Category: クラシック音楽
left hand
前回までバッハのシャコンヌの編曲を紹介してきました。ブラームスによるピアノ編曲は左手のみで演奏するようになっています。他にそのような曲はないかと思って調べていたら、左手のみで演奏するピアノ曲について集めたサイトを見つけました。
PIANO MUSIC for the LEFT HAND ALONE
動画で実際の演奏を聴くことが出来ますが、結構たくさんあるものですね。初めて聴く曲が多かったです。スクリャービンなんかも書いていることに驚きでした。
また、動画ではありませんが、いくつかリストも見つけました。
・1手(片手)のためのピアノ作品集 ~練習曲、小品など
・List of Piano works for the left hand
では、「右手のための曲は?」と思って探すと、Yahoo!知恵袋に紹介されていました。
Yahoo! 知恵袋
いずれも知っているだけで聴いたことはありませんが、
C.P.E.バッハ:ピアノ小曲(左右どちらで演奏しても良い)
ツェルニー:片手のためのピアノ曲(左右どちらで演奏しても良い)
アルカン:3つの大練習曲Op.76(第1曲が左手用、第2曲が右手用、第3曲は両手)
グラマッテ:ピアノソナタ第6番(第1楽章が左手用、第2楽章が右手用、第3楽章は両手)
http://homepage1.nifty.com/iberia/score_gramatte.htm
フィニッシー:アルカンパガニーニ(3部構成で左手→右手→両手で演奏)
池田悟:右手のためのピアノ曲「Planetarium」
マルキェヴィチュヴナ:色とりどりの絵~羊飼いの少年(子供のためのピアノ曲・練習用?)>音楽的に作れない理由
こちらの後半が参考になるでしょうか。
http://www.ne.jp/asahi/piano/natsui/free/free068.htm
練習しすぎて片手を痛めたときに、痛めていない方の手で練習するときに参考にして頂ければと思います (^^;
シャコンヌ-ピアノ編-
バッハのシャコンヌの編曲。紹介の旅の終点はピアノ編曲です。
シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュート、管楽器、声楽、チェンバロと紹介してきた中で、原曲を除くと一番有名なのはピアノ編曲かもしれません。なぜなら有名な作曲家が編曲しているからです。
一つはフェルッチョ・ブゾーニによる編曲、もう一つはブラームスによる編曲です。ブゾーニ版は華麗に栄える編曲ですが、ブラームス版はエッセンスのギュッと詰まった編曲です。それぞれ対照的で面白いです。ブラームス版は左のみで演奏することが要求され、技術的に非常に難度が高いらしいです。
ブゾーニ版の演奏はエレーヌ・グリモーです。あまりに美人だったので、どんな演奏家か Wikipediaで調べてみたところ、大学で動物生態学を学び、オオカミの生態を研究しながら保護に努めているらしいです。「男はオオカミ」って言いますけど、そっちのオオカミじゃないですよね・・・多分。
・Helene Grimaud Chaconne in D minor -1-
・Helene Grimaud Chaconne in D minor -2-
・Bach – Brahms : Chaconne – (1/2)
・Bach – Brahms : Chaconne (2/2)
シャコンヌ-チェンバロ編-
長々と紹介してきたシャコンヌの編曲も後2回。今回はチェンバロ編です。
これまでは、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュート、管楽器、声楽を紹介。長い旅でした。
・J. S. Bach – Ciaccona BWV 1004 Part 1
・J. S. Bach – Ciaccona BWV 1004 Part 2
チェンバロ編曲は原曲より音符が増え、凄く新鮮に聞こえます。装飾が綺麗ですし、アルペジオの部分も圧巻ですね。極自然に聞こえるので、元々こうした曲だったのをバッハが省略を重ねて現在のようなスタイルに落ち着いたのではないかとすら感じました。
さて、次はいよいよピアノ編。有名作曲家による編曲で締める・・・筈です(新しい編曲がみつからなければね)。
シャコンヌ-声楽編-
バッハのシャコンヌの編曲も、残すところは声楽と鍵盤楽器のみ。これまでは、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュート、管楽器を紹介しました。
今回は声楽を紹介します。ヒリアードアンサンブルはバロックの歌曲に定評のある声楽のアンサンブル団体です。バッハのシャコンヌも声楽のみ、声楽+ヴァイオリン(古楽器)で録音しています。これらは「Morimur」という CDに収録されています。
ヒリアードアンサンブルの凄いところは、声楽でありながら音律に厳格であるところです。ヴァイオリンの巨匠達の言を聞くと、わざと音律から外して音を高く或いは低くとることがあり、それが一つの大切な表現ではあるのですが、ここでは音律に厳格な演奏が作り出す演奏効果を実感することができます。特筆すべきはノン・ビブラート奏法です。高音をノン・ビブラートで唱うのは相当怖いと思いますが、脳天を刺激するような音色を作り出しています。オペラでは声量を要求されるので、体格の劣った日本人の声楽家に不利な面があると思いますが、こうした繊細さを要求される奏法は、あまり体格が関係なさそうなので、日本人声楽家に向いているのではないかと思いました。
ヒリアード・アンサンブルのこの録音は、私のお気に入りです。是非聴いてみてください。
・Bach Chaccone with Chorales Hilliard Ensemble 1 of 2
・Bach Chaccone with Chorales Hilliard Ensemble 2 of 2
シャコンヌ-管楽器-
シャコンヌの編曲の紹介、続きです。結構お腹一杯になってきた感もありますが、あと数回あるのでお付き合いください。今週中には終わる予定です。
復習すると、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュートでした。
今回は管楽器。趣が全然違います。フルートは和音を分散して演奏していますが、違和感ありません。トランペットはオーケストラをバックにつけ、ソロという形で演奏していますが、壮大なスケールを感じます。
・J.S. Bach: Chaconne BWV 1004, arranged for flute (part 1/2)
・J.S. Bach: Chaconne BWV 1004, arranged for flute (part 2/2)
・Chaconne: BWV 1004 for orchestra by J.S.Bach for Trumpet solo by Erich Kunzel
何と、ファゴットというのもあります。この動画はシャコンヌだけではなくて、パルティータ第2番全曲の触りだけを演奏してあります。CDを注文するか会員登録されていると全曲聴けるようです。シャコンヌは 4分25秒からです。
・J.S.BACH/Ryohei Nakagawa : Partita II BWV-1004 -The Chaconne-
シャコンヌ-ギターとリュート-
バッハのシャコンヌ特集。えと、これまで紹介したのが、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロでした。まだまだ続きます。
今回はギターとリュート。撥弦楽器の方が和音が弾きやすいので、この曲は演奏しやすいと思います。音の減衰が、何か落ち着いた雰囲気を生み出していて良いですね。
・Andres Segovia Plays Bach Chaconne (Part 1)
・Andres Segovia Plays Bach Chaconne (Part 2)
・Bach / Ciaccona (part 1) of Solo Violin Partita Ⅱ BWV1004, M.Okazawa(Lute)
・Bach / Ciaccona (part 2) of Solo Violin Partita Ⅱ BWV1004, M.Okazawa(Lute)
シャコンヌ-オーケストラ編-
7月19日に紹介したバッハのシャコンヌ。これから色々な編曲を紹介していこうかと思います。
オーケストラ編曲としてはストコフスキー版と斎藤秀雄版が有名ですね。ストコフスキーは高名な指揮者でしたし、斎藤秀雄氏はチェリストとして或いは指導者として名を残しました。お二人とも残念ながら亡くなりましたが、斎藤秀雄氏の教え子らはサイトウ・キネン・オーケストラを作り、現在でも長野県松本市を中心に活動しています。教育のすばらしさを感じさせられます。斎藤秀雄氏はバッハの無伴奏曲に特に関心を寄せていたそうで、弟子達に楽譜を声部毎に色分けさせていたという話をどこかで読んだことがあります。ストコフスキーと斎藤秀雄の編曲を聴き比べてみるのも楽しいですね。ストコフスキーの編曲の方が有名ですが、個人的には斎藤秀雄氏の編曲の方が聴いていてワクワクします。
・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Stokowski’s transcription) – Part 1
・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Stokowski’s transcription) – Part 2
・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Hideo Saito’s transcription) – Part 1
・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Hideo Saito’s transcription) – Part 2
シャコンヌ
バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータには素晴らしい曲がたくさんありますが、最も有名なのがパルティータ第 2番最終楽章の「シャコンヌ」でしょう。私も好んで良く演奏する曲です。難易度が高いので人前で弾くのは嫌ですが・・・。
名演奏とよばれる録音はたくさんありますが、ここでは私がお気に入りのミルシテインの演奏を紹介しておきます。出だしの音が少しきつく聞こえるかもしれませんが、聴いているうちに引き込まれます。
・Bach BWV 1004 Chaconne Nathan Milstein Violin – Part 1
・Bach BWV 1004 Chaconne Nathan Milstein Violin – Part 2
Henryk Szeryngもバッハの演奏にかけては凄く評価の高いヴァイオリニストです。一部分を Youtubeで見ることが出来ますのでこちらも紹介しておきます。
・Henryk Szeryng – chaconne
さて、このシャコンヌは色々と編曲されていることでもお馴染みです。ブラームスやブゾーニの編曲はピアノを弾かれる方なら御存知でしょうし、ストコフスキーはオーケストラ用に編曲しました。今後、編曲について少しブログで触れていきたいと思いますので御覧ください。