今週の東洋経済は、「『不確実性』の経済学入門」でした。経済学は、「取引を行う/行わない」、「どの程度の取引を行う」など、人の行動が根本にあるためか、心理学的側面が非常に強いように思います。
生物学における多くの現象は正規分布に従うのに対し、経済現象はベキ分布に従い、平均に意味を持たないというのは興味深いことです。経済の専門家の予想が多くの場合外れるのは、標準的なファイナンス理論が正規分布を前提に理論を構築していますが、現実世界で問題になるのは、こうした理論を外れた異常値なわけです。サブプライムローンも金融市場に大影響を与えましたが、これまでの理論では予想できない”異常”でしたものね。
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今日は誕生日です。
馬券オヤジ氏に「もう 32歳になっちゃったよ」とこぼすと、「大丈夫、16進法だと 20歳だから」と、極めてポジティブな返事が返ってきました。
今日は、大学時代の部活の後輩が飲みに来る予定です。まったりと音楽でも聴きながら過ごそうかなと思っています。
そういえば、話が変わりますけど、毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ちのバミュ先生、俺が知っている方でした。産経新聞に本名が載ったそうで、そこで初めて彼が書いているのだと知りました。親しくはない人ですが、何度か話したことはある一方で、ブログで書いているようなみたいな内面を持っている人とは知らず、人は見かけによらないものだなぁと思いました。
いや、ホントやめて欲しいですね。
来月、ポーランドに行く予定なんですが、ロシアはポーランドに対して、軍事手段も辞さないって。私が乗る飛行機はオーストリア航空なんで、撃墜されるなんてことはないでしょうが、ロシア上空を飛ぶのは、気分が悪すぎます。行ってから軍事紛争が起こったらどうしよう。
何かあっても良いように、身辺整理だけはしておこうっと。まずは、女性関係から整理・・・の必要はないですけどね。
8月21日11時53分配信 毎日新聞
【ウィーン中尾卓司】米国の東欧ミサイル防衛(MD)計画で、ライス米国務長官が20日、迎撃ミサイル基地を受け入れるポーランド側と協定に調印したことで、両国が同盟関係を強化すると同時に、東方へと拡大する米国の同盟国と、ロシアとの対決色は一層濃くなった。ロシアとグルジアの軍事衝突をきっかけに悪化した米露関係には険悪なムードが漂い、欧州を舞台に新たな緊張関係を生みつつある。
米国とポーランドのMD調印を受け、ロシア外務省は20日、「外交手段を超えて対抗する」と声明を公表し、軍事手段も辞さない構えを示した。MD計画で米国とポーランドが基本合意に達した直後の15日に、ロシア軍のノゴビツィン参謀次長は「MDを受け入れれば、ポーランドは武力攻撃にさらされる。100%の確率で」と警告するなど、ロシアは米国のMD計画に反発を強める一方だ。
協定の調印後、ライス長官は「ロシアは信頼性を失いつつある」とグルジアに軍事介入したロシアを非難した。しかし、MD計画はロシアを想定しているとの指摘は明確に否定し、「ロシア国民も米露の対決を望んでいないだろう。冷戦は終わったのだから」と強調した。
ポーランド国内では、ロシアが「脅威になる」との見方が急速に広がっている。調印後に、ポーランドのトゥスク首相は「つらい交渉だったが友好的だった」と語った。一方、カチンスキ大統領は「世界におけるポーランドの地位を高める」と喜びを表明した。
トゥスク首相とカチンスキ大統領は与野党に分かれ、MD計画でも首相は慎重派、大統領が積極派と対応に大きな差があった。ところが、グルジア情勢の不安定化をきっかけに、MD基地受け入れの交渉が急展開し、合意に至った。そりが合わなかった2人が歩調を合わせる結果となり、ポーランド政治の勢力図にも意外な影響を及ぼした。
(追記)
大学の先輩に、国際学会の発表内容について、メールで相談していた際に、この問題に触れたら、以下のような返信が来ました。
ミサイルが飛んできたらちゃんと逃げるんだぞ
以前、「潜水服は蝶の夢を見る」という本を紹介しました。その本が映画化されたのですが、更にDVDになったため、買ってきて見ました。
見る前は、見たら泣いてしまうかなとも思ったのですが、安っぽい作りではなく、荘厳な音楽を聴くような心境で鑑賞し、泣くとか泣かないだとか、そんなレベルの作品ではないことを感じました。
このDVDで特筆すべきは、Bonus映像です。原作本の著者の実際の闘病生活の映像が収録されているのです。看護の様なども収録されており、日本との違いを興味深く感じました。
実は、現在、私は「閉じこめ症候群」の患者の主治医をしています。映画の言語療法士のようにアプローチしようとしているのですが、なかなか上手くいきません。患者さん自身が 100歳くらいなので、主人公とはベースの部分が違うのだろうなぁ・・・など考えているんですけれども、どうにかしてコミュニケーションが取れるといいなと思っています。
最後に一つだけ疑問点。この主人公は、著者の実際の映像も含め、右眼が不自由で、眼球の乾燥を防ぐため、上眼瞼と下眼瞼を縫い合わされてしまっています。ところが、映画の1時間19分前後のところでは、左目が不自由になっているのです。単純なミスなのか、何か伏線を見逃していたのか、未だに気になっています。映画を見て分かった方がいたら教えてください。
今日、オリンピックの開会式があります。
開会式の会場が、雨に弱いとかいうことで、雨が降るかどうかに最も関心があります。
中国を巡るドタバタを目にして、競技よりも、オリンピックが無事終わるかに興味を持っている人が多いのではないでしょうか?むしろ、何かおこるんじゃないかというハプニングを少し期待していたりして・・・。
アンサイクロペディアでは、そのブラックなジョークに笑ってしまいました。ブラック・ジョークが嫌いじゃない人は、是非一読を。
アンサイクロペディア-北京オリンピック-
ちなみに、Yahoo!Japanで「オリンピック」と検索すると、「Olympic」というスーパーがトップに来ます(^^)
神経内科専門医試験に合格しました。様々な方に御世話になり、深謝いたします。
通知書
貴下は、第34回日本神経学会専門医試験の面接試験(第2次試験)に 合 格 しました。
2008年7月26日
日本神経学会認定委員会 |
試験受けてきました。
朝早かったので、寝坊するところでした。面接の10分前に到着。最初、カジュアルな格好で行こうと思ったのですが、ふと閃いて、ヨレヨロの黒のジャケットを羽織り、ヨレヨレのネクタイを持参しました。
会場につくと、みんな正装。ネクタイ持って行っていてよかったです。
A会場では、面接で診察の仕方を評価されるのですが、試験官に「完璧やね」と言われていたので、多分大丈夫だと思います。ただ、振戦の模擬患者を診察するとき、緊張で自分の手が震えていて、試験官に「先生の手の方が震えているよ」と笑われ、場が和みました。
B会場では、経験症例から問われるのですが、チグハグ。試験官の問う意図がわからなかったりもして、半分くらいしか答えられませんでした。「君は、もっと内科疾患を勉強しないといけないね」と言われてしまったので、かなり減点されたのかな?また、試験官自身の勘違い(表面筋電図と針筋電図の所見を取り違えていた)で答えられない問題もあり、指摘しようかとも思ったのですが、先輩から「君は試験官を苛めなければ受かるように思う」と言われたことを思い出し、自粛しました。
B会場を出た瞬間、試験官同士の笑い声が聞こえ、「落とされていなければいいけどなぁ・・・」と。今のところ五分五分です。
最後、なんだか噛み合わなくて、むしゃくしゃしたので、帰りに蕎麦屋に寄って、日本酒を飲もうとしたら、「昼はお出しできません」と言われ、家で飲み始めました。
むしゃくしゃするあまり、携帯に「うんこ、ちんちん」とメールしてしまった「はりやこいしかわ先生」「methyl先生」に、お詫び申し上げます(何じゃそれ)。
昨日、某企画会社からアンケートが送られてきました。
「医師が選ぶ病院ランキング」といった本を出すので、埼玉県、首都圏の神経内科の名医を列挙してくれとのことでした。
「神経内科の名医」といった漠然とした質問で、きちんとした解答は得られないんじゃないかと思いながら、ある程度の評価のある神経内科医の中から、掲載されると喜びそうな面々の名前を記入して返送しました。
神経内科という科は、その中で更に専門が細分化されています。例えば、高次機能障害なら○○大学病院、Parkionson病なら○○大学病院、神経感染症なら○○大学病院、脳梗塞なら○○大学病院・・・にそれぞれ日本をリードするオピニオンリーダーがいます。さらに脳梗塞と言っても、急性期治療と再発予防とで専門も異なります。どうせなら、そういった人達を尋ねるのは意味があるように思いますが、「神経内科の名医」と聞かれても何の病気を診てもらうかで変わってきます。
こうしたランキング本の難点ですが、専門が違う医師を比較してランキングがつく筈がありません。どこを比較しているかが不明瞭です。また、医師は学問水準で医師を評価しますから、医師が選ぶ名医が、必ずしも患者にとって名医とは限りませんし、こうした本に名前が載ったせいで患者が集まり、診察時間がとれなくなって質の低い診療をせざるを得なくなった医師も存在します。
ある程度以上の実力を持った神経内科医なら、専門ではない分野でも、きちんとした治療をしていることは事実です。それは患者側にも伝わると思います。自分が人間関係を構築できた、信頼できる医師を主治医に持つことが一番だと思いますし、あまりにも標準から逸脱した治療をされている場合には、ネットでもある程度のことは簡単に調べられますからね。セカンドオピニオンという制度もありますし。
雑誌「東洋経済」の 6月 21日号は、「最強の『読書術』」特集でした。
様々な著名人が、自分の読書術を語るのですが、本に対するスタンスは人それぞれなんだなと興味深く思いました。雑誌に登場する読書人達の、月間の本代は 5-10万円だったのですが、私も同じくらいです。ただ、彼らが一ヶ月に読む本の冊数の多さにはびっくりしました。読むスピードもきっと速いのでしょうね。私の場合は、辞書的に買っている医学書の値段が高いので、多くの冊数を読まなくても、金額が嵩みます。
さて、巷では「速読」というのがもてはやされますが、本の読み方は TPOに応じて変えるべきなのではないかと思います。ハウツー本みたいに、単に情報を得るだけの目的のときには速読も良いですが、小説や歴史書、哲学書を読むときは、ゆっくり妄想に浸りながら、或いは頭の中で議論をしながら、或いは著者の意見と対比して自分の考えを確認しながら読むのが、乙なものです。また、人それぞれ、自分の読書法があって然るべきかなと思います。
読書法に関しては、忘れられない思い出があります。
私は、中学生時代、妹尾与三二氏という作家の私塾で、数学を習っていました。師の自宅に毎週木曜日に伺い、問題を解くのです。竹藪に囲まれた小さな自宅の一部屋に男子生徒が3~4人、もう一部屋に女子生徒が3人、それぞれ机を囲んで問題を解き、最後にみんなで集まって解説を聞くというスタイルです。
妹尾与三二氏は、作家ですので、自分が書いた本をくださったことがありました。中学生だった私は、如何に難しい本をささっと読みこなすかで、大人ぶった振りをしていたところがあり、出来るだけ難しそうな歴史書を買ってきては、読んで偉くなった気がしていたものです。そんな私は、師がくださった「四度目の幸運」という本について問われ、「3時間くらいで読んだんですけど、云々・・・」と誇らしげに答えたのです。
せっかくの本の感想に、そんな返事を貰った、その時の師の悲しげな顔が忘れられません。師は、一言、「もう少し大切に読んで欲しかったな・・・」と仰いました。
本の内容は、ある落ちぶれた老人の話で、富豪だった男が戦後の価値観の変化で、凋落していくストーリーでした。師の家も、もともと富豪で、家には美術品がたくさんあったそうですが、私が師事していた頃に住んでいたのは、竹藪の中の小さな家。もちろん、美術品なんて全然ありませんでした。主人公と師の境遇は驚くほど似ており、自分と重ね合わせ、書き上げた小説だったと思います。彼が、自分の生きた証を刻み込んだような小説でした。
今になって思うと、その作品にかける作家の思いに、如何に失礼な態度だったか、自責の念に駆られます。もう、師も亡くなり、謝ることはできませんけれど。でも、その時のことを思い出す毎に、一冊の本を大切に読まないといけないなと思います。
ま、一方で、そんな気も起きない本もありますけどね。
昨日、自宅の郵便受けを開けると、神経内科専門医試験第一次試験の合格通知が来ていました。直前に体調を崩し(おそらく感冒と、それに引き続く感冒後咳嗽)、追い込みの2週間ほとんど勉強ができなかったことを考えると、感慨深いものがあります。私がどんなスケジュールで勉強していたか、2次試験に合格したら、後進のためにここに書きたいと思います。試験前に色々講義してくださった「はりやこいしかわ」先生をはじめ、お世話になった多くの方々に深謝します。
次は2次試験に向けて勉強ですね。2次試験では神経学的所見の取り方の技術が問われるので、勉強し直さないといけません。その他、フリートークのように試問されるところもあり、こちらは準備しようがありません。普段、勉強しているかが問われますね(勉強していたところを聞かれるかの運不運はありますが)。
昨日、もう一つ通知が届きました。国際学会 European Society of Neuroradiology (ESNR) に演題が Acceptされました。ま、ポスター発表ですけどね。締め切りが 4月 30日から 5月 15日に伸びたためか、AcceptかRejectかの通知も 5月 31日から 6月 19日に遅れたみたいです。やきもきしていた問題が解決したので、ほっとしました。これで心おきなく、ポーランドに行けます。一方、発表の準備はそれなりに大変で、多くの先生の御世話になりそうです。
Wで合格通知が届いたこともあり、今日は「はりやこいしかわ」先生と、祝杯を挙げます。明日は二日酔い確定。