなかったことです。時代と共に色々な学習ツールが充実してくるものですね。
12月2日の日記で、「論文の投稿スタイルが厳格になりすぎると、ひょっとすると論文を投稿するよりも、web siteを通じて自分の考えを自由に述べる学者が出てくるかも知れない」と書きました。似たような話で、内容的に医学雑誌が掲載できないようなことを、web siteを通じて発信する医師が出てきてもおかしくありません。
そんなことを感じさせる話に、昨日のエントリーを書いた直後に遭遇しました。「北陵クリニック事件」を指している思われる論文を web siteを通じて発信している医師を見つけたのです。北陵クリニック事件とは、仙台の「北陵クリニック」の准看護士だった守大助さんが11歳女性にベクロニウム (商品名:マスキュラックス) を投与したことで殺人罪に問われた事件です。最高裁で無期懲役が確定し、守さんは刑に服しています。
事件については冤罪とする意見も強く、ネットで検索すれば判決を疑問視するサイトが山のようにあります。中でも、下記のサイトがまとまっていると思います。
・無実の守大助さんを支援する首都圏の会
さて、この事件はそもそも診断自体が誤っており、実際は MELASだったと考えれば辻褄が合うという論文を神経内科医マッシー池田先生が発表されました。こんな危険な論文を掲載する医学雑誌があるとは思えませんので、ご自身のサイトに掲載されています。
急激な意識障害を主徴とし,臭化ベクロニウム中毒と誤診されたMitochondrial myopathy, Encephalopathy, Lactic Acidosis, Stroke-like episodes(MELAS)の1例
論文を読むと非常に説得力があります。確かに筋弛緩薬を投与された患者がけいれんを起こすというのは考えられません(筋肉が弛緩していれば痙攣できない)ですし、症状は MELASに合致しています。
私は MELASの初発発作の患者さんを当直で初めてみたとき、なかなか診断に至れなかった記憶があります。二度目に同じような状況に遭遇したときは鑑別診断の最初に挙げることができましたが、診たことがない医師がこの疾患を思い浮かべるのは至難でしょう。神経内科や小児神経の専門家が関与することなく、この疾患をほとんど知らない麻酔科医が鑑定して事件が一人歩きしてしまったことは怖いことだと思います。この論文を元に、この事件は再度検討されるべきではないかと思います。