Category: 音楽

ウクライナのヴァイオリニストたち

By , 2022年2月27日 6:52 PM

2022年2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻しました。一方的な侵略行為で、国際世論からは厳しい批判の声が上がっています。病院付近にクラスター爆弾が打ち込まれたり砲弾にさらされる子供たちのインタビューが流れたり、報道を見るたびに気が滅入ります。あまりできることはないのですが、ささやかながらウクライナ大使館に募金をしました。このブログは政治的主張をする場ではないので、これ以上のことは書きません。代わりに、いかにウクライナの地が素晴らしいヴァイオリニストを生んできたかを書きたいと思います。特に、オデッサは巨匠を多く輩出しています。

ここでは、10名紹介します。全て、私がCDを持っている演奏家たちです。特に最初の6人は、巨匠として歴史的に名を残した有名なヴァイオリニストたちです。

ナタン・ミルシテイン

私が最も好きなヴァイオリニストの一人です。ウクライナのオデッサ出身で、アウアーの弟子となりました。曲の輪郭がくっきりと浮かびあがってくるような演奏に特徴を感じます。1953年のライブ録音には、学生時代何度涙を流したことか数え切れません。

同じくウクライナ出身のピアニストのホロヴィッツ、チェリストのピアティゴルスキーと共に三銃士と呼ばれました。この三人でアメリカに亡命した話は「ロシアから西欧へ―ミルスタイン回想録」という本に詳しく描かれています。今では手に入りくくなってしまいましたが、どこかで見かけたら、音楽ファンの方は是非読んでみるとよいと思います。

ミルシテインはパガニーニの24のカプリスを編曲して、「Paganiniana」という形で発表もしており、自作自演の録音が残されています。

・Nathan Milstein ‘Paganiniana’

バッハのシャコンヌも、彼の得意とした曲でした。

・Bach BWV 1004 Chaconne Nathan Milstein Violin – Complete

レオニード・コーガン

ウクライナのドニプロペトロウスク出身。ソ連ではオイストラフと並ぶ二大巨匠の一人として有名です。彼の演奏からは、一切の甘えを排除して音楽に向き合う厳しい姿勢を感じます。クリアな演奏が持ち味です。妻はエミール・ギレリスの妹で、ヴァイオリニストでした。夫婦共演の録音も残されています。

私はコーガンにはまっていた時期があり、サイン入りポスターのコピーを引き伸ばして部屋に飾っていました。Tritonというレーベルから30枚のCDが出ていますが、Yahoo!オークションでは、現在1枚あたり2万円以上の高値で取引されています。全30枚手元にもっているのがちょっとした自慢です。

パガニーニの難曲を演奏するコーガンはまるで鬼神のようです。

・Leonid Kogan – Paganini – Nel cor più non mi sento (HD)

ダヴィッド・オイストラフ

ウクライナのオデッサ出身。モスクワ音楽院で教鞭を取ると共に、数々の名演を残しました。ソ連を代表するヴァイオリニストでした。明るく温かみのある演奏で、私はオイストラフが太陽、コーガンが月、というような印象を持っていました。

息子のイーゴリもヴァイオリニストで、親子でバッハのドッペルコンチェルトを共演した録音が残されています。

・David Oistrakh & Igor Oistrakh – Bach Concerto for Two Violins in D minor (complete)

ミッシャ・エルマン

ウクライナのキエフ近郊の出身で、アウアー門下でした。エルマンといえば美音派として有名でしたが、残念ながら残された録音は技術的に衰えた晩年のものばかりで、全盛期の美音を聴くことはできません。

・Mischa Elman plays Massenet Meditation from Thais 1962

トーシャ・ザイデル

ウクライナのオデッサ生まれで、アウアー門下。演奏としてはあまり印象に残るものはありませんが、ヴァイオリニストの江藤俊哉氏の名前が、トーシャに由来するというのが、有名な話です。

・Toscha Seidel (violin) – Zigeunerweisen (Sarasate) (1918)

アイザック・スターン

ウクライナ西部のクレメネツ出身です。映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」で演奏を務めたことでも有名です。日本の音楽界への影響力も強く、宮崎国際音楽祭の初代音楽監督も務めました。2000年に80歳記念音楽会がサントリーホールで開かれ、私も聴きに行きました (舞台上で共演者たちが Happy birthdayを演奏していたくらいしか覚えていませんが・・・)。演奏は割とオーソドックスだったように思います。

・Isaac Stern playing Bach’s Chaconne in D minor for solo violin Single File

ユリアン・シトコヴェツキー

ウクライナのキエフ生まれ。私は The art of Sitkovetskyという数枚組のCDを持っていました。

バッハのゴルトベルク変奏曲を弦楽器用に編曲して演奏するなどした有名なヴァイオリニスト、ドミトリー・シトコヴェツキーは彼の息子です。

・Yulian Sitkovetsky plays La Campanella by Paganini

オレグ・クリサ

ウクライナのウハネ生まれ、リヴィウ育ち。何枚かCD持っていましたが、あまり印象に残っていない・・・ (すみません)。

・JOHANNES BRAHMS. Sonata for Violin and Piano No. 3, in D minor, op. 108

ヴィクトル・ピカイゼン

ウクライナのキエフ生まれ。CDは持っていましたが、あまり印象に残っていない・・・(すみません)。

・Violin Concerto in D major

アナスタシア・チェボタリョーワ

ウクライナのオデッサ生まれ。チャイコフスキーコンクールで最高位を収め、岡山県の作陽音楽大学でも教鞭を取りました。アイスクリームのCMで、お馴染みかもしれません。

・アナスタシア・チェボタリョーワ AYA 明治乳業 彩

彼女はロシア音楽を得意としていて、 ロシア民謡を何曲か録音しています。

・Anastasia Chebotareva – Two Guitars / Две Гитары

名著「二十世紀の名ヴァイオリニスト」が手元にあれば、もう少しましな文章が書けたのですが、2021年の大地震で家族が本の下敷きになって死にかけてから、めぼしい本は全て貸倉庫に送ってしまいました。もし、他にもウクライナ出身で有名なヴァイオリニストがいましたら、コメント欄で教えてください。

#NoWarInUkraine #StandWithUkraine

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Romdraculas

By , 2017年2月28日 5:31 AM

路上演奏に飛び入りで参加した韓国人ウッドベーシストが話題になっています。

【鳥肌】路上演奏に飛び入り参加を申し出た青年。最初はナメていたバンドマンたちだが、、

私が気になったのは、路上演奏していたジプシー演奏家の方で Romdraculasというグループのようです。ヴァイオリニストが良い味を出しています。

CDは手に入らなかったのですが、Youtubeでいくつか演奏を聴くことが可能です

・CZARDAS por ROMDRACULAS DE FIRENZE

チャルダーシュはジプシー音楽の定番ですね。

・I Will Survive (Cover) – Romdraculas

私にとって “I will survive” といえば Igudesman & Jooなのですが、Romdraculasも素晴らしいです。

・Rom Draculas

こちらは、ジャズのスタンダード・ナンバーの “minor swing” から始まり、途中でモーツァルトの交響曲第40番第1楽章がアレンジされます。そこで拍手。

ちなみに、私が最も好きなジャズ・ヴァイオリニストであるステファン・グラッペリが、ギタリストのジャンゴ・レインハルトと演奏した “minor swing” も youtubeで聴くことが可能です。

・Minor Swing – Django Reinhardt & Stéphane Grappelli

ジャンゴといえば、モダン・ジャズ・カルテットのジョン・ルイスが「ジャンゴ」を作曲していて、私はステファン・グラッペリが演奏する「ジャンゴ」を聴いたのが、彼にハマったきっかけです。

・Django Reinhardt & Stephane Grappelli – Django (動画はラインハルトではなく別のギタリスト)

話が随分と脱線してしまいました。とはいえ、いずれもお勧めの動画なので是非ごらんください。

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カプリス

By , 2016年12月30日 3:14 PM

ヴァイオリニストの成田達輝氏が、Youtubeにカプリス(パガニーニ) 全曲演奏会の動画を公開しています。しびれます。全部凄いですが、特に 5番 (21分50秒辺り~) のボウイング。こんなパガニーニ見たことありません。中間部分は楽譜には 3回ダウンで 1回アップと書いてある (厳密には、ダウンとかアップの指示ではなく、四連符のうち最初の 3つをスラースタッカートで 飛ばすようになっている) のですが、演奏困難なのでダウンとアップ交互に弾くことがほとんどなのです。それを完璧に弾くとは!
・Tatsuki Narita, 24 Paganini Caprices

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ストリートオーケストラ

By , 2016年8月31日 6:55 AM

ブラジルのサンパウロのスラム街を音楽で変えた実話が映画になっています。公式サイトでストーリーを見ていると、ベネズエラのエル・システマを思い起こさせます。

ストリート・オーケストラ

都内では上映が始まっていますが、福島県では 12月3日からフォーラム福島で上映開始。始まったら見に行こうと思っています。

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Bagpipe

By , 2016年8月27日 8:45 AM

バグパイプ内で増殖した菌で管楽器奏者が死亡したという報道がありました。

バグパイプ内の菌で男性死亡? 管楽器奏者に警鐘

AFP=時事 8月24日(水)6時52分配信

AFP=時事】英国で、バグパイプの内部に繁殖していた菌を吸い込み続けた男性が死亡した事例が報告された。報告を行った医師らは管楽器奏者に対し、楽器を定期的に掃除するよう呼び掛けている。

英医学誌「ソラックス(Thorax)」に掲載された記事によると、死亡した61歳の男性は毎日バグパイプを演奏しており、7年間にわたり乾性のせきと息苦しさに悩まされていた。

だが、バグパイプを自宅に置いてオーストラリアへ3か月間旅行に出掛けた際だけ、症状が急速に緩和されたという。

これを受けて主治医らがバグパイプ内を調べたところ、湿気のこもった留気袋や音管、マウスピースに、多様な菌類が繁殖していたことが分かった。

男性は治療のかいなく2014年10月に死亡。検視の結果、肺には重度の損傷が見つかった。

菌類を吸い込んだバグパイプ奏者の死亡例は、この男性が初めてとみられる。男性が患っていた過敏性肺炎の原因は、この菌だった可能性があるという。

記事では、「管楽器奏者は、楽器を定期的に清掃することの重要性と、その潜在リスクについて認識する必要がある」と警鐘を鳴らしている。【翻訳編集】 AFPBB News

実際の論文は下記になります。

Bagpipe lung; a new type of interstitial lung disease?

バグパイプの中から検出された真菌は、”Paecilomyces variotti, Fusarium oxysporum, Penicillium species, Rhodotorula mucilaginosa, Trichosporon mucoides, pink yeast and Exophiala dermatitidis” でした。論文にある figureをみると、「うわーっ、やばい」という感じが伝わってきます。

bagpipe

bagpipe内の真菌

ちなみに、今回検出された菌の多くは、過敏性肺炎の起因菌としてこれまで報告されているもののようです。そのため、これらの真菌を慢性的に吸入していたことが、過敏性肺炎の引き金になったのではないかと推測されています。

論文の考察には、サクソフォン奏者トロンボーン奏者での真菌による過敏性肺炎の症例が引用されています。サクソフォンの症例では、”Ulocladium botrytis” と “Phoma sp” がサクソフォンから検出され、これらの真菌に対する血清特異的抗体が陽性でした。トロンボーンの症例では、たくさんの “Mycobacterium chelonaeabscessus group” 、”Fusarium sp (真菌)”、それとわずかな “Stenotrophomonas maltophilia” 及び大腸菌が培養されたようです。トロンボーンの報告中に、さらに 7名の金管楽器奏者の楽器からの培養結果が表として纏められていて、その菌の多さにビックリします。

金管楽器と菌

金管楽器と菌

こういう報告を読むと、金管楽器が菌管楽器とならないように、持ち主はきちんとした手入れが大事ですね。ちなみに、私の知り合いは、”bagpipeじゃなくて bugpipeだな” って言っていました。誰ウマ。

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「#楽譜に出てくる謎の指示選手権」タグで続々と無茶ブリが発掘される

By , 2016年8月15日 6:15 AM

Twitterで話題になっていました。これは面白かったです。

楽譜には、作曲家からの指示が細々と書かれていますが、時に謎な指示があります。例えば、「指揮者は突然痙攣に見舞われたかのように硬直し、譜面台をつかんで背後の床に頭を向けて倒れる」みたいな指示です。現代曲に多いです。「ティンパニーに頭を突っ込む」みたいに有名なものもありますが、初めて知った斬新な指示もあり、読んでいて思わず吹いてしまいました。

「#楽譜に出てくる謎の指示選手権」タグで続々と無茶ブリが発掘される

エリザベート国際音楽コンクールで作曲グランプリを受賞した酒井健治さんから、私が結婚するとき (※現時点では予定なし) お祝いに 8小節作曲してあげると言われているのですが、そのときの楽譜の指示は無茶ぶりじゃないことを祈っています。

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カヴァコス

By , 2016年8月13日 5:51 PM

第27回パシフィック・ミュージック・フェスティバル2016、PMFオーケストラ東京公演を聴きに行きました。

PMFオーケストラ東京公演

メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 作品90 「イタリア」

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

ショスタコーヴィチ:交響曲 第8番 ハ短調 作品65

ワレリー・ゲルギエフ (指揮)

レオニダス・カヴァコス (ヴァイオリン)

PMFオーケストラ

2016年8月9日 (火)

開演 19:00

サントリーホール

PMFオーケストラは若手演奏家の集まりですが、とてもレベルが高くてビックリしました。管楽器のソロパートなどを聴いても、海外の有名オーケストラと違いを感じませんでした。演奏とは直接関係ありませんが、川村拓也さんという北海道大学医学部の学生が、なんとヴァイオリニストとしてこのオーディションを通っていたんですね。同じ医療人として、また音楽を共通の趣味とする人間として、いつか会ってみたいです (彼の場合は音楽も趣味というより仕事かもしれませんが)。

私がこのコンサートに行った目的は、「カヴァコスが聴きたかったから」です。

カヴァコスが演奏するブラームスのヴァイオリン協奏曲は、オーケストラとの調和が素晴らしかったです。オーケストラがカヴァコスに合わせているというよりも、カヴァコスがオーケストラと対話しながら表現をしている感じがしました。そのおかげで、この曲の室内楽的魅力が際立っていました。また、洗練されていない音は一つもなくて、全ての音に惹きつけられました。カヴァコスは現在、世界を代表するヴァイオリニストと言われていますが、納得の演奏でした。

アンコールは無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番の第3楽章。私がこれまで聴いたバッハの無伴奏曲の中で、最高と言える演奏でした。一緒に聴きに行っていた友人の口から、演奏後に「神だ」という言葉が漏れたくらいです。全ての声部が数人で弾いているかのようにくっきりと浮き上がり、旋律はこの上なく洗練されていました。この曲はいくつかの声部を和音で同時に演奏しなければならず、左手の形が難しい和音の時には旋律となる声部に何らかの影響が出てもおかしくないのですが、全くそれを感じさせませんでした。囁くように弾いたかと思えば、ホール中が音で埋め尽くされるようなところもあり、作りがとても立体的でした。

終演時刻は22時を回っており、ぐったりと疲れましたが、とても良い演奏会でした。

(参考)

レオニダス・カヴァコス

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第57回日本神経学会学術大会

By , 2016年6月1日 5:45 AM

2016年5月18~21日に行われた神経学会総会に行ってきました。というか、あまりアカデミックなことには触れることなく・・・。とりあえず、どんなことがあったか振り返っておきます。

まず、5月20日の学会のコングレスディナーと 5月21日のポスターセッションでの演奏依頼があったことを記しておく必要があります。演奏するのは、神経内科医、言語聴覚療法士、他科の医師数名の団体。

20日はレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア第3曲 (レスピーギ)」「日本の四季~夏 (早川正昭)」「アイネ・クライネ・ナハトムジーク第 3楽章 (モーツァルト)」、21日は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク第1楽章 (モーツァルト)」「カノン (パッヘルベル)」「花は咲く」を演奏する予定でした。私は第1ヴァイオリンを演奏することになっていましたが、tuttiでしたので、後ろの方で小さな音で弾いていればよいかと思い、ほとんど練習していませんでした。ところが・・・。以下、日記風に。

5月15日(日):「20日の演奏で、ソリスト兼コンサートマスターが外来を閉め忘れて来られなくなった。代役を御願いします」との電話。俺氏青ざめる。カラオケボックスに篭もり 2時間ほど音取り。

5月16日 (月):当直で練習出来ず

5月17日 (火):19~21時まで雑誌の編集会議があり、その後 2時間ほどカラオケボックスで練習。

5月18日 (水):仕事を終えて、新幹線で神戸へ。23時30分頃ホテルサンルートソプラ神戸に到着。ホテルのルームキーが壊れており、最上階のツイン・ルーム (応接セット付き) を 3日間使って良いことになる。ちょっとラッキー。

5月19日 (木):Cochrane systematic reviewの締め切りが 5月20日だったので、午前中は学会場の喫茶店に篭もり作業。午後は岩田誠先生の「小脳症候学の確立」の講演のみ聴講。素晴らしい講演だった。ポスターを眺めてから三宮に戻り、飲み会を断ってカラオケボックスで 2時間楽器の練習。その後、ステーキランド神戸店で神戸牛+ワインを堪能してホテルへ。

5月20日 (金):午前中、学会の喫茶店で Cochrane systematic reviewの担当者に「間に合いません。締め切り延期してください」の泣きメール (爆)。午後、合奏のメンバーの一人 Kentaru先生と合流して、ポスターを眺めてから二人でグリル金プラにて私的ランチョンセミナーへ。食事をしてから一緒にカラオケボックスで練習。現実逃避をして、バッハの「二台のヴァイオリンのための協奏曲」などを合わせて遊ぶ。その後、ラ・スイート神戸オーシャンズガーデンのコングレスディナーで演奏。奇跡的に上手くいって、多くの拍手をいただく。ディナーの後、三宮で二件ハシゴ酒。

5月21日(土):二日酔いで学会場へ。本来のコンサートマスターが到着したため、tuttiの一員として気楽に演奏。ポスターを眺めてから、三宮駅前へ。Kentaru先生とBeer Cafe De Bruggeに入り、何気なくルースというビールを頼んでからふとメニューを見て、5980円という表記を見つけビックリする。店を出て、新神戸駅で大量の酒を買い込み、新幹線で飲み会開始。二人で音楽談義をして盛り上がる。学会で勉強したことの情報交換など。東京で解散。

ということで、学会ではあまり勉強はしませんでしたが、久々に音楽漬けの数日間を送ることができました。

そして後日、この演奏を聴いた方から、別の学会での演奏依頼が舞い込んできたのでした(^^)

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メータの第九

By , 2016年4月5日 6:20 AM

私にとって、一番印象に残っている第九 (ベートーヴェン作曲、交響曲第9番) は、震災直後にメータが来日して NHK交響楽団と共演した演奏です。演奏者の「音楽を通じて何かしたい」という必死さが伝わってくる名演でした。当時、ネットで視聴できたのですが、配信期間が終わり、一部NHKで放送されはしましたが、もう見ることができなくなりました。

と思っていたら、第四楽章だけですが、ネットで見られることに気付きました。名演です。。

Japan Earthquake Relief Concert – Beethoven Chorale – 2011

(参考)

Benefizkonzert

ベストの出来

メータ

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成田達輝 ヴァイオリン・リサイタル

By , 2016年3月27日 8:08 AM

成田達輝さんのリサイタルに行ってきました。

クラシック NOW ~いま、注目の演奏家たち~

成田達輝 ヴァイオリン・リサイタル

ピアノ 中野翔太

  1. G.タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 ”悪魔のトリル”
  2. M.ラヴェル:ツィガーヌ
  3. L.v.ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第 9番イ長調 Op.47「クロイツェル

2016年2月26日(金) 午後 7時開演 リリア・音楽ホール

タルティーニの悪魔のトリルは、私が学生時代に卒業演奏でソロを弾いた曲です。でも、一流のプロが弾くと、こうも格好良い演奏になるんですね。カデンツァも迫力がありました。ラヴェルのツィガーヌは以前、成田さんのコンサートで聴いたことがあります。成田さんのフランス仕込のラヴェルは、何度聴いても良いです。

圧巻だったのがクロイツェル・ソナタ。表現が豊かで、迫力も十分でした。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは音楽的に非常に深く、若くして弾きこなすのは大変なのですが、完璧だったと思います。以前、スプリング・ソナタを聴いた時と比べて、とても円熟味が増していました。彼はパガニーニを始めとした超絶技巧の曲で評判が高いですが、ベートーヴェンもなかなかです。使用楽器のガルネリ・デル・ジェス (ガルネリデルジェス“ex-William Kroll”1738年製) を鳴らすコツもつかんできたようで、プラグラムノートには次のように書いてありました。

今日はいつも使っているガルネリで演奏しますが、ガルネリの素晴らしいところは、その音が自分の声帯のように、自分の”声”そのものになるという事です。最近になってそれを実感しています。

ピアニストは中野翔太さんではありませんが、成田さんがクロイツェル・ソナタを演奏している動画が Youtubeに上がっています。これを見て気に入った方は、是非演奏会に足を運び、生演奏も聴いてみてください。

・Tatsuki Narita & Yun-Yang Lee – Beethoven Violin Sonata No.9 “Kreutzer”

コンサートが終わってから、成田達輝さん、中野翔太さんらと、門前仲町の「無門」という焼き鳥屋で食事をしました。それから、西麻布の Bar musicaに行きました。ここは、ヴァイオリン、チェロ、ピアノが置いてあり、演奏を楽しめるようになっているのです。プロの演奏家も結構遊びに来る店のようです。年に楽器ケースを数回しか開けず技術の衰えの著しい私は、そこで泥酔してギコギコという音を朝 5時まで奏で、成田さんらを寝かさなかったのでした (^_^;)

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