9.11

By , 2006年9月11日 10:34 PM

ニューヨーク多発テロ。その時、友達と電話していて、受話器の向こう側から「うわ、テレビ見て!」と言われた気がします。

確かに被害者の方には残念なことだと思いますが、チョムスキーの本を読めば、起こっても不思議ではなかった気がします。これまでアメリカはテロリストに莫大な資金を投入して育ててきました。国連がアメリカにニカラグアのテロリストに対する協力をやめるように決議したとき、アメリカは2度拒否権を発動したそうです。

その後、アフガニスタン、イラク戦争へと発展していきましたが、イラク戦争に対するチョムスキー流の皮肉は、「イラクがアメリカ同様に拒否権を持っていたら、国連決議には何一つ違反していなかっただろう(気に入らない決議には、アメリカ並みに拒否権を乱発すれば、決議違反にならないから)」ということです。

自分の日常の罪悪感を浄化するためか、痛みを被ることなく、また現実を知らず平和を感情的に叫ぶ人もいますが、チョムスキーの論理には説得力があります。偶然、最近読んだ本にチョムスキーに対する評論が載っていたので記しておきます。

チョムスキーは、若くして言語学で新しい文法論理を開発したのと並行して、かつてベトナム反戦運動のため研究費の支給を止められてもひるまなかったし、その後も今日まで活発な平和運動を続けてきました。同じ一個の脳の中でこの二つの活動が並行して活発に営まれてきた事実は、彼の言語学と反戦運動は根底で結びついていることを思わせますし、また人間の言語機能と他の知的機能との間に、遺伝的にも深い関係があることを示唆しているようにも思われます。(臨床医が語る脳とコトバのはなし(岩田誠著)

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