Category: クラシック音楽

神戸市室内合奏団

By , 2013年3月13日 8:10 AM

招待券を頂いたので、3月10日に知人と神戸市室内合奏団のコンサートを聴きに行って来ました。

神戸市演奏協会 第 373・374回公演

神戸市室内合奏団

定期公演 第 22回東京公演

古典派と歩む一年~アンサンブルの極みを目指して~

「ふたりの天才と若き日の作品」

シューベルトが受け継いだ”明るく、照らされた、美しい”もの

2013年3月10日(日) 14:00 開演/紀尾井ホール

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 交響曲 第 29番 イ長調 KV201 (186a)

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト フルート協奏曲 第 2番 ニ長調 KV314 (285d)

フランツ・シューベルト 交響曲 第 5番 変ロ長調 D485

指揮:石川星太郎、フルート:藤井香織、神戸市室内楽合奏団

一曲目の冒頭、繊細さが要求されるところですが、完璧な出だしで、すぐに合奏団のレベルの高さが分かりました。この曲は細かく動くフレーズが多いのですが、全く乱れたところがありませんでした。1985年生まれの若い指揮者は曲を完璧に把握した上にそれを表現する手段を知っており、「モーツァルトがそうであったように、天才は若い時から天才なんだなぁ」と感じました。

二曲目、藤井香織さんは歌い方が上手でした。音が明るくて、聴いていて心地よかったです。ただ、強く吹き込んだときに全体的に音程が高くなりやすく、楽器の特性があるので難しいのかもしれませんが、もう少し低くとるべき音は低くとった方が、調性感がクリアになって綺麗なのかなと思いました。こうした素晴らしい tuttiでヴァイオリン協奏曲も聴いてみたくて、ヴァイオリニストの成田達輝さんとか招いたコンサートとか企画してくれないかなぁ・・・。

三曲目はシューベルト。コンサートのサブタイトルにもある「シューベルトが受け継いだ”明るく、照らされた、美しい”もの」というメッセージが良く伝わって来ました。

この合奏団はボッセ・ゲルハルト氏が過去に音楽監督だったらしいですが、こんなにレベルの高い合奏団に育てたというのは、ボッセ氏の数多い業績のうちでも特筆すべきものの一つでしょう。 また機会があれば聴きに行きたいと思いました。

最後に、それぞれの曲を Youtubeで曲紹介をしておきます。

・Mozart – Symphony No. 29 in A, K. 201 [complete]

 

・Mozart – Flute Concerto No. 2 in D, K. 314 / K. 285d [complete]

・Schubert: Symphony No.5 – Harnoncourt/WPh(2010Live)

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Milstein 83歳の録音

By , 2013年1月20日 9:04 AM

演奏家の演奏寿命にはかなりの個人差があります。特に、超絶技巧を要求される器楽奏者で、高齢になっても技量を維持するのは大変なことです。

私が大好きなヴァイオリンの巨匠、ナタン・ミルシテインの 83歳時の録音が残っているのを知りました。有名なバッハのシャコンヌです。83歳が弾いているとは思えない名演奏だと思います。

Milstein’s Last Public Concert at 83 Years Old: Chaconne (7.1986)

一方で、もう少し若い頃の演奏はこちらで聴くことができます。私が持っているビデオに収録されているのと同じものですが、1968年の録音のようです。聴き比べが楽しめます。

Bach BWV 1004 Chaconne Nathan Milstein Violin – Complete

ちなみに、1953年のライブ録音が、私は大好きです。

(参考)

シャコンヌ

シャコンヌ-オーケストラ編-

シャコンヌ-弦楽合奏編-

シャコンヌ-ギターとリュート-

シャコンヌ-管楽器-

シャコンヌ-声楽編-

シャコンヌ-チェンバロ編-

シャコンヌ-ピアノ編-

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脳梗塞と音楽能力

By , 2013年1月14日 6:38 AM

音楽能力が脳のどこに局在するかは、様々な学者が研究している興味深いテーマです。 Functional MRIなどの画像検査で脳のどこが賦活化されるか調べるのもひとつの方法ですが、脳の病気で失われた部分と音楽能力を比較するのも昔から行われている有力な方法です。

ある高名な指揮者が左中大脳動脈領域の広範な脳梗塞となり、その経過が 1985年の Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌に掲載されました。患者さんは匿名化されて “NS” と記されています (ただし論文での記載があまりに詳細であるため、私の師匠は経過を読んで、誰だかわかってしまったそうです)。最近その論文を読んだので簡単に内容を紹介します。

Spared musical abilities in conductor with global aphasia and ideomotor apraxia.

(Basso A, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry, 1985; 48: 407-12)

SUMMARY: A conductor suddenly developed global aphasia and severe ideomotor apraxia as a result of an infarct in the territory of the left middle cerebral artery. Although aphasia and apraxia remained unchanged during the following six years, his musical capacities were largely spared and he was still able to conduct. This case provides some evidence in favour of right hemisphere dominance for music.

ヴァイオリンとピアノを嗜み、ヴェニスの Feniceやミラノの La Scalaなどで長年指揮者を務めた NS氏は、1977年11月27日に脳梗塞を発症しました。アメリカのツアー中での出来事でした。症状は、軽度の右片麻痺、右同名半盲、全失語でした。また、高次脳機能評価では、観念運動失行などを指摘されました。論文に頭部CTが掲載されていますが、左中大脳動脈後枝領域を中心に広範に障害されています。

ところが、音楽能力はほぼ保たれました。ピアノ演奏は行うことが出来ましたし、初見演奏も可能でした。他人の演奏の小さな間違いをも指摘することができました。そればかりか 1982年2月から 6月までの間、指揮者としての活動を続け、音楽評論家から絶賛されました。オペラも指揮しています。ただし、言葉は完全に失われたままで、音名を述べたりすることは出来ませんでした。彼は 1983年4月21日に左片麻痺で 2度目の脳血管障害を発症しました。そして、5月4日に肺水腫を伴った心不全で死亡しました。

彼の音楽能力と、音楽以外の能力には多くの解離があります。観念運動失行はあるけれど指揮はできる、文章は読めないけれど楽譜は読める、言葉は失われたけれど演奏はできる・・・。右半球の脳梗塞で音楽能力を失った過去の報告と併せ、著者らは音楽能力の多くが脳の右半球にあるのではないかと推測しています。

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東日本大震災復興祈念「会津第九演奏会2011」

By , 2012年12月31日 10:49 AM

Youtubeで第九の演奏を漁っていたら「東日本大震災復興祈念『会津第九演奏会2011』」という動画を見つけました。会津市民オーケストラによる演奏で、ちょっとアマチュアっぽさが漂う箇所はありますが、音楽的に自然な演奏です。私が郡山に住んでいた頃なら、足を伸ばして弾きに行ったかもしれません。

・東日本大震災復興祈念「会津第九演奏会2011」 第1・2楽章

・東日本大震災復興祈念「会津第九演奏会2011」 第3・4楽章

ちなみに、会津と第九の縁について、会津第九の会のサイトに載っていました。これは初耳でした。第九が初演された捕虜収容所の松江豊寿所長は会津出身だったんですね。

会津第九の会

今でこそ年末のシーズンによく耳にするこの交響曲第9番であるが、1918年6月1日に徳島県板東町(現・鳴門市)にあった板東俘虜収容所でドイツ兵捕虜により演奏されたのが日本での初演である。
このとき収容所所長を務めたのが会津出身の松江豊寿(1872年-1956年)であり、第9代若松市長である。

豊寿は1872年6月に現在の会津若松市で会津藩士、松江久平の長男として生まれ、明治政府によって朝敵の汚名を着せられた会津藩士の悲哀を味わいながら育つ。
仙台陸軍地方幼年学校、士官学校を経て陸軍に入った豊寿は、1914年徳島俘虜収容所の所長に任命される。
時は第一次世界大戦、中国山東半島の青島(チンタオ)を攻略した日本軍は、駐留していたドイツ兵を捕虜として日本に護送した。1917年に12ヶ所の収容所が6ヶ所にまとめられ、豊寿は板東俘虜収容所の所長に就く。
この当時、捕虜に対する非人道的な扱いが一般的ななか、豊寿は武士の情けをもって接した。

豊寿の計らいにより所内での音楽活動は盛んに行われ、収容されているドイツ人捕虜たちが松江所長や地域住民との温かい交流に感謝して演奏したのが「交響曲第9番」である。

Wikipediaで板東俘虜収容所を調べると、日本での第九初演までを描いた「バルトの楽園」という映画があるそうです。是非見てみたいと思います。

板東俘虜収容所

1917年に丸亀、松山、徳島の俘虜収容所から、続いて1918年には久留米俘虜収容所から90名が加わり、合計約1000名の捕虜が収容された。収容所長は松江豊寿陸軍中佐(1917年以後同大佐)。松江は捕虜らの自主活動を奨励した。今日に至るまで日本で最も有名な俘虜収容所であり、捕虜に対する公正で人道的かつ寛大で友好的な処置を行ったとして知られている。板東俘虜収容所を通じてなされたドイツ人捕虜と日本人との交流が、文化的、学問的、さらには食文化に至るまであらゆる分野で両国の発展を促したとも評価されている。板東俘虜収容所の生み出した“神話”は、その後20年余りの日独関係の友好化に寄与した。

板東俘虜収容所は、多数の運動施設、酪農場を含む農園、ウイスキー蒸留生成工場も有し、農園では野菜を栽培。また捕虜の多くが志願兵となった元民間人で、彼らの職業は家具職人や時計職人、楽器職人、写真家、印刷工、製本工、鍛冶屋、床屋、靴職人、仕立屋、肉屋、パン屋など様々であった。彼らは自らの技術を生かし製作した“作品”を近隣住民に販売するなど経済活動も行い、ヨーロッパの優れた手工業や芸術活動を披露した。また、建築の知識を生かして捕虜らが建てた小さな橋(ドイツ橋)は、今でも現地に保存されている(現在では保存のため通行は不可)。文化活動も盛んで、同収容所内のオーケストラは高い評価を受けた。今日でも日本で大晦日に決まって演奏される、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番が日本で初めて全曲演奏されたのも、板東収容所である。このエピソードは「バルトの楽園」として2006年映画化された。

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第九

By , 2012年12月15日 12:49 PM

年末は “第九” (ベートーヴェン作曲、交響曲第九番) のシーズンです。「年末といえば第九」という風潮に賛否両論ありますが、個人的には少しでも多くの人がこの名曲に触れるきっかけになれば良いのではないかと思っています。ちなみに私はこの曲が大好きで、一年中聴いています。

最近、Youtubeで 1979年のカラヤン来日の時の第九が聴けることに気付きました。多少音にバラつきはありますが、生き生きとした、なかなかの名演です。カラヤンといえば、「カラヤンはなぜ目を閉じるのか」だったという本が出版されるくらい、ナルシシズムに満ちていて自己の見せ方にこだわった人だったそうです。しかし、この録音はFM放送なので視覚効果を演出することはできませんし、生放送なので編集して音に手をいれる訳にもいきません。生に近いカラヤンに触れられる貴重な録音だと思います。

・ベートーベン交響曲第9番「合唱」(生放送)

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レッスンの友社

By , 2012年11月20日 6:46 AM

レッスンの友社が廃業になるらしいです。

私はレッスンの友社が発行する「ストリング」という雑誌が好きで、2002年から定期購読しています。また、バックナンバーを取り寄せ、1997年以降に発刊されたものは全て本棚に並んでいます。

2012年11月号には、廃刊の雰囲気は全くないのですが、このまま廃刊になってしまうのでしょうか?興味のある連載がたくさん継続される中、もし廃刊になってしまったら、とても残念です。

ピアノ教本の草分け「レッスンの友社」が廃業へ

2012.11.19 14:44

 信用調査会社の東京商工リサーチによると、ピアノ練習教本の草分けである「レッスンの友社」が今月に入り、事業を停止した。廃業の方向で、弁護士との協議に入っているという。

レッスンの友社(東京都杉並区)は昭和47年11月の設立、資本金1000万円。社長は河村純一氏で、従業員は12人。

ピアノ練習教本「レッスンの友」と弦楽専門誌「ストリング」を月刊で発売。11月号までは発行を続けていた。

ピーク時には会社の年商は3億円あった。しかし楽器の演奏者減少にともない、売上高も年々減少し、昨年は1億円ほどの売上げで赤字経営となっていた。すでに従業員には事業継続断念を伝え、弁護士との相談に入っているという。

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ポリーニ・パースペクティヴ 2012

By , 2012年11月5日 7:30 AM

11月 2日にポリーニのコンサートに行ってきました。

ベートーヴェン―シュトックハウゼン 大ホール

2012年11月2日(金)19:00開演

シュトックハウゼン:ピアノ曲VII <曲目変更>

シュトックハウゼン:ピアノ曲IX <曲目変更>

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 op. 78「テレーゼ」

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 op. 79

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 op. 81a「告別」

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 op. 90

*シュトックハウゼン:ピアノ曲Ⅹが上記2曲に変更となります。

ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ

シュトックハウゼンの音楽は、私はこの類の音楽を普段聴かないのでわからなかったけれど、ポリーニの音に対する繊細さはよく伝わって来ました。ポリーニの演奏を生で聴くのは初めてでした。

そして目的のベートーヴェン。まずソナタ第 24番はテレーゼは、あまり出来が良くなく、指がもつれてリズムが壊れたりしていました。ポリーニのおっかけをやっている人に聞くと、「いつも出だしはこんなものだよ」と。第 25番はやや持ち直したものの、しかし期待した演奏には程遠かったと思います。

後半に入ると、徐々にエンジンが入ってきたようでした。まずは私が現在ハマっている第 26番「告別」。お気に入りのバックハウスの演奏を毎日通勤の時に聴いていて、特に第 3楽章「再会」は、実験でテンパった時にいつも頭の中をグルグルと回る曲になっていました。

・Beethoven Piano Sonata No 26 Op 81a Les Adieux 1 Das Lebewohl (Les Adieux – The Farewell)


・Beethoven Piano Sonata No 26 Op 81a Les Adieux 2 Abwesenheit (L’Absence – The Absence)

・Beethoven Piano Sonata No 26 Op 81a Les Adieux 3 Das Wiedersehen (Le Retour – The Return)

で、ポリーニの演奏は、この上なく情熱的でした。ひたすら前へ、前へ!演奏としてはリスクが高く、いつ崩壊してもおかしくなかったのですが、それだけにポリーニの滾る思いが存分に伝わってきました。第 3楽章「再会」の演奏では、戦火を逃れた親友ルドルフ大公と再会したベートーヴェンの胸の高鳴りを感じました。

演奏は尻上がりに良くなり、第 27番も素晴らしかったです。アンコールはベートーヴェン「6つのバガテル」から op. 126-3, 4でした。会場はスタンディングオベーションでした。会場にはカメラがたくさんあって、NHKで一部放送するそうですので、興味の有る方は是非御覧ください。

 12月17日(月)【16日(日)深夜】午前0時~午前4時
プレミアムシアター
◇マウリツィオ・ポリーニ 日本公演
~ポリーニ・パースペクティヴ2012~ から

<曲 目>
Il rumore del tempo[日本初演](マンゾーニ)
弦楽四重奏曲 第3番「グリド(叫び)」(ラッヘンマン)
ピアノ・ソナタ 選集(ベートーベン)  ほか

<演 奏>
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
【ベートーベン作品の演奏】

クリストフ・デジャルダン(ビオラ)
アラン・ダミアン(クラリネット)
ダニエル・チャンポリーニ(打楽器)
チョー・ジョー(ソプラノ)
【マンゾーニ作品の演奏】

ジャック四重奏団
【ラッヘンマン作品の演奏】 ほか

収録:2012年10月23日、11月2、7、13日
サントリーホール

某千葉県 K総合病院の集中治療科のトップに内定した、知り合いのブリスベン先生 (仮名) が、エリザベート及びロン・ティボーコンクール第 2位のヴァイオリニスト成田達輝氏を会場で紹介してくれて、コンサートが終わってから 3人で飲みに行きました (この前日、ブリスベン先生とプロ棋士の橋本八段と私の三人で酒を飲んだので、ブリスベン先生とは2日連続の酒になりました (^^;)。

新橋に移動して、徳壽という焼肉屋でさんざん酔って、3人で芸術論を語り合いました。一流音楽家の話はとても新鮮でした。成田氏はジャン・ジャック・カントロフの弟子らしく、面白い話をたくさん聴かせてくださいました。今度は成田氏の演奏会を是非聴きに行きたいと思いました (残念ながら今回の来日公演はチケット完売で手に入らず)。

・ロン・ティボー国際音楽コンクール(成田達輝)

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ベストの出来

By , 2012年9月22日 7:34 AM

ベートーヴェンの交響曲第九番 (第九) で、私が最も感動したのは、東京・春・音楽祭2011で「東北関東大震災 被災者支援チャリティー・コンサート」として、2011年4月10日に行われた演奏会です。生演奏で聴けなかったのは残念ですが、東京・春・音楽祭のサイトにアップされた動画を何度も見ました。

しかし、残念ながら、東京・春・音楽祭のサイトでの配信は終了し、その後削除されてしまいました。この演奏会は 2011年4月17日の N響アワー (NHK Eテレ) でも放送されましたが、オンデマンド配信にはならず、現在では見ることができません。貴重な演奏なので、何とか DVDで販売してほしいと願っている次第です。

さて、実際に演奏された永峰さんが、「ベストの出来」と評していたのを最近知りました。

楽員インタビュー

黒崎

N響で印象に残っている演奏はありますか?

永峰

今年 (※2011年) 4月のメータさんとの震災チャリティー・コンサート。30年間N響に在籍して、《第9》もずっと弾いていますが、私にとってはベストの出来でした。被災地の方に直接聴いていただくことはできなかったですけれど、私たちにできることは演奏することですし、思いは通じたと思います。

彼らが使命感を胸に強い気持ちで演奏に臨んだことが名演奏につながった訳で、音楽にとって、演奏者のモチベーションが如何に大切かというのを強く感じました。

(参考)

ズービン・メータ N響 第九 チャリティー2011.4.10 神々しいメータ

実際に生で聴かれた方の感想。

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震災ヴァイオリン

By , 2012年9月7日 8:35 AM

被災した木材で製作されたヴァイオリンが話題になっています。このヴァイオリンを用いて 8月30日に行われたジェラール・プーレ氏のコンサートは是非行きたかったのですが、予定が合わず・・・。

・Concert features violin made of wood from Iwate Prefecture

ニュース動画ではバッハのシャコンヌを演奏していますが、プログラムにはないのでアンコールでしょうか。

このヴァイオリンに関するニュースは様々なところで目にします。プーレ氏の演奏は逃しましたが、是非生で一度聴いてみたいです。

・【震災】「被災地のバイオリン」演奏 仏・パリ(12/06/21)

 

・希望発信!いわて-ヴァイオリン・プロジェクト『千の音色でつなぐ絆』

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg6677.html

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ヴァイオリン押収

By , 2012年8月25日 12:22 PM

1億円バイオリン押収、堀米ゆず子さん訴訟検討

【ベルリン=三好範英】ベルギー在住の世界的バイオリニスト、堀米ゆず子さん(54)が、所有するバイオリンの名器ガルネリをドイツ・フランクフルト国際空港税関で押収されていたことが分かった。

フランクフルト空港税関報道官などによると、堀米さんは、16日に乗り継ぎのため東京から同空港に到着した際、無申告の場合に通過する緑色の表示の出口から出ようとした。

その際、手荷物のケースに入れたバイオリンが検査の対象となり、輸入関税をこれまでに払ったことを示す証明書や、物品の由来を示す書類などを所持していなかったため、押収の対象となったという。

税関報道官は、「関税を確実に払ってもらうためと、脱税の可能性もあり証拠品としての押収」と説明している。

現在、審査中だが、堀米さんはバイオリンの評価額100万ユーロ(約1億円)の19%に当たる19万ユーロ(約1900万円)の関税の支払いを求められているという。ただ税関報道官は審査の結果、「仕事の道具」の扱いで無税となる可能性もあるとしている。

堀米さんは1980年、ブリュッセルのエリザベート王妃国際音楽コンクールで日本人として初めて優勝。世界有数のオーケストラと共演するなど、国際的に活躍している。

東京からの電話取材に対し、堀米さんは「楽器は仕事の道具であり、演奏家にとって体の一部のようなもの。今まで何度もフランクフルト空港を利用しているが、何の問題もなかった。なぜ突然こんなことになるのか分からない」と話し、訴訟を起こすことも検討している。

(2012年8月22日07時10分  読売新聞)

弦楽器は、楽器によって癖がかなり違います。サイズや持った時の感触は違うし、よく鳴らすためのテクニックも違ってきます。本番はもちろんのこと、毎日その楽器で練習もしないといけませんので、演奏家は肌身離さず楽器を持ち歩くことになります。

こうした演奏家にとって、楽器が押収されることがあるというのは、信じられない大変なニュースですね。

慣習的にこういうことはありえないのですが、記事に「輸入関税をこれまでに払ったことを示す証明書や、物品の由来を示す書類などを所持していなかったため、」とあるので、空港職員が規則をそのまま適応してしまったようです。「規則に忠実で頑固」と揶揄されるドイツ人相手となると、交渉が難航することが想像されます。

クラシック音楽に理解ある政治家が動いてくれると良いのですが・・・。

 

追記 (2012.9.22 )

ヴァイオリンは変換されることになったそうです。良かった良かった。

堀米さんのバイオリン、独税関が無条件で返還へ

読売新聞 9月22日(土)0時27分配信

ベルギー在住のバイオリニスト、堀米ゆず子さん(54)所有のバイオリンの名器ガルネリが、ドイツ・フランクフルト国際空港税関に押収されていた問題で、同税関が20日、楽器を無条件で返還すると堀米さんに通知してきたことが分かった。

21日に一時帰国した堀米さんが、日本の音楽関係者に伝えてきた。

堀米さんは、8月16日に東京から同空港に到着した際、手荷物のバイオリンについて、自身の所有物であることを示す書類などを所持していなかったため、楽器を押収された。同税関は、バイオリンの評価額の19%に当たる19万ユーロ(約1900万円)の関税の支払いを求めていた。審査の結果、堀米さん自身の所有物であることが証明されたため、無税扱いになったとみられる。関係者によると、堀米さんは「ほっとした様子でとても喜んでいた」という。

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