東北関東大震災被災者支援チャリティー・コンサートがネット配信されています。
東北関東大震災被災者支援チャリティー・コンサート (ネット配信は後日終了)
指揮はズビン・メータで、曲は「G線上のアリア (Bach)」「交響曲第九番 (Beethoven)」です。
動画から、演奏家達が自分たちにとって出来る精一杯のことを尽くしている様子が伝わってきました。メータの表情も、必死で悲しみを堪えて前に進もうとしているかのようでした。感動的な演奏で、何度も鑑賞しました。
放射線への危惧から、来日を取りやめる外国人が多い中、演奏家としての使命感を持って、タクトを振ってくださったメータに、感謝の意を伝えたいです。彼の挨拶にある「この偉大な国、日本を襲った未曾有の悲劇の後に、何かこの国の素晴らしい人々を助けられることがないかと考えておりました」という言葉から彼の人柄を感じました。
プロフィールを見ていると、メータは一時医学を志したことがあるそうですね。余談ですが、そのことでも少し親近感が湧きました。
1936年、ボンベイに生まれる。有名なコンサート・ヴァイオリニストでボンベイ交響楽団の創立者でもあった父、メーリ・メータより最初に音楽の手ほどきを受けた。ほんの短期間ボンベイで医学部進学課程に籍をおいたものの、(略)
4月22日はラロの命日でした。ラロの「スペイン交響曲」は、小学生の頃発表会で演奏した思い出の曲です。まぁ、弾くのと弾けているのは違うのであって、あくまで「弾いた」だけです。ラロのヴァイオリン協奏曲第1番と、2番「スペイン交響曲」を初演したのはかの有名なサラサーテというのは知られた話です。
Youtubeでラロの「スペイン交響曲」を鑑賞していたら、面白い動画に出会いました。事件が起こったのは最後の動画ですが、せっかく良い曲なので、全曲通して聴いてみてください。
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「モーツァルトを『造った』男 ケッヘルと同時代のウィーン (小宮正安著、講談社現代新書)」を読み終えました。モーツァルトを「造った」という表現がタイトルにありますが、モーツァルトが生きた時代にはモーツァルトよりハイドンの方が有名であり、モーツァルトは様々な政治的な要因があり、後世ウィーンの音楽の象徴となった訳です。もちろん音楽自体のすばらしさは言うまでもありませんが、ケッヘルがモーツァルトの楽譜を集め、散逸を防ぎ、ほとんどの作品を網羅した目録を作り上げていなければ、今日ここまでモーツァルトの楽曲は耳に出来なかったかもしれません。モーツァルトがいかにして今日の姿に造られたかは、是非本書を読んで頂ければと思います。
音楽の勉強をしていると、「時代背景を勉強しなさい」と言われますが、本書を読んでモーツァルトやケッヘルの置かれた時代の流れがとても勉強になりました。特にウィーン旅行を考えている方には、是非読んで頂きたい一冊です。
以下、備忘録。
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以前、Happy birthday songの動画をいくつか紹介しました。Violin演奏で、超絶技巧を散りばめた Happy birthday songを見つけたので紹介します。
・Happy Birthday Violin Variations — Rachel Barton Pine
凄い技巧的な曲ですね。途中はパガニーニを聴いているようでした。それにしてもヴァイオリニストが上手です。
下の動画はおまけ。
・Happy Birthday / Chamber Orchestra Kremlin
3月21日は J.S.Bachの誕生日です。震災から 10日後ということなので、落ち着いた雰囲気の曲を紹介します。
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「NYフィル・イン・平壌」の Blu-ray discを見ました。ロリン・マゼール率いるニューヨーク・フィルが平壌で行った公演を録音したもので、付録のドキュメンタリー (1時間) が素晴らしかったです。
ドキュメンタリーは、北朝鮮の窮状をありのままに伝えています。燃料がなくて、街は真っ暗で、車も走っていないのですが、マゼール達を迎えたホテルには明かりが煌々と灯り、国を挙げて虚勢を張っているように見えました。
映像の中で、北朝鮮の人たちは表情が硬く、建前論でしか発言しませんが、演奏会が終わった後は雰囲気が一変し、見たこともない笑顔で振る舞っていました。気持ちが伝わるというのは、こういうことなんだなと思いました。音楽はやはり特別の力を持った、共通の言語なのですね。
3月 7日、知人の演奏会に行ってきました。この duoは、年 1回の活動で、今回が 2回目らしいです。
Duo Dher Cher
2011年 3月 7日 大泉学園ゆめりあホール
Violoncello: 横山桂
Piano: 武田麻里江
1. 親愛なる言葉 (ガスパール・カサド)
2. スペイン民謡組曲 (マヌエル・デ・ファリャ, マレシャル編曲)
3. イタリア組曲より (イーゴル・ストラヴィンスキー)
4. チェロソナタ 作品 19 (セルゲイ・ラフマニノフ)
久しぶりの演奏会で楽しかったです。チェロの方は特にラフマニノフのソナタの歌い方が上手でした。ピアノも、響きが綺麗だし解釈も素晴らしくて、非の打ち所がない演奏でした。
そして、演奏もさることなら、チェロの方のトークに会場爆笑でした。
数年ぶりに楽器の調整に行ってきました。東邦音大の近くの「Tiento」という工房です。
楽器は 1ヶ月に数度しか触っていなかったのですが、調整していなかった期間が長かったからか、顎当てを外すと裏板が 1/5くらい剥がれていて、崩壊寸前でした。駒も歪んで倒れかけていたので新調して貰いました。調整して響きが格段に良くなった筈ですので、時間を作ってまた弾きたいです。
工房では、工房主の方と話が弾みました。
①私が Genoaでパガニーニが弾いた名器「Canon」を見てきたと伝えると、工房主の方はその楽器を「何度も手に取ったことがある」と。
②私が求めている、医師「Kresnik」の作った楽器。Kresnikは戦争中、爆撃で死んでおり、その際に楽器も大量に失われた可能性が高い。こうしたマイナーな職人の楽器は domesticな範囲でのみ流通しており、外には存在が知られていないことが多い。また、値段が付かないくらい安いだろう。私がクロアチアに買い付けに行ったら、多分中国製楽器にラベルだけ貼り替えて売られるのがオチ。
③アマティの息子に従軍医がいた。楽器制作に薬品を扱っていたからかも知れない。しかし、彼の製作した楽器は残存していない。
④昔の楽器職人は、それだけでは生計が立てられないことが多かったので、画家とか他に職業を持っていて、副業として作ることが多かった。
他に作曲家と病気の話、「脳と音楽 (岩田誠著)」に出ていたバッハの墓所発掘の話、楽器製作で有名なクレモナやミッテンバルトの話・・・などなど、色々話し込みました。久しぶりに音楽の話が語れて、楽しかったです。
昨日、1月27日はモーツァルトの誕生日でした。
モーツァルトの曲でお気に入りの動画を紹介します。あまり有名な曲ではありませんが、愛らしい曲です。モーツァルトらしさがよく出ていますね。
さらに、演奏は早世の名ヴァイオリニストオレグ・カガンで、貴重な映像だと思います。ご堪能ください。
・Mozart Duo for Violin & Viola in G major Rondo
映画「僕のピアノコンチェルト」の DVDを見ました。
僕のピアノコンチェルト
タイトルにピアノコンチェルトとはついていますが、あまり音楽映画という感じではありません。ある少年の成長と内面的な葛藤を描いています。IQが測定不能なくらい高く、ピアノの才能にも恵まれた少年が思春期を迎えます。彼が恋したのはかつての自分のベビーシッター。さらに祖父との関係の結末が映画を切ないものにします。見た目の派手さはありませんが、所々軽いスパイスが利いていて、悪くない映画でした。