パッサカリア
ヘンデルのパッサカリア。ハルヴォオルセンが編曲し、ヴァイオリンとビオラ、ないしヴァイオリンとチェロで良く演奏されます。
・HANDEL – Passacaglia -Perlman e Zukerman
Twitterで tinouye氏から素晴らしい動画を教えて頂きました。これは凄いとしか言いようがない。
・The Impossible Duet: Handel-Halvorsen Passacaglia for Cello and Violin
ヘンデルのパッサカリア。ハルヴォオルセンが編曲し、ヴァイオリンとビオラ、ないしヴァイオリンとチェロで良く演奏されます。
・HANDEL – Passacaglia -Perlman e Zukerman
Twitterで tinouye氏から素晴らしい動画を教えて頂きました。これは凄いとしか言いようがない。
・The Impossible Duet: Handel-Halvorsen Passacaglia for Cello and Violin
マラン・マレー (1656-1728) に「膀胱結石手術図」という曲があります。知る人ぞ知る作品です。
マレーの時代は、膀胱結石手術の治療成績は悪かったらしく、手術はかなりの割合で死を意味しました。抗菌薬や無菌法もなかった時代です。麻酔も行われていなかった筈です。
「膀胱結石手術 -バロック期の標題音楽集 (WPCS-5989)」 という CDをアーノンクールが出しており、そこにこの曲は収録されています。ライナー・ノーツに語り手の台詞の日本語訳がありますので紹介しておきます。
Le Tableau de I’Operation de la Taille
[index I]
手術の様子
それを見て震える
手術台に登ろうと決心する
手術台の上まで行き
降りてくる
真剣に反省
腕と足の間に
絹糸が巻きつけられる
いよいよ切開
鉗子を挿入する
石が取り出される
声も出ない
血が流れる
絹糸がはずされる
寝台に移される[Index 2]
快癒 (陽気に)[index 3]
その続き
この曲は Youtubeで演奏を聴くことができます。
・Le Tableau de l’Opération de la Taille
・Marais – Le Tableau de l’Opération de la Taille
いかにもおどろおどろしい曲で、手術が成功に終わってもあまり明るさはありません。どちらかというと安堵感の方が表現されていると思います。
ちなみに上記の CDには、他に「常軌を逸したカルパッチョ (ファリーナ)」「フェンシング指南 (シュメルツァー)」「描写的なヴァイオリン・ソナタ (ビーバー)」「協奏曲 <夜> (ヴィヴァルディ)」が収録されています。
特に「常軌を逸したカルパッチョカプリッチョ」は面白い曲なので寄り道して紹介しておきます。この曲は動物の鳴き声を楽器で模倣するなど一見やりたい放題です。しかし音楽史上に残る貢献をいくつもしているんですね。まず、コル・レーニョという奏法で、弦を弓の木の部分で叩くテクニックはこの曲で初めて登場します。曲中の指示は「qui si batte con il legno del archetto」となっているようです。また、ヴァイオリン奏者が楽器の駒の近くを弓で弾く「ポンティチェッロ」もこの曲で初めて用いられました。
ヴィヴァルディの「夜」もお薦めです。良かったら聴いてみてください。
(2016.8.15)
動画リンクが上手く表示されなかったので貼り替えました
もう何年も前にブームになったヴァイオリニスト、ロビー・ラカトシュ。ロマ音楽 (ジプシー音楽) で有名な人物です。ジプシーという呼び方は日本でも流浪の民といったイメージで広く認識されていますが、差別用語であるとの意見もあり、最近ではロマと呼ばれることが多いようです。
ロマ音楽家は代々子に曲を伝えていきます。したがって、同じ曲でも家によって、あるいは演奏家によって全然アレンジが違うのが面白いところです。また、即興性も重視されますので、同じ演奏家でもその時毎に演奏が違ったりします。
ロビー・ラカトシュはロマ音楽の名家に生まれました。彼の祖先はベートーヴェンの前で演奏したこともあるといいます。彼はロマ音楽のみならずクラシックヴァイオリンも勉強し、ブダペスト音楽院に通いました。クラシック音楽でのコンクール受賞歴もあります。更に、彼はジャズを勉強しました。彼の優れた即興性は一つの魅力ですが、ジャズで培ったものも多分にあると思います。
ラカトシュはNHKでも特集されたことがあり、そのときは「だんご三兄弟」をアレンジして好評を博しました。また、津軽三味線の木下伸一氏と即興を行い、意気投合して「遭遇」というタイトルの CDにもなりました。
Youtubeにいくつか動画がアップされています。
・Roby Lakatos – Hejre Kati from the album Fire Dance
私のヴァイオリンの師の友人がブリュッセルの飲み屋で変な髭のおっさんの演奏を聴き、「誰だこいつ?無茶苦茶上手いし」と思っていたら、後でラカトシュだと知ったという逸話がありますので紹介しておきます。
前回の「ベトコンのカデンツァ」が好評だったので番外編。
ベートーヴェンの勝手解説全集に紹介されていましたが、著作権が切れた古い楽譜を無料で掲載しているサイトがあります。ベートーヴェンの作品は全て著作権がきれている筈なので、数多く収録されています。
Category:Beethoven, Ludwig van
さらにリンクをたどると、ヴァイオリン協奏曲の項もあります。
Violin Concerto, Op.61 (Beethoven, Ludwig van)
何とヴァイオリン協奏曲は全楽章、スコアとパート譜が載っています。しかも・・・カデンツァも載っているのです。ただし、著作権の関係か、新しいカデンツァは掲載されていません。しかし、現在ではなかなか手に入らなくなった昔の作曲家達(多くはヴァイオリンスト)によるものが掲載されています。作曲者達の名前を挙げれば、アウアー、プゾーニ、ヘルメスベルガー、フバイ、サン・サーンス、ヴュータン、ウィルヘルミなど錚々たるメンバー。昔、なにかのインタビューで「その日の気分でどのカデンツァを弾くか決めているよ」という超格好良いヴァイオリニストを見たことがありますが、上記のカデンツァをいくつか練習すれば、そんな台詞吐けるようになるかも。
さあ、普段とはちょっと違ったカデンツァをさらってみましょう!(上手に弾けるようになった方は是非聴かせてください)
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、略してベトコン?ヴァイオリン協奏曲の場合、メンデルスゾーンをメンコン、チャイコフスキーをチャイコンとは言いますが、ベトコンとはあまり言いませんね。語感の問題でしょうか。ショスタコーヴィチをショタ・・・もうやめましょう (^^;
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァが今回の話題です。カデンツァはソリストによる腕の見せ所で、特に指示がなければ自分で作曲して演奏することも可能です。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲には、ベートーヴェン自身が作曲したものがありませんので、何人もの作曲家が代わりに作曲しています。自分で作曲しない演奏家はこれらの中から好きなカデンツァを選んで演奏することができます(一方で、メンデルスゾーンやチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は作曲者自身がカデンツァを書いています)。
有名どころではヨアヒム、クライスラーといったヴァイオリンの巨匠が作曲したもので、これらを演奏するのがポピュラーです。多く演奏されるだけあって、このコンチェルトに非常にマッチしており、音楽的です。技巧を誇示するという面でも嫌みがありません。ハイフェッツのものは、ハイフェッツによるこの曲の録音が有名であるが故に有名になりました。その他、私は名も知らぬ作曲家のカデンツァを旅行先の楽譜屋で購入したことがあります。
このヴァイオリン協奏曲は面白いことに、ピアノ協奏曲に編曲され、こちらにはベートーヴェン自身によるカデンツァが書かれています。最近は、これを元にしたカデンツァを弾くのも一種のブーム。確か、ギドン・クレーメルやクリスティアン・テツラフが録音したように記憶しています。
Youtubeでいくつかカデンツァを探してみました。以下紹介します (ただ、ベートーヴェンが作曲したピアノ版のカデンツァは残念ながら見つけることができませんでした)。
Continue reading 'ベトコンのカデンツァ'»
Gewandhaus-quartett Leipzig による「Beethoven Streichquartett Op. 59, “Rasmouwsky”」の CD (VICC-60619~20) を聴きました。1977年に坂戸文化会館で行われた録音です。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス弦楽四重奏団は何度か団員が変わっていますが、1977年のこの録音では、ゲルハルト・ボッセ (Vn.1)、ギュンター・グラス(Vn.2)、ディートマル・ハルマン(Va)、ユルンヤコブ・ティム(Vc)といったメンバーです。一時、カール・ズスケなんかも所属していましたね。
実際に聴いてみると、味わいのある良い録音でした。人が四人集まった温かみを凄く感じることができました。一方、解釈ではっとさせられるところもあったりして。
先日、奇遇なことに、この第一ヴァイオリンのボッセさんと会うことができました (Wikipediaで経歴みると、凄い方ですね)。すると、彼は色々面白い話を教えてくださいました。
まず「一番好きな曲は?」と聞かれたので、私が「弦楽四重奏曲第15番第3楽章です」と答えると、ボッセさんは「それはねぇ、トーマス・マンの前で弾いたとき、『アンコール何が良い?』って聞いたら、彼が答えた曲だよ」と教えてくださいました。
つづけて、「面白い逸話があってね」とボッセさんは続けました。「ヨアヒムの最後の弟子がコンサートのある街に急いでいたんだけど、嵐で遅れることになってしまった。そこで電話したんだ。翌日のコンサートの曲目を伝えるためにね。彼が『Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart. (リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌)』って言ったら、電話の音が悪かったようで、相手が聞き間違えてしまったの。コンサートの案内には『中国の歌、ユダヤ風に (ボッセさんが実際にドイツ語で発音してくださいました)』って載ってしまって (爆笑)」
彼の口からでる言葉に、生きた歴史に触れた心地がして、胸がいっぱいになりました。
あとで調べて知ったのですが、ヨアヒムもゲヴァントハウス室内管弦楽団に属していたことがあったのですね。こうした音楽家と触れ合えるなんて、音楽好き冥利に尽きます。
Wikipediaによると 3月14日はテレマン、ヨハン・シュトラウス、アインシュタインらの誕生日らしいです。。
そこで、ギドン・クレーメル演奏の Happy birthday variationsを紹介したいと思います。おなじみのメロディーがこんなにも魅惑的になります。
・Happy Birthday Variations
先日誕生日を迎えた「しゃんでりあの君」にもこの曲を送ります(って、私の曲じゃないけど)。
今日は昼間、酔っぱらって Twitterでいろいろ呟いていました (ちなみにユーザー名は migunosukeです)。
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ・パルティータの話題になったとき、シャコンヌの88小節目が自筆譜では 3度低く書かれていることを私が指摘したのです。
そうすると、「tinouye」さんという方が、間違いを指摘してくださいました。
その部分の前のト音記号が3度下にかかれていて、「フレンチ記号」というのだそうです。その場合、普通のト音記号より3度高く演奏するのだと。音域が高くて楽譜が書きにくいときのテクニックらしいです。
いやー、「何でバッハの自筆譜と録音が違うのだろう??」とずっと思っていて、なおかつ勘違いしていたのが解決して良かったです。
Twitterって、デマが広まりやすい可能性が指摘されていますが、逆に知っている方に訂正して頂ける可能性がありますね。
教えて頂いた方、感謝感謝です。
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