9月4日(金) ~その1~
朝食を数口だけ食べると、ホテルをチェックアウトしてフランクフルト中央駅に向かった。今日はボンに向かう日だ。急行を使うと早いのだけど、ライン川沿いをゆったりと電車で旅することにした。駅の立ち飲み Barでビールをひっかけると、電車に乗り込んだ。電車は雨の中、川沿いを走ってコプレンツへ。コプレンツは父なるライン川と母なるモーゼ川の合流する街だ。それを横目にボン行きの電車に乗り込む。コプレンツからボンまでは30分程度だが、かなりの田舎の中を走る。
ボンに着くと、ホテル「GUENNEWIG RESIDENCE」へ。このホテルは駅を出てすぐ右手にあるバス停に接した所にあり、非常に立地が良い。古い建物で、少しカビくさいのが玉に瑕ではあるが。
ホテルに荷物を置いて、シューマンハウスに出掛けることにした。地球の歩き方に、604~607系統のバスと書いてあったので、ボン中央駅から 605系統に乗ったら、あさっての方向に 30分くらい連れて行かれてしまった。終点で降りろと言われたのを乗り続け、そのまま折り返し輸送。行き先を確認すべきだった。
中央駅に戻って、タクシーを捕まえると、10分くらいでシューマンハウスに連れて行って貰えた。運転手はシューマンハウスを知らなかったけれど、「Sebastianstrasse」と言うと、一発でわかってくれた。タクシーはベンツのオープンカーだったのだけど、カーブで天井から雨が降ってきてびっくりした。
シューマンハウスは、ロベルト・シューマンが最期の2年間を過ごした診療所の一部である。2部屋が無料の展示室となり、残りは音楽図書館となっている。展示室には、彼の自筆譜、ロベルト・シューマンが妻のクララ・シューマンに送った最後の手紙、ブラームスからクララ・シューマンへのプレゼントなどが展示されていた。窓から外を眺めると、木の葉が茶色くなり始めていて、ここでその光景を 2度眺めていていたであろうシューマンの胸中を察して、感傷に浸った。
シューマンハウスからの駅までの交通の便は悪く、タクシーで通った後を辿ってみることにした。どうせ数キロ程度のものである。坂を下って、トンネルをくぐり、左折してしばらく歩くと少し大きな通りに着く。そこからどっちに歩くべきか方向を失ってしまった。そこに運良く、中央駅行きのバスが通り、事なきを得た。
中央駅からベートーヴェンハウスに行くと、丁度博物館は閉館したところだった。前に一度訪れているし、中を見ることは諦め、ショップでいくつか買い物をした。弦楽四重奏曲作品 18のファクシミリ (自筆譜コピー) を買うことが出来たのはラッキーで、他にピアノソナタ「月光」のファクシミリを購入した。こういうものばかり買うから、スーツケースが重くなるのだ。
9月3日(木) ~その2~
動物園からホテルに戻り、荷物を全部置いてアルテ・オペラに出掛けた。昼間チケットを入手したコンサートがあるのだ。
最初の曲は、ブーレーズ作曲。現代曲で、聴きどころがわからなかった。和声がはっきりしなくて、音楽の方向が見えない。腹痛で下痢をしているときのような周期で盛り上がりがあり、「下痢便の音楽 (Geriben Musik)」と名づけてみた。
続く曲はヒンデミットのヴァイオリン協奏曲。ソリストは、私の大好きなヴァイオリニスト、F. P. ツィンマーマンだ。曲自体は難解な曲だったけど、ツィンマーマンが良かった。極めつけは、アンコールに弾いたバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番第3楽章。柔らかく、どこか懐かしい演奏で、老人がベッドで若い頃を思い出しているかのようなイメージを彷彿とさせた。
最後の曲はブルックナー。ひたすら長かった。20時に始まったコンサートが終わったのが 22時 30分で、「おい、ブルックナー、もう少し短く出来るだろう」なんて思いながら聴いていた。「話の長い男」なんていうあだ名を付けたくなった。まぁ、オーケストレーションが上手いのは認めるし、私の音楽に対する理解が乏しいから、そんな感想を抱くだけなのだろうけど。
アルテ・オペラから、公園内をシラー像まで歩き、Taunus strasseを通ってホテルの方へ戻ったのだけど、Tanus strasseはいかがわしい通りらしく、ピンク色のネオンの建物がたくさんあった。看板をみると「SEX INN」なんて書いてあって、近くのクラブでは、綺麗な女性が男性といちゃついているのが外から見えた。私の前に売春婦らしき女性が前に立ちふさがってどいてくれなかったのだけど、無理に振り切ってホテルに戻った。誘惑に打ち勝つとは、私も大人になったものだ。ただ単に、ぼったくられるのや病気を貰うのが恐かっただけとも言えるのだけど。
9月3日(木) ~その1~
時差ぼけのためか、かなり早く目が覚めた。というか、現地時間で午前 3時くらい。ベッドの中で悶々として過ごし、朝を迎えた。
朝食は、ドイツのホテルでは最も一般的なもので、ソーセージ、ハム、卵料理、サラダ、パンなどをバイキングで食べるものだ。これが私の口にはなかなか合わないので、ソーセージ一本に卵とコーヒーでいつも終わらせることになる。米、みそ汁、生卵、納豆、海苔、鮭といった日本の朝食がこれほど恋しくなることもない。
外は雨が降ったり止んだり。日本から持参した折りたたみ傘がこういうときに訳に立つ。傘は現地で買うことも可能なのだが、ドイツの傘は壊れやすいし、止んだときに持ち歩くのも不便だ。
中央駅から市内の方へ、Tanus strasseを下っていくと、シラー像がある。細長い形の公園になっていて、ベンチで読書をするには持ってこいだが、あいにくの雨。そのまま街を散策することにした。
アルト・オペラ (Alte Oper) まで歩き、チケットショップにふらっと入ってみた。日本でチケットが手に入らなかったコンサートがあり、受付で聞いてみると、空きがあるという。見事、前列の真ん中のチケットを入手することができた。
そこからゲーテ通りを通ってゲーテ像へ。それを横目に見てゲーテハウスに向かう。診察道具を買いたくて、近くの薬局で店員に聞いたが、どこで売っているかはわからなかった。
それからゲーテハウスへ。部屋毎に色が変えられていて、黄色っぽい内装の部屋、青っぽい内装の部屋なんかがあった。部屋毎にテーマがあるというのは、なかなか良い。また、音楽用の部屋もあって、ピアノが置いてあった。もしゲーテの小説を読んでいたら、もっと楽しめただろうに、と少し残念だった。自分の教養のなさを感じた。
ゲーテハウスを出て、欧州中央銀行、フランクフルト歌劇場の横を通り、マインタワーへ。マインタワーでは金属探知器による検査の後、エレベーターに乗って地上 200mくらいにある展望台に上った。雨は止んでいたが、強風が吹いていて、飛ばされそうだった。一方で、手すりの高さは 1mくらいしかなく、下手に落ちたら地上まで真っ逆さまだ。その分、邪魔なものはなく、街を一望することができた。すぐ下にスカイレストランがあったのだが、こちらは残念ながら 17時30分まで閉まっていた。
仕方がないので、アルテ・オペラの近くのレストランで、シュニッツェルとビールを楽しんだ。
どこに行くかしばらく思案した挙げ句、動物園に行くことにした。いい歳した男が一人で行くところでもない気がするが、海外の動物園の雰囲気を知るには丁度良い。
地下鉄を降りると、すぐそこが動物園だ。中に立派な建物がある。中に入って、熊だの虎だのライオンだのを見たが、凄く距離が近い。虎とはガラス一枚で対面できるし、金網一枚というところもある。電気を消した建物で、夜行動物をたくさんみられる場所もあって、新鮮だった。ガラス一枚隔てた部屋の中で、コウモリが映画のように大量に飛んでいて、こんなのに襲われたらひとたまりもないと思った。残念だったのは、動物の名前がドイツ語だったので何の生き物かわからなかったこと。ま、何の生き物だったとして、私のこれからの人生に影響は与えないだろうけれど。
9月2日 (水)
朝 9時 30分成田発の Lufthanza航空でフランクフルトへ。前日は旅行の準備が深夜までかかった上、この飛行機に乗るために 5時過ぎに練馬を出る必要があったため、睡眠不足で意識朦朧としての旅の始まりだった。
夏休みシーズンを終えていたためか、成田空港はかなりすいていて特に不便は感じなかったが、早朝だったので飲食店があまり空いてなかったのが残念だった。いつも私はヨーロッパに旅立つ前に寿司屋に入る習慣がある。それは、ヨーロッパで日本食が恋しくなるので予め出来るだけ食べておきたいという気持ちからと、日本酒を飲んで機内でグッスリ眠るためだが、この日はビールに枝豆で我慢した。
飛行機の中は、眠ることと飲むことを交互に繰り返した。隣の席の日本人は、英字新聞を読んだり、英語でメールしたりしていたが、外国語がここまで堪能だと羨ましい。
フランクフルト空港に着くと、電車に乗ってフランクフルト中央駅 (Hauptbahnhof) へ。この泊まるホテルは Intercity hotelといって、中央駅のすぐ脇にある、交通の便が非常に良いホテルだ。荷物が多いときは、駅から近いホテルが有り難い。また、迷わなくて済むというのも大事なポイントだ。
チェックイン後、腹が減っていたので近くのレストランでシュヴァイネハクセを食べながらビールを飲んだ。シュヴァイネハクセは、豚のスネ肉のローストだが、骨付きの大きな肉の塊で、切るのがかなり大変だった。何だか、豚の足を解剖しているかのような錯覚に陥った。
食事を終えてホテルに戻ったが、飛行機の中でひとしきり眠っていたので、頭が妙に冴えている。そのため、学会発表の準備をすることにした。作業を続けるうちに徐々に眠くなり意識を失った。
8月 31日から 2週間夏休みです。こんな長い夏休みは数年ぶりかな。
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8月 29-31日に、馬券オヤジ氏と北海道旅行を企画しています。今日もチャットで大盛り上がり。
8月 29日に、仕事を終えてから札幌へ。とりあえず飲むのでしょう。
8月 30日は私の誕生日なのですが、すずらん乗馬クラブで乗馬をしようかななんて思っています。この乗馬クラブのサイトにある、コラムが結構面白いです。特にお気に入りはワインと馬について。
ワインと馬たち
その後は、多分ノーザンホースパーク。夜は、昨年羽生名人と渡辺竜王が死闘を繰り広げた洞爺湖万世閣に宿泊しようかと思っていますが、まだ未定です。飲むことだけは確定しています。31日に東京に戻る予定です。
旅行は企画しているときが楽しいですね。9月上旬には、ドイツ旅行を検討中です。
先週は仙台で開かれた第 50回日本神経学会総会 (5月20-22日) に行っていました。
病棟の都合があり、21日夜に東京を出て、仙台の牛タン屋で舌鼓。楽天選手の色紙がいっぱいありました。
22日は朝から学会場へ。入場料 15000円は高いと思うのですが、仙台国際センターなど貸し切りで、参加人数のことを考えても仕方ないかもしれません。午前中は 「ALS」 のセッションを見て、昼は「はりやこいしかわ」先生達と寿司屋へ。午後は「ポリグルタミン病への分子生物学的アプローチ」に参加しました。東大の倉永先生が発表された加齢と 26Sプロテアソーム、Rpn11 の話と、国立精神・神経センターの永井先生のシャペロンの話が特に面白かったです。最近、蛋白質についての勉強をしているおかげで、スムーズに理解できました。
夜は郡山に出掛け、「しゃんでりあの君」と比内やサスケで飲みました。私が郡山勤務時代に贔屓にしていた店です。「野ウサギの走り」と鳥料理が絶品でした。色々語り合ったのですが、私が使っている教科書の一部を、「しゃんでりあの君」の後輩が書かれていたことにびっくりしました。分子生物学に関する話題でたくさん教えて頂いて、さらに「飛露喜 特選純吟」まで頂いてしまいました。ありがとうございました。
23日早朝の新幹線で帰京し、当直業務に突入。
今月は、岡山の実家、角館、仙台と旅が多くていいですね。
5月 8-9日に角館で上肢の機能回復セミナーがあり、”はりやこいしかわ”先生と参加してきました。
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3月 29日 (日) は、ホテルをチェックアウトすると京都駅へ。コインロッカーに荷物を入れると、地下鉄に乗り、丸太町駅で降りて、堀川丸太町まで歩きました。堀川丸太町には、昔通った駿台予備校があり、懐かしく思いました。しかし、予備校の隣にあったホテルや、近くにあった本屋がなくなっており、時代の変化を感じました。
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