Category: 雑感
鯨ギャラリー
2013年7月4日のブログで書きましたが、7月は週に半日フリーな時間が取れるため、美術館や博物館など彷徨っています。今回は東京海洋大学品川キャンパスに遊びに行って来ました。ここを選んだ理由は、小川鼎三先生の著書「鯨の話」を読んで以来、鯨に魅せられたからです。品川駅から徒歩で 10分くらいです。
大学構内に入り、直進すると左側に鯨ギャラリーがあります。ここには、コククジラ、セミクジラの全身の骨格標本、ツチクジラ頭部の骨格標本、セミクジラのヒゲなどが展示してあります。セミクジラの椎体を数えてみると、40以上もあり、びっくりしました。
鯨ギャラリーの隣には、水産資料館がありました。入り口には、ドワーフミンククジラの骨格標本があり、2階に上がると様々な海の生き物の剥製が展示されていました。南極探検隊が皇帝ペンギンを連れて帰ろうとしたとき、ペンギンが弱ってしまって処分しなければいけなくなってしまい、他の隊員に知らせるために書いた張り紙 (実物) などが興味深かったです。アシカの剥製の傍らには、アシカなどは後ろ足が尾びれに進化したのに対し、鯨は尻尾が尾びれに進化したという解説が書いてありました。それほど広くない施設ですが、無料ですし駅からも近いので、都内の方は遊びに行ってみると楽しいかもしれません。
今後の予定と寄生虫
2012年11月、私は国内留学から大学に戻ったのですが、論文投稿が佳境だったこともあり、夜は仕事が終わってからラボにでかけて実験していました。あまりの時間の足りなさに、外勤日 (大学医局からは週 1日与えられている) を半日減らしてラボに行って実験を続け、最近なんとか論文が通りました。そして、一区切りということで、2013年6月30日を以ってラボを卒業しました。
その結果、7月に入って、週に半日フリーな時間が出来ました。外勤をもう半日増やして、その分、大学当直以外に月 3回やっている土曜日当直をやめるというのは一つの選択肢でしたが、折角なので、この生活を続けることを検討しています。
とりあえず、8月頃から、親しい先輩に乞うて、週半日ほど電気生理検査の修行をしようと思います。神経疾患には画像にうつらない病気が多くあり、電気生理検査が診断の決め手になることがあります。ところが、神経内科医の中でも、電気生理検査を行う能力、解釈する能力にはかなりのばらつきがあるのが現状です。私はこの分野があまり得意ではないので、時間が作れるうちに勉強しておこうと思ったのです。
7月中は、美術館や博物館など、普段行けないところに行くことにしました。今日行ったのは、目黒寄生虫館です。入館料は無料で、その分寄付を募っています。入り口で 1000円入れて、中に入りました。昔当直中に見つけたアニサキスや、郡山の病院勤務時代に患者さんの便の中にいたサナダムシが、標本として展示されていました。学生の頃の講義以来名前を見る寄生虫もいて、懐かしかったです。女子高生の集団が、バンクロフト糸状虫で胸が膨らんだ女性の写真を見て大盛り上がりして、ベルリンの医学博物館で男性器の標本前で盛り上がっていたドイツ人女学生たちを思い出しました。ちなみに、Yahoo!Japanで「寄生虫博物館」と検索すると、関連項目で「デート」と出てきますが、今回もいつもながらの一人ですた。
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(関連)
・黄熱の歴史
蜂窩織炎
6月13日 (木) の深夜に実験を終えて帰宅すると右大腿に軽い違和感。その日はそのまま寝たのですが、翌日 かなり炎症が強くなっていました。我慢して、「触ると温かくて気持ちいい~」とか言いながら、放置していたのですが、悪化する一方 (←医者の不養生という)。
6月15日 (土) には歩いたり力を入れると痛むようになりました。Facebookに写真をアップしたころ、多くの優秀な医師たちが知恵を出しあって白熱した議論が行われました。
A医師「Debridmentは必要無さそうですが、抗菌薬の全身投与はやりたくなりますね…」
B医師「Empiricにはブドウ球菌(黄色ないし表皮)か溶連菌を狙うことになるので,第1世代セフェムの内服を選択して下さい.ベストはLケフレックス顆粒1g(力価500mg)×1日2回×5-7日間かと。ケフラールはbioavailabilityが下がりますが,ケフレックスがなければやむを得ないですね.」「あ,大事なことを言い忘れました.横切開5cm×縦切開8cmぐらいが必要です.局麻はたぶん効かないので直接メスでザックリやっちゃうのが早いですね.深さは10mm以上は入れて下さい.」
A医師「了解しました。局麻なしでクーパーでしたね。」
B医師「はい,クーパーでザクザクでもいいと思います.あるいはメッツェンバウムで鋭く乱切するのもいいですね.」「あとクーパーで好きなところ切り落としてもいいよ.世の女性の平和のためにも.」
C医師「とりあえず持続icingしたほうがいいよ。大腿根部に向かって赤くなってるけど、蜂窩織炎+静脈炎じゃないの??内服より点滴抗生剤がいいと思う。あと、外来にアクリノールあったらガーゼ浸して貼っておいたほうがいいよ」「アクリノールのガーゼ(湿る程度でもok)当てた上に、油紙を引いてテープでとめて、さらにその上からガーゼあてるんだよ。そして包帯でグルグルと。その上からicingすれば完璧。」
D医師「セファメジンあたり点滴したほうが早く効きそうな気がしますが」「Virchowの5徴もありそうですから、NSAIDsも是非」
E医師「あー先生、コレはデブリですわ。」
F医師「傷口に塩というくらいですから、塩を練り込みましょう!」
B医師「アンプタ。(※切断の意味)」
心温あたたまる多くのコメントに胸熱でした・・・って微妙なコメント多すぎだしw 冗談が出るだけ軽症ということでしょうが。
ということで、6月15日に秋田で当直先の病院を受診し、別の医師からケフラールを処方してもらいました。写真はこちら。
救急外来のナースから「疲れが溜まってるんだよ、ゆっくり休んでくださいね」と優しい言葉も頂きましたが、6月17日大学病院当直、6月19日医局の飲み会、6月20日の深夜までの実験に加えて、今週中に仕上げなければいけない研究発表スライド作成 (まだ半分くらいの完成度) があり、大学外来週 5コマ (デフォ) を抱える身では休めない日々は続くところで、安静は望むべくはありません (ブログ更新が滞っている時は、忙しいのではないかと察してやってください、下手したら死んでる可能性もあるかもしれないけどw)。
とりあえず飲み薬を続けて、改善がなければ勤務先の大学病院の皮膚科を受診してみます。初診料が高いので大学病院は極力避けたいのだけど、仕事があるから他の病院に行く暇がないんですよね。ということで、後期研修医を脅して「彼氏がいなくて、性格が良くて、美人の皮膚科の先生」を聞いておかないと (違
生命科学の明日はどっちだ
「生命科学の明日はどっちだ」というサイトを知りました。大阪大学教授で、生物の模様のパターン形成などを研究されている方のサイトのようです。
生命科学の明日はどっちだ
いずれの記事も面白いですが、特に面白かったのが下記。
小ネタ:波紋使いの百面相マウスから学ぶ超画期的ハゲ治療法
第一回:研究論文や申請書におけるジンクピリチオン効果について
吾輩はキリンである.模様はひび割れている
第十五回:科学者はみのもんたに勝てるのだろうか?
床上手
2013年4月から半年間、医局のベッド係になりました。病棟を持たず、外来と、ベッドコントロール専従です。大きな組織ならではの仕事です。
週一回、医局員全員に患者氏名の入ったベッド表を配布しているのですが、個人情報保護の観点から、持ち主がわかるように医局員の名前が入った判子をそれぞれ押していました。なんと数十人分の判子を押すのがベッド係の仕事の一つ。前任者が「医師の仕事に非ず」として、医局秘書の仕事にしました。しかし、その話を聞いた時、仕事を押し付けた感があって、何とかしたいと思っていました。
そこで、ベッド表をプリントするときに、自動で各医局員の名前が印刷されるようにプログラムを書くことにしました。医局員の名前を変数にして、セルに埋め込めれば良いわけです。知り合いに相談したら、エクセルでマクロ+ Visual Basicが良いのではないかとのことでした。さっそく Visual Basicをダウンロードし、インストール。
まず、エクセルでベッド表を立ち上げ、「マクロの記録」をクリックし、そのままプリント動作を行い、マクロの記録を終了します。そして “Macro1” という名前でマクロを登録します。マクロの編集を行うようにすると、Visual Basicのプログラミング画面が立ち上がります。
プログラムは下記 (先ほどの “マクロの記録” で出来たプログラムに上書きすれば大丈夫)。
Sub Macro1()
Dim LastRow As Long
Dim i As Long
Dim myNo As StringWith Worksheets(“printmember”)
LastRow = .Cells(Application.Rows.Count, “A”).End(xlUp).Row
For i = 2 To LastRow
myNo = .Range(“A” & i).Value
With Worksheets(“print”)
.Range(“O3”).Value = myNo
.PrintOut Copies:=1, Collate:=True
End WithNext i
End With
End Sub
エクセル側でやることは次のとおりです。
①「名前をつけて保存」を選択、必要なデータを「マクロ有効ブック (*.xlsm)」形式で保存。
②基本設定で「開発タブ」をリボンに追加。「挿入」→「ボタン」で、必要な位置にボタンを設置。ボタンを押すと「Macro1」が実行されるように設定。ボタンには「医局員配布用プリント」と記しておく。
③医局員の名前を「printmember」というシートのセルA列に列挙 (A1にはタイトルを入れて、データは A2以下)。もし B列にしたいときは、上記プログラムの “A” を “B” に変更。
④配布用資料を「print」というシートに保存。医局員名簿がセル “O3” に印刷されるようにレイアウトを調整する。プログラムの “O3” を書き換えれば、別のセルに表示させることも可能。
⑤実行のため、必要に応じてセキュリティレベルを変更。
勉強したサイトでは、変数が数字になっていたのでプログラム 4行目「As String」が「As Long」になっていました。それを真似したためプログラムが動かず 1時間近く試行錯誤しました。しかし、デバックしたときに ”実行時エラー13” と表示されて,セルからデータがきちんと読み込めていないことがわかり,「セルの内容が文字列だから As Longでは読み込めないのだ」と判明してからは一瞬で解決でした.今回は医局員の名前が変数なので “As String” ですが、数字にしたいときはそれを “As Long” に書き換えればよいということです。
プログラムは、大学 2年生のときに HTMLを覚えて以来でしたが、数行の簡単なプログラムでも、動いた時の感動はたまらないですね。やみつきになりそうです。
それとともに、普段から、こんな難解な言語を書いているプログラマの皆様を尊敬します。
(参考)
脱線
3月 2日、大学での業務を終えて秋田での当直に向かいました。14時 22分に大宮駅で新幹線こまち 29号に乗車。強風の影響で所々徐行運転をしながら、5分遅れで 16時 30分頃盛岡駅に到着しました。そこで「こまち 25号が秋田駅手前で脱線したため、秋田新幹線は運転打ち切りです」と突然のアナウンス。こまちから切り離された新幹線 “はやて” 29号は予定通り青森方面に向かって行きました。
こまち車内の客達はみんな冷静に新幹線を降り、アナウンスで誘導されたコンコースに集まりました。そこで、バスによる代替輸送について知らされました。ところがバスが何時に出るのかはわかりません。周囲の話し声を聞いていると「3時間」という声が聞こえました。病院に電話したところ、タクシーで向かうように言われ、タクシーに乗りました。
しかし途中からは猛吹雪で、視界がほとんどなく、スピードが出ません。何度も吹き溜まりに突っ込みました。途中、雪のため起きたと思われる交通事故現場の横を通り、しばらく進むとそこに向かうパトカーとすれ違いました。
なんとか病院に到着して当直を開始すると、病院に向かう途中で見かけた交通事故現場からの救急車が到着!交通事故の状況がわかっている分、診察はスムーズにいきました。
何かドタバタしましたが、たった今当直が無事終わって一安心です。これから駅に向かい、東京に帰る方法を模索します。
新幹線脱線:暴風雪の秋田で 乗客130人は無事
毎日新聞 2013年03月02日 19時13分(最終更新 03月03日 01時49分
2日午後4時5分ごろ、秋田県大仙市神宮寺のJR奥羽線神宮寺−刈和野駅間で、東京発秋田行き秋田新幹線こまち25号(6両編成)が脱線したと乗務員からJR秋田支社に連絡があった。車体は転覆しておらず、乗客約130人にけがはないが、2人が嘔吐(おうと)など気分の不調を訴え、病院に搬送された。同新幹線の脱線は在来線区間を含めて初めて。事故を受け国土交通省運輸安全委員会の鉄道事故調査官2人が3日未明、現地に到着し、事故原因の調査に乗り出した。
同支社によると、車両の下から「ドン」と音がしたため、運転士がブレーキをかけて停車。外に出て確認したところ、現場付近には雪が積もり、先頭車両の進行方向右側の1軸目と2軸目の車輪が内側に脱線していた。左側の車輪の状況は不明。事故発生の6分前に在来線の奥羽線が現場を通過した際、異常はなかったという。同新幹線は盛岡−秋田駅間で上下線12本の運転を見合わせた。3日に再開できるかは未定。
同支社によると、現場一帯の除雪は2月25日夜から26日朝にかけて実施。それ以降は走行できないような積雪は確認されず、除雪を行っていなかった。運行制限は最大瞬間風速20メートル以上で徐行、同25メートル以上で運転停止になるが、JRの風速計で基準超えはなかった。積雪についての基準はないという。脱線事故は在来線の直線区間で起き、当時は時速20キロに減速して運行していた。
乗客の救出は猛吹雪のため難航し、秋田支社に設置された現地対策本部は、乗客に水と乾パンを配った。秋田駅に移送するためのバス3台に乗り換えるため、乗客が新幹線を降り始めたのは午後10時5分ごろ。乗客は先頭車両から外に出て、徒歩で約100メートル離れたバスに向かった。秋田駅には同11時40分ごろに到着した。同駅と反対方向に向かう乗客にはタクシーも用意された。
2日は発達した低気圧が北海道を通過した影響で冬型の気圧配置が強まり、北日本で大荒れの天候だった。気象庁によると、最大瞬間風速は秋田市で26.0メートル、大仙市で23.0メートルを記録。秋田県ではこの日7地点で3月としては過去最大の瞬間風速になった。同日午後5時現在の積雪は、秋田市で平年比の5倍近い47センチ、大仙市に近い秋田市・大正寺で同2倍超の93センチとなっている。【小林洋子、田原翔一、池田一生】
シャンプーとコンディショナー
私は洗髪するのに、シャンプーとリンスが 1回で済む「Soft in One」を使っていました。しかし使い果たしてコンビニに買いに行ったら品切れ。そこでシャンプーとコンディショナーが別々になっている商品を買うことにしました。
それが事件の始まりでした。使い始めて何か髪がボサボサするなと思ってはいたのですが、その翌日に洗髪しようとしたところ、シャンプーとコンディショナーの位置が、自分が思っていたのと逆になっているのに気付きました。つまり、それまでコンディショナーで髪を洗ってから、シャンプーを使っていたのです。
「シャンプー・コンディショナー取り違え事故」について直ちにアクシデントレポートが提出され、謝罪会見が開かれることになりました (嘘
そして知り合いにこの話をしたら、こんなトリビアを教えてくれました。
「シャンプーのきざみ」
家庭の中でのユニバーサルデザインの代表格ではないでしょうか、シャンプーとリンスを間違えないように、シャンプー容器の側面にギザギザがついています、「洗髪時に、眼をつぶっていても区別がつくといい」「目が不自由なので工夫してほしい」との声に1991年、花王より開発され発売されています。当初は「実用新案」を出願しての発売でしたが、花王は、シャンプー容器にきざみを入れるということが、業界で統一していないと消費者が混乱してしまうと考え、実用新案の申請を取り下げ、シャンプーのきざみが業界統一のものとなるように、日本化粧品工業連合会を通じて業界各社に働きかけました、なんてすばらしい企業のユニバーサルマインドでしょうかε=ε=(ノ≧∇≦)ノ
実際に自宅のシャンプーを見てみたら、やはり側面にギザギザがついていました。これは役立ちそうな知識です。
さらに、その知り合いは、こんな再発予防策を提案してくださいました。今後の検討課題とさせて頂きますm(_ _)m
予防原則にもとづいて
壁に備え付けにする
2in1に変更
シャンプーレスにする
毛髪なしの状態を保つ などの対策案があります
謹賀新年
明けましておめでとうございます。
実現率の低さには定評がある、恒例の新年の抱負です。まずは現在行なっている研究が形になるように頑張りたいです。臨床では、自分の弱い分野を埋めることが出来るように精進します。また、ヴァイオリンは 1年に数回しか触らなくなってしまったので、何か定期的に触る機会を作りたいです。乗馬は駈歩の練習をしていて、駈歩の合間に「脚」がうまく使えることを目標にします。
ブログに書くと達成されないジンクスを逆手に取って、昨年のブログでは「結婚については今年は書かずにおきます (^^;」としたものですが、やはり結婚については兆しすら見えませんでした。ということで、結婚できるように、今年は「結婚しない」という目標を立てておきます (^^;