Category: 旅行

北海道旅行

By , 2010年5月24日 10:06 AM

5月 21~23日に北海道旅行に行ってきました♪

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松本旅行

By , 2010年5月2日 12:01 PM

4月 29, 30日と連休で、「どっか出掛けたいな~」と Twitterで呟いていたら、しゃんでりあの君から松本の浅間温泉を勧められました。

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2009年ドイツ旅行12

By , 2009年10月7日 6:39 AM

9月9日 (水)

いよいよ帰国する日だ。

朝食は日本食も用意してあり、みそ汁、生卵、鮭など。外国人にも人気があるようで、洋食を選ばず和食に並んでいる外国人も見かけた。米はタイ米ではあったが、それほど気にならなかった。鮭はヨーロッパで食べるときはいつも生臭さを感じるのだが、香ばしく焼き上げ、塩味をつけてあったからか、日本で食べる鮭とほとんど変わらなかった。嬉しいことにシャンパンも置いてあり、遠慮無く頂いた。今回の旅行で最も美味しい朝食だった。

チェックアウトする際、英語でのやり取りだったが、私が「Envelope.」という単語を聞き取れなかったとき、「封筒はいかがですか?」と日本語で答えられた。日本人の旅行客が多いからかも知れないが、こんな難しい日本語を話されるとなんだか嬉しくなる。ポーターさんも、日本語で「どうもありがとうございます」なんて挨拶してくれた。

フランクフルト空港に着いてからは、かなり時間が余ったので、バーでグラーシュスープとアップルワインを飲みながら、「ビール職人、美味しいビールを語る (山田一巳、古瀬和谷著、光文社新書)」を読んだ。非常に読みやすい本で、内容も面白く、あっという間に読み終えた所で、飛行機に乗り込んだ。学会の準備は全然出来なかったけど、まぁ、こういうのは追いつめられないとダメなものだ。

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2009年ドイツ旅行11

By , 2009年9月29日 6:40 AM

9月8日 (火)

楽しかった旅行も残り僅かだ。このホテルは 3泊目になるが、未だにシャワーのお湯の出し方がわからず、10分くらい試行錯誤を繰り返す。「脳を鍛えるホテル」とでも名づけようか。シャワーが終わるとすぐにチェックアウト。受付の女性の雰囲気が実に良い。

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2009年ドイツ旅行10

By , 2009年9月21日 12:52 PM

9月7日(月) ~その2~

そろそろ観光でもしようかと思って、ホーフガルテンの建物に隣接するレジデンツに入ってみたら滅茶苦茶広かった。中を普通に歩くだけで 1~2 kmはある。美術品などがたくさん並んでいて、これだけでお腹一杯になりそうだ。さっさと歩いて、おおよその雰囲気だけ味わって外に出た。

マクシミリアン通りを下り、イーザル川にぶつかると、川向こうにマクシミリアノイム (州議会) が見える。川を渡らずに右手に折れ、河水浴を楽しむ女性で目の保養をしつつ歩くと、ドイツ博物館がある。ここは圧巻だ。テーマ毎に展示物があるが、まずテーマが広い。テーマは例えば、船舶、飛行機、自動車、薬学、化学、音楽、天文学、時間・・・。多すぎて列挙しきれない。一つ一つも充実していて、例えば飛行機の展示だけで数十機。船舶も木を縒った昔の船から新しい船まで。薬学のコーナーではピルの展示やエイズに関する展示もあった。本当に何でもアリなのだ。何も見ずに一周するだけで2時間近くかかる、圧倒的な展示である。ここを訪れるときは、一日用意しても良いくらいだと思う。

夕食はホーフブロイハウスで。ここは1589年に王宮の敷地内にヴィッテルスバッハ王家の醸造所として造られたそうで、過去にはモーツァルトやエリーザベト、レーニンらも訪れたらしい。さらに、1920年に、ヒトラーがナチス党 NSDAPの結成集会を開いたのも、ここだったという (「地球の歩き方 ’09~’10」ダイヤモンド社)。雰囲気を楽しみながら、シュニッツェルとビールを注文。ビールは 1Lで、ピッチャーのようなジョッキが出てきてビックリ。ここのシュニッツェルは絶品だ。バンド演奏も楽しめた。一杯でかなり出来上がって店を出たが、一人でなければ、相手と上機嫌に遅くまで語り合ったことだろう。

近くにラーメン屋があったが、ラーメンは数日後日本で食べるとして、ヴァイセス・ブロイハウスへ。ここは Schneider Weisseという、小麦ビールで有名だ。小麦を使った分、パンのような香ばしさがある。味の複雑さだけをとると、普通のビールより上だと思う。ビール造りに小麦をやめて大麦を使うようになったのは、小麦はパン用とする考え方があったからと本で読んだことがある。今日2件目で、お腹がいっぱいだったので、ビール一杯しか飲めなかったのが残念だった。

いい加減酔っぱらったので、ホテルに戻ってさっさと寝ることにした。しかし、向かいの部屋から「キャー」という女性の悲鳴。助けに行かなければと思って、服を着て、ドアを開けた。しかし、続けて女性の甘い声。「もぅ、やだぁ~ (はーと)」と聞こえ、日本人カップルと判明。紛らわしい。

このホテルの壁がどれだけ薄いか多分理解していないのか、「キャー」「もぅ~、嫌だったらぁ~ (はーと)」はしばらく続いた。日本人女性も海外だと開放的な気分になるのかもしれないが、開放的になるのは、壁の厚いホテルにした方が良い。でないと、近くで悶々としてその声を聞く男性の睡眠を妨げることになるのだから。

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2009年ドイツ旅行9

By , 2009年9月20日 1:34 PM

9月7日(月) ~その1~

ミュンヘン散策に与えられた一日。ただ、残念なことに、ドイツでは多くの博物館・美術館は月曜日が休日になっているので、訪れることが出来る施設が限られる。

現に、美術館「アルテ・ピナコテーク (Alte = old)」「ノイエ・ピナコテーク (Neue = new)」「モダン・ピナコテーク」はいずれも見学することは出来なかった。古い時代の作品から現代芸術まで楽しめる美術館だと思っていたのだが、残念。まぁ、今後また訪れる機会もあるだろう。

数口しか食べない朝食を終えると、カールス広場に出た。カールス広場から駅の方向を向いて、Sonnen通りを左手に少し歩くと、健康用品店がある。一階はスポーツも多いのだが、二階は女性ものの下着と介護用品で埋め尽くされている。階段付近は女性の下着コーナーなのでなるべく見ないように通り抜け、奥に行くと介護用品の数々。トイレの便座だとか、様々な種類の車椅子だとか、介護用の風呂だとか、本当に何でもだ。レジのところで「神経内科医なのですが、ハンマーください」と言ったら、「Reflex hammer, oh yes.」と数種類見せてくれた。私が全種類欲しいというと、俄には信じがたい様子で、目を見開いた。他にペンライトを買って、全部で 200 Euroくらい。各国の診察道具を比較するのも楽しいので、大きな出費だが仕方がない。

少し重くなった鞄を手に、フラウエン教会となりの公園へ。そこで読書を楽しむ。1時間くらい木陰で読書をしたが、吹く風はやや冷たく、肌寒かった。子供とサッカーする母親や、芝生で昼寝する人たちを眺めていると、時々教会の綺麗な鐘の音、遠くから縦笛を練習する音などが聞こえてきた。非日常的な時間を得られるのが旅の醍醐味だ。

寒くなってきたので、レジデンツ北の公園「ホーフガルテン」に場所を変えて再び読書。ホーフガルテンの中心にある建物 (天井はあるが壁はない) では、ヴァイオリンを弾いている若者がいて、バッハの無伴奏やモーツァルトのコンチェルトなど、なかなか上手だった。音程が良くて、音も綺麗だ。惜しむらくは拍感がないこと。そのため、まぁ、二流という評価だ。

ヴァイオリンを聴きながら読書をしていると、昼を過ぎてしまった。公園の隣に机と椅子がたくさんならんでいて食事が出来るようになっていたので、リゾットとワインを頂いた。

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2009年ドイツ旅行8

By , 2009年9月19日 7:48 AM

9月6日(日) ~その2~

タクシーで山中を走る間、酔いも手伝って、最高に多幸的な気分になった。山の中に開けた牧場の合間を颯爽と走り抜ける。牧場に放たれた牛、馬、羊。詩の一つでも浮かびそうなものだ。タクシーは山を 3つばかり越え、ミッテンバルトに着いた。おそらく 10 kmくらいあっただろう。歩こうと無謀な決心をしなくて良かったと思った。途中で分かれ道もあったことだし、ドイツの山奥で迷子というシャレにならない事態だってあったかもしれない。

ミッテンバルトでは、楽器博物館に入った。ミッテンバルトはヴァイオリン製作の街として有名だが、創始者のマティアス・クロツから始まる一族の楽器と、製作に使う道具などが展示されていた。規模はクレモナの楽器博物館に及ぶべくもないが、こぢんまりとした良い博物館だった。

山々を眺めた後、ミッテンバルト駅に行き、時刻表をチェックした。ミュンヘン行きは、1時間くらい待つことになりそうだ。しかも、来たときのことを考えると、必ずこの駅にとまるとはどうして言えようか?私しかホームにいない現状では、停まらない可能性も十分考えられる。

どうやってミュンヘンに戻るか考えていると、近くにいたおばさんが話しかけてきた。「どこに行くの?」と言われたので、「ミュンヘン」と答えると、発音が悪く通じなかったようだ。ミュンヘンからの往復の切符を見せると、「これ以上払わなくて良いわよ」といって、「付いてらっしゃい」と言われた。付いていくと、バス乗り場で、「このバスで Garmisch駅に行くように」と言われた。何のことはない。電車が停まらない代わりに、タダで Garmischとミッテンバルトをバスが往復しているのだ。

バスの中では、イタリア人夫婦 (?) が喧嘩をしていて、ドイツ人女性が「静かに!」と注意する光景が見られた。人伝に、「新婚旅行は長いと喧嘩が多くなるから、あまり長くない方が良いわよ」と言われたのを思い出した。男女が長いこと旅で過ごすのは危険だという典型だ。まぁ、私は当分そんな心配はしなくて良いようだが。

Garmischでは電車が出発する 30分前に乗り込んだおかげで、余裕を持って座ることが出来たが、徐々に電車が混み合った。窓から外を見ると、ミュンヘンに向かう道路も渋滞していた。日曜日でもあるし、ミュンヘンから山に遊びに出掛けた人たちが帰る途中なのかと推測した。電車は尚混み合い、若者達が次々と老人に席を譲っていて、それに倣った。

ミュンヘンについてから、夕食を食べに街にくりだした。ところが、日曜日のためか、前日あれほど賑やかだった大通りは閑散とし、多くのビアハウスも閉まっていた。そこで、ふと目に付いたアウグスティナー (Augustiner) に入り、ビールとグラーシュスープ、牛肉 (タン?) の煮込みを注文した。あまり美味しいとは言えなかったけれど、腹は満たせた。

ホテルに戻る途中に、例の怪しい通りを通ったが、「World sex」「Sex shop」「Erotic shop」と書かれた看板や、裸の女性の看板が立つピンクネオンの「Candy bar」などが私を誘ったが、公序良俗に反することをしない主義の善良な日本人は、横目で眺めるに留めるにして、ホテルに戻った。

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2009年ドイツ旅行7

By , 2009年9月18日 12:50 AM

9月6日(日) ~その1~

朝あまりに早く目が覚めたので、前日に買った日経新聞に載っていた王座戦第 1局 (羽生王座対山崎 7段) の棋譜をパソコンの将棋ソフトに打ち込み、眺めていた。相懸かりからの力戦だったが、両端を上手く攻めた羽生王座が、相手の角を封じ込め、飛車を苛め、最後はかなりの大差となった将棋で、羽生王座の大局観が光った一局だった。

朝食にソーセージとゆで卵だけ書き込むと、ミュンヘン中央駅へ。ミッテンバルトに遊びにいくのだ。ミッテンバルトはオーストリアとの国境にある街で、登山客で賑わう山村である。

ミュンヘン中央駅の自動券売機でミッテンバルト駅行きの往復切符を買ったのだが、これが失敗。何故失敗かは後で明らかになる。

駅では日本の新聞と、ビールと御菓子を買い込み、意気揚々と電車へ、。山間を縫うように走る電車からビールを片手に景色を眺め、日本の友人にメール。時に景色が開けて湖が現れたりもする。

しばらく走ると車掌が乗車券を見に巡回して来た。私の切符を眺めた車掌は「ミッテンバルトには停まらないよ。(季節のせいか曜日のせいかは良く聞き取れなかったが) 客が少ないから、Garmisch駅からバスを使ってくれ」というような内容を話した。

Garmisch駅からは、どのバスに乗れば良いかわからず、とりあえずミッテンバルト通りと書いてあるバスに乗ったのが大失敗。山奥のミッテンバルト通りで降りたのだが、これがミッテンバルトとは縁もゆかりもない場所。山道をとぼとぼと歩いたが、街の見つかる気配はない。しかし、ミッテンバルトという看板が見え、立ち止まっていくつかの選択肢を思案。歩いていく、近くの店に入りタクシーを頼む、ヒッチハイクをする・・・など。選択を誤ると大変なことになりそうだ。

都合良く、近くにホテルを見つけ、昼食がてら入ることにした。ホテルのレストランは人が誰もいなくて、庭で食べても良いと言われた。ビールを片手に、ホテルの方推奨のマッシュルームサラダを頼んだ。これが大当たり。クリームソースのようなものが塗してあるマッシュルームは柔らかく、野菜も素材が良かった。良くホテルの朝食に出てくる野菜は、育ちすぎた大味なものが多いが、ここの野菜は小振りで、味が凝縮されていた。庭で山を眺めながらビールを飲み、至福のひとときを味わった。遠くにはスキーのジャンプ台が見え、吹く風は涼しげだった。風に吹かれて、本を広げて、優雅に読書を楽しんだ。

と、蜂が 2匹、私の食べ物に群がり始めた。手で追い払うが効果がない。蜂と食べ物を争ったのは生まれて初めてだ。仕方なく屋内に避難したのだが、ドアと窓が開いていて蜂も移動してきた。しかし、蜂達はたまたま屋内のレストランに入ってきた男性と赤ん坊と遊ぶことを選んだらしい。私は食事を終えることが出来て、タクシーを呼んで貰うことに成功した。

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2009年ドイツ旅行6

By , 2009年9月17日 12:00 AM

9月5日(土)

9時くらいに起床して、シャワーを浴びようと全裸になっていたところへ、従業員の女性が何の断りもなく清掃に入ってきた。全裸の私を見てびっくりして出ていったが、ハムラビ法典に従うのなら、私にはその女性の裸を見る権利がある・・・のだが、無茶な要求だろう。このホテルに宿泊する際には、「Don’t disturb」の札を下げるのを忘れないように。

シャワーを浴びて、ソーセージとゆで卵とコーヒーだけお腹に入れて、ホテルをチェックアウト。ボン中央駅からミュンヘンへ。

ボンから最短でミュンヘンに行くには、少しややこしい乗り換えが必要だった。ボン中央駅に停車する電車を無視して、地下鉄乗り場から Bonn/Siegburg駅まで移動。更に降りて、改札口と反対側にある乗り場に移動して、ICEに乗る事が出来た。数分しか乗り換え時間がない中、親切に乗り場を教えてくれた方には感謝したい。彼らはドイツ語で教えてくれたのだけど、何度か「ウンテン」と言われた。多分、英語の「Under」と同義だと思う。稀に研修医の事を「フレマン (fresh man)」の他に「ウンテン」というのは、ここからとったのだろう。

15時くらいにミュンヘン中央駅に着いたものの、あさっての方向に歩いてしまい、タクシーを使って駅近くのホテルに戻るハメに。ホテルは「Germania」という中級ホテル。受付の女性の愛想がよかったが、部屋がエレベーターの前だった上に壁が薄く、騒音が酷かった。

とりあえず荷物を置くと、街に繰り出した。よく考えると、朝食に軽く食べたきり、昼も食べていない。バイエルン国立歌劇場を外から眺め、夕食を食べに近くのレストランに入った。レストラン「ラーツケラー」では、ビール「Helles」「Schwarzbier」はもちろんのこと、胡椒を塗したステーキ「Pfeffersteak」がなかなかだった。グラーシュスープ「Goulaschusuppe」は、他の店に比べてピリッとやや辛めだった。

ビールを 2杯ばかり飲んでから、ホテルに戻ることにした。ホテルの隣の通りが所謂歓楽街で、女性が接客して酒を飲むような店の他、「Sex shop」との看板もあった。でも、鋼の意思を持つ私は、脇目もふらずホテルへ。

ホテルのバーでは、ウォッカレモンを飲んだ。前日の同じカクテルと全然味が違った。バーテンダーは女性で、バーのテレビで何をみたいか聞かれた。「Football.」と答えると、満足そうに頷いてチャンネルを変えてくれた。

カクテルは一杯だけで部屋に戻りベッドに入ったが、エレベーターを降りてくる酔っぱらいの叫び声で頻繁に起こされた。

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2009年ドイツ旅行5

By , 2009年9月14日 11:25 PM

9月4日(金) ~その2~

ホテルに荷物を置くと、旧墓地に出掛けた。旧墓地にはロベルト・シューマン、クララ・シューマン夫妻が眠っている。入り口の地図を見ていると、墓守の人がシューマンの墓まで案内してくれた。他には、ベートーヴェンの母親が眠っている墓もあるという。びっくりしたのは「カウフマン」の墓があったこと。学生時代婦人科の授業で、無月経の診断で頻繁に登場した人物で、「こいつのせいで試験に落ちたんだ」なんて懐かしく思った。

旧墓地からコンサートがあるベートーヴェンホールまで歩いて向かった。ベートーヴェンホールはわかりにくい位置にあるが、以前一度行っているので迷うことなく行くことが出来た。

コンサートのオープニングには、長々とした挨拶があったが、ドイツ語でちんぷんかんぷんだった。最初の曲は現代曲で、作曲者 Moritz Eggertによる自作自演。変な曲だった。「トムとジェリー」を、目をつぶって聴いたかのような印象。騒々しいアナウンス、断片的な BGM的音楽、デタラメな騒音、これらの複合体である。更にピアニストが踊りながら演奏したり、拡声器で何か叫んだり、ピアノの上に置かれたオモチャのピアノで演奏したり、紙飛行機を飛ばしたり・・・。売れないお笑い芸人を見ているかのようだった。芸術と名前が付きさえすれば何をしても許されるのだろうか。少し客観的に自分を見たらどうかと思った。少なくともクラシック音楽からは独立させて新しいジャンルに分類して欲しい。そして、私は純粋にクラシック音楽を聴いていたい。

次の曲は、クリスチャン・テツラフによるアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲。この曲は、ヴァイオリンの開放弦である G-D-A-Eがモチーフになった曲で、アイデアの面白い曲である。テツラフの演奏は完璧だったが、残念なのは、彼が持っている楽器。ドイツ人作家のモダン楽器なのだが、音量に乏しくて、オーケストラに負けていた。以前、N響のヴァイオリニストと話したとき、「テツラフももう少し良い楽器を持てば良いと思うのだけど・・・」と言っていたのを思い出した。

テツラフのアンコールは、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第 2番第 3楽章。かすかに聞こえるくらいの音量で慎ましやかに始まり、どんどん立体的に音楽が構築されていく様は圧巻だった。とはいっても、息を吹きかけると、音楽自体が遠くに飛んでいってしまいそうなくらい繊細で、聴衆はみんな固唾を飲んで見つめていた。終わった後は、コンサート一番の拍手が送られた。

休憩を挟み、ベートーヴェンの交響曲第 3番「英雄」。この曲についての解説はいらないだろう。やや早めのテンポ設定で始まったが、凄く纏まった演奏だった。いくつか工夫が見られて、4楽章で弦楽四重奏の部分では、各パート 1人ずつでカルテットとして演奏していたのが面白かった。クライマックス少し前で弦楽器と管楽器がずれて崩壊しかけたのにはヒヤッとしたが、無難にまとめることが出来た。もう少し曲の終わりの盛り上げ方を工夫した方が良いと思ったのが正直な感想。それでも、ベートーヴェンの魅力は十二分に伝えることは出来ていたと思う。私の隣の席のカップルが、終楽章途中からいちゃつき始めて、男性が女性を抱きしめて聴いていたのは、イラッとしたけど、純粋に羨ましとも思った。

余韻に浸ってホテルのバーでカクテル「ウォッカレモン」を一杯だけ飲んだ。カクテルの種類があまりなかったのが寂しいところで、他の酒を飲もうかとも思ったが、24時くらいになっていたのでやめた。

朝食を少し食べただけで、一日何も食べなかったので、夜中少しひもじかった。ベートーヴェンでは胃袋は満たされないらしい。

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