Category: クラシック音楽

ヨアヒム

By , 2011年6月28日 8:11 AM

6月 28日は、ヴァイオリンの巨匠ヨアヒム (1831年 6月 28日- 1907年 8月 15日) の誕生日。ベートーヴェンなど様々ヴァイオリン・コンチェルトでヨアヒム作のカデンツァが弾かれますので、名前を聞いたことのある方は多いでしょう。

ヨーゼフ・ヨアヒム -Wikipedia-

ソロバイオリニストとして知られるヨアヒムであるが、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団に1848年~1850年の2年間在籍し、オーケストラ奏者に加えて、同楽団の首席奏者で構成されるゲヴァントハウス弦楽四重奏団で第二バイオリンも担当するなど幅広く演奏活動を行った。

ソロバイオリニストとしては、ヨハン・ゼバスチャン・バッハからルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(この曲がスタンダード曲になるにはヨアヒムの大きな貢献があった)を経て、年下の同時代人たち(その多くは彼の個人的な知人であった)の作品に至る幅広いレパートリーを演奏した。

これらの演奏に加え、アントニン・ドヴォルザーク、ロベルト・シューマン、マックス・ブルッフからヴァイオリン協奏曲の「献呈」も受けている。ただし、ドヴォルザークとシューマンの曲を演奏することはなかった。(ブルッフの協奏曲1番も献呈を受けたが初演は別人が担当)

尚、ヨアヒムはブラームスと特別に密接な協力関係にあり、ブラームスがヴァイオリン協奏曲を作曲した時は、器楽演奏についての技術的な助言を行なっている。この協奏曲は、1879年1月1日、ヨアヒムの独奏バイオリンで初演され、彼に献呈された(ただし公式に演奏したのは6回だけであった)。ブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲の初演では、独奏ヴァイオリンを演奏し(この曲は離婚問題による仲違いの後、友情修復の為に作曲された)、交響曲第1番のイギリスでの初演を指揮した。

ヨーゼフ・ヨアヒムはメンデルスゾーンから目をかけられた名演奏家で、更に多くの作曲家と交流があり、教師としても数々の巨匠を育てました。また、小品を並べたサロン風の演奏会が主流であった当時、現在のような演奏会形式を確立するために尽力しました。そのことについて、名著「二十世紀の名ヴァイオリニスト (ヨーアヒム・ハルトナック著、松本道介訳、白水社、原著は 1973年刊行)」に詳しいので引用します (※ただし、ハルトナックの本ではヨアヒムが 3月 28日生まれと誤って記されています)。

 つまりわれわれは、次のことをよく心得ていなければならないのだ。われわれが五十年らい知っているような演奏会のやり方は、当時考えられなかったということである。プログラムははるかに盛りだくさんで、またそれに中心がなく、色とりどりであった。ベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトの一八〇六年の初演のさいには、第一楽章と第二楽章のあいだに軽食をとることができたし、ソリストのフランツ・クレメント自作のソナタを聞くことができたのである。このソナタは、彼が一本の弦のために作曲したもので、演奏にあたって彼は弦が聴衆にも見えるような姿勢で楽器を持ったのであった。一般的にプログラムは寄せ集めであり、そうしたことが重なる場合の常として、その水準はもっともつまらない部分へと向かっていった。その結果は、サロン用の小品が勝利をおさめたのである。

(略)

モーツァルトを演奏する者は会場がからっぽになることを考えにいれなければならなかったし、バッハを演奏するのは愚か者であった。

ヨーゼフ・ヨーアヒムはこの愚か者のひとりであったが、彼こそは本質的な意味でわれわれの今日の演奏会形式の恩人なのであった。そしてわれわれがこんにちモーツァルトのコンチェルトやバッハのソナタを、あるいはまたベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトあるいはソナタを演奏会場で聞くとき、本来は、一分間、彼のことを思いだすべきなのである。

我々はヨアヒムに感謝しなければいけないんですね。

そんなヨアヒムですが、貴重な録音が残っています。ヨアヒム晩年の演奏で、ボウイングがかなり衰えているのが残念ですが、それでもアゴーギクの付け方とか、伝わるものがあります。100年以上前の巨匠の録音・・・深いです。

・Joseph Joachim plays Brahms Hungarian Dance #1

・Joseph Joachim plays Brahms – Joachim : Hungarian Dance No.2

(参考:過去の当ブログ関連記事)
ビルロート:近代外科学の父「ビルロート」の家にヨアヒムが呼ばれたこともあったようです。
F. A. E.のソナタ:ブラームス、ロベルト・シューマン、ディートリヒが、ヨアヒムの到着を待つ間に各楽章を書いたヴァイオリン・ソナタ。
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ:バッハの無伴奏ソナタにもヨアヒムの録音が残っています。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス弦楽四重奏団:ヨアヒムも所属していたというライプツィヒ・ゲヴァントハウス弦楽四重奏団の元メンバーが、ヨアヒムの逸話を教えてくださいました。
ベトコンのカデンツァ:ヨアヒム版を含む、ヴァイオリン協奏曲 (ベートーヴェン) のカデンツァ聴き比べ。

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ベニーグッドマン

By , 2011年5月30日 9:55 PM

5月 30日はベニーグッドマンの誕生日。有名なジャズクラリネット奏者です。Youtubeでグッドマンが日本の演奏家達とモーツァルトのクラリネット五重奏曲 (通称:クラ五) を演奏する動画を発見しました。

・Benny Goodman In Japan 1957

ベニー・グッドマンは色々クラシックも録音していますが、私は彼がブダペスト弦楽四重奏団と録音したクラ五の CDを持っていて、これまで愛聴していました (The Budapest string quartet: Mozart string quartet No.17/Mozart Clarinet Quintet/ Dovorak String Quartet, Budapest recordings, LAB140, 1996年)。グッドマンは音楽の流れに対する感覚が鋭くて、クラシックを演奏してもやはり超一流だと思います。

上記の動画のテロップを見ると渡邉暁雄が共演しているようです。渡邉暁雄は地元近くの津山市に年一回第九を指揮しに来ており、私も高校生の頃彼の指揮で第九を演奏しています。何か懐かしさを感じました。

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MozART GROUPE

By , 2011年5月27日 7:07 AM

大学時代の後輩タロリンから教えて貰った MozART GROUPE。爆笑の連続ですので、是非御覧ください。

・MozART GROUP Eine Kleine Welt Musik

・MozART GROUP the RACE

・MozART GROUP The Dentist Ave Maria

・MozART group | MERRY CHRISTMAS and a HAPPY NEW YEAR 2010 from the MozART group!

・MozART group – How to impress a woman beeing a musician….mp4

彼らのハイライト集的動画が下記。

MozART GROUP | Official Trailer

他に面白い動画を見つけた方は是非教えて下さい♪

 

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PAgagNINI

By , 2011年5月24日 7:53 AM

Paganiniという歴史的ヴァイオリニストは有名ですが、その名前をもじって「PAgagNINI」という演奏団体があります。名前を見ればわかるとおり、音楽をベースとしたギャグで笑わせます。お薦め動画はパッヘルベルのカノン。是非御覧ください。

・CANON de PAgagNINI en “Le plus grand cabaret du Monde” de TVFrance 2

もう一つ。

・Pagagnini en No disparen al pianista

様々なネタのダイジェスト版もありますので、興味を持った方はどうぞ。

・Pagagnini. Yllana / Ara Malikian (1/2)

・Pagagnini. Yllana / Ara Malikian (2/2)

単なるギャグには留まらなくて、演奏としても洗練されていて、私はこういう演奏家達が大好きです。

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クララ

By , 2011年5月20日 10:10 AM

5月20日はクララ・シューマンの命日です。クララはロベルト・シューマンの妻として知られていますが、一流の演奏家でした。いくつか作曲も残しています。

・クララ・シューマン  スケルツォOp.14 Clara Schumann  Scherzo Nr.2 Op.14

・Clara Schumann – Prelude and Fugue Op.16, No.3

 

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ふるさと

By , 2011年5月15日 10:41 PM

ドルトムントフィルハーモニーオーケストラが、東日本大震災でチャリティーコンサートを行い、そのときの動画を見ることが出来ます。

・「ふるさと」 ドルトムントフィルハーモニーオーケストラ

この曲、ウィーンのホイリゲで、ロマ(ジプシー)の演奏家から「何か弾いてみろ」って言われたときに弾いたなぁ・・・。

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メータ

By , 2011年4月24日 2:15 PM

東北関東大震災被災者支援チャリティー・コンサートがネット配信されています。

東北関東大震災被災者支援チャリティー・コンサート (ネット配信は後日終了)

指揮はズビン・メータで、曲は「G線上のアリア (Bach)」「交響曲第九番 (Beethoven)」です。

動画から、演奏家達が自分たちにとって出来る精一杯のことを尽くしている様子が伝わってきました。メータの表情も、必死で悲しみを堪えて前に進もうとしているかのようでした。感動的な演奏で、何度も鑑賞しました。

放射線への危惧から、来日を取りやめる外国人が多い中、演奏家としての使命感を持って、タクトを振ってくださったメータに、感謝の意を伝えたいです。彼の挨拶にある「この偉大な国、日本を襲った未曾有の悲劇の後に、何かこの国の素晴らしい人々を助けられることがないかと考えておりました」という言葉から彼の人柄を感じました。

プロフィールを見ていると、メータは一時医学を志したことがあるそうですね。余談ですが、そのことでも少し親近感が湧きました。

 指揮:ズービン・メータ Conductor: Zubin Mehta

1936年、ボンベイに生まれる。有名なコンサート・ヴァイオリニストでボンベイ交響楽団の創立者でもあった父、メーリ・メータより最初に音楽の手ほどきを受けた。ほんの短期間ボンベイで医学部進学課程に籍をおいたものの、(略)

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弦が切れたとき

By , 2011年4月23日 11:10 AM

4月22日はラロの命日でした。ラロの「スペイン交響曲」は、小学生の頃発表会で演奏した思い出の曲です。まぁ、弾くのと弾けているのは違うのであって、あくまで「弾いた」だけです。ラロのヴァイオリン協奏曲第1番と、2番「スペイン交響曲」を初演したのはかの有名なサラサーテというのは知られた話です。

Youtubeでラロの「スペイン交響曲」を鑑賞していたら、面白い動画に出会いました。事件が起こったのは最後の動画ですが、せっかく良い曲なので、全曲通して聴いてみてください。

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モーツァルトを「造った」男 ケッヘルと同時代のウィーン

By , 2011年4月16日 9:55 AM

「モーツァルトを『造った』男 ケッヘルと同時代のウィーン (小宮正安著、講談社現代新書)」を読み終えました。モーツァルトを「造った」という表現がタイトルにありますが、モーツァルトが生きた時代にはモーツァルトよりハイドンの方が有名であり、モーツァルトは様々な政治的な要因があり、後世ウィーンの音楽の象徴となった訳です。もちろん音楽自体のすばらしさは言うまでもありませんが、ケッヘルがモーツァルトの楽譜を集め、散逸を防ぎ、ほとんどの作品を網羅した目録を作り上げていなければ、今日ここまでモーツァルトの楽曲は耳に出来なかったかもしれません。モーツァルトがいかにして今日の姿に造られたかは、是非本書を読んで頂ければと思います。

音楽の勉強をしていると、「時代背景を勉強しなさい」と言われますが、本書を読んでモーツァルトやケッヘルの置かれた時代の流れがとても勉強になりました。特にウィーン旅行を考えている方には、是非読んで頂きたい一冊です。

以下、備忘録。

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Happy birthday songs

By , 2011年4月16日 9:55 AM

以前、Happy birthday songの動画をいくつか紹介しました。Violin演奏で、超絶技巧を散りばめた Happy birthday songを見つけたので紹介します。

・Happy Birthday Violin Variations — Rachel Barton Pine

凄い技巧的な曲ですね。途中はパガニーニを聴いているようでした。それにしてもヴァイオリニストが上手です。

下の動画はおまけ。

・Happy Birthday / Chamber Orchestra Kremlin

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