Category: 将棋
JRA-VAN
「JRA-VAN」というサイトに、渡辺明竜王のインタビューが載っています。渡辺竜王は競馬好きで、一口馬主になっているようです。自身のブログにも、時々愛馬のことが書いてあります。
-私の競馬はちょっと新しい-第8回 日本将棋連盟棋士 渡辺明さん
将棋指しのプライベートが少し見えて、楽しかったです。それにしても、ゲームをしていて競馬を始めることになったとは、現代っ子っぽいです。
竜王戦挑決トーナメント
7月 21日に第22期竜王戦挑戦者決勝トーナメントで、羽生名人対片上六段戦が行われました。
戦型は角換わり相腰掛け銀。とはいっても、有名な木村定跡ではなく、先手7九玉型のまま 4→ 3→ 2筋の歩を切っていく戦いとなりました。よく見られる、7, 1筋の突き捨ては行われませんでした。
難解な中盤戦が続き、先手が先に打った角が働くか、後手 5五 (ないしは 4四、2二) 角の筋をどう受けるか、などが見所でしたが、最後に先手 7九桂の素晴らしい受けがあり、羽生名人が制勝しました。
プロでは珍しいことに、片上六段は詰むまで指しました。悔しさを忘れないように、などという気持ちがあるときに、このようなことがあると聞いたことがあります。一般的には、「棋譜を汚す」と言われて避けられるので、稀なことです。
今回の将棋は、解説が面白かったです。それも将棋の解説の合間になされる、食事の解説。抜粋してみます。
モニターに塾生が昼食の注文を取りに来る姿が映った。羽生は、ほそ島やのメニューを見て右下のあたりを指差した。たしかあそこは冷やし系のポジション。
片上は羽生が選んでいる間に千円札を取り出して待っている。どうやら、みろく庵の左側。冷やしスタミナ、鴨せいろのあたりに狙いを付けたようだ。(略)
両者の昼食の注文は、羽生が山菜そば(ほそ島や)。片上が冷やしスタミナうどん(みろく庵)。
羽生は確かに冷やし系の部分を指差していたのだが、口では違うものを注文をしていたようだ。羽生おそるべし。(略)
夕食の注文は、羽生がにぎり寿司の中。片上は肉豆腐定食の味噌汁抜き。
片上の注文は渡辺竜王が考案した新手筋で、「肉豆腐が汁ものなので、味噌汁を付けるのは指し過ぎ」というコメントが残されている。(みろく庵の肉豆腐は、ミニすき焼きのような感じ)。
マイナビ女子オープン
以前、出産で日程が変更になった女流タイトル戦についてお伝えしました。その対局が、6月 18日に行われました。
割と直線的な将棋になりました。岩根忍二段が優勢と解説されましたが、徐々に差が縮まり、矢内理絵子女王の逆転勝ち。岩根二段は出産後の対局を白星で飾れず残念でした。とはいっても、ブランクを感じさせない対局でした。
マイナビ女子オープンといえば、昨年のある対局を思い出します。
18手目に後手5四歩とうっかり。金をタダで取られた上、龍まで作られてしまいました。まるで、自分の将棋を見ているかのようでした。タイトル戦でこんなポカが発生するとは・・・。本人にはトラウマになりそうです。
旅籠屋
将棋のタイトル戦が行われた宿を集めたブログを見つけました。
こうした旅館に行って、温泉に使って、ヘボ将棋でも打てたらなぁ・・・なんて思います。将棋の場合は相手が必要になってくるので、なかなか簡単にはいかない訳なのですが、いつか行ってみたいです。
妊娠出産のタイミング
将棋の女流タイトル戦が対局者の出産のため延期となりました。女流棋士ならではですね。
第2期マイナビ女子オープン五番勝負第1局の延期および倉敷対局中止のご報告
更新: 2009年4月14日 19:25
株式会社 毎日コミュニケーションズ、社団法人日本将棋連盟、一般社団法人日本女子プロ将棋協会(LPSA)の三者で共催する女流公式棋戦「第2 期 マイナビ女子オープン」の五番勝負倉敷対局(第1局)として4月17日(金)、岡山県・倉敷市芸文館にて開催を予定しておりましたが、挑戦者 岩根忍女流二段(28歳)の出産予定日が当初より2週間ほど早まり4月21日となりましたことから、岩根女流二段の体調を考慮し、第1局の延期および倉敷での対局を中止することになりましたのでご報告いたします。
本日、岩根女流二段から、「主治医との相談の上、出産日を4月21日に変更することになった」という報告を受け、主催者3 者で倉敷対局での中止を協議、アルスくらしき(倉敷市文化振興財団)の理解と両対局者の同意を得て、正式に倉敷対局を中止することを決定いたしました。第1局は岩根女流二段の出産後、8週間以上の期間をあけての対局となります。
主催者コメントは以下になります。
「出産予定日が当初より早まったことを受け、岩根女流二段には安心して出産できる環境を整えることが最も重要だと判断し、中止の決定をいたしました。今般の変更に伴い、矢内女王には、第1局の対局延期の申し入れに際して、ご快諾いただけましたことを心より感謝いたしております。また、ファンの皆様、関係者の皆様にも直前の延期でご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解をいただけますようお願い申し上げます。」
昔、一緒にカルテットを組んでいたチェロの方が、連絡取れないと思ったら妊娠してました (私の子供じゃないです)。身重のまま医師国家試験を受診し、直後に出産したと聞きました。妊娠のタイミングというのは難しいですね。ただ、今回の第 2期マイナビ女子オープンのように、主催者側の理解が得られたのは良かったことだと思います。でも、8週間以上経って対局があった場合、子供はどうするんでしょう?預けるのか対局に連れてくるのか気になるところです。今後の経緯を注目したいです。
現在、後輩医師が 2人同時に妊娠し、その分の人手が手薄になっています。そのせいか、もう 1人の女医が気を遣って妊娠のタイミングを待っているなんて噂を聞きました。デリケートな問題です。
後手番
将棋で、ついに後手勝率が先手勝率を上回ったらしいです。
<将棋>初めて「後手」勝ち越し 08年度公式戦
3月30日23時1分配信 毎日新聞
将棋の2008年度の公式戦は、後手番が勝ち越した。日本将棋連盟が1967年度に統計を取り始めて以来、初めてのケース。主導権を取りやすい先手番が少し有利という状況が40年余り続いてきたが、この1年は逆の結果が出た。
08年度の公式戦は30日までに2339局あり、後手番の1175勝1164敗(勝率5割2厘)。31日には1局しかなく、勝ち越しが確定した。これまで後手番の勝率は68年度の4割9分5厘が最高、04年度の4割4分6厘が最低だった。
羽生善治名人は「角道を止めないゴキゲン中飛車など、近年は後手番の作戦の幅が広がった。棋士が序盤で工夫を重ねてきたことが勝率アップにつながったのでは」と話している。【山村英樹】
近年、後手番の有力な作戦が次々と登場しましたので、先手番の対策が追いついていない面があると思います。後手番が努力して勝率 5割 2厘程度ですので、先手番の対策が確立すれば、再び後手受難の時代が来そうです。
本当に強い人は、先手後手どちらでも強いのですが、プロの世界では僅かな差が勝ち負けにつながりますので、先手になるか後手になるかはかなり重要です。
やっている方は大変でしょうが、見ている側としては、プロが苦労しながら色々な作戦を編み出していくのを見るのは楽しいものです。