大晦日

By , 2006年12月31日 4:01 PM

体調は完全復活です。地元の友人と今朝まで飲んでいました。いろいろと情報交換ができて楽しかったです。

 昨日の日中はドライブに出かけ、農道の横に「とまほ~く」という寒いラブホテルを見つけ、爆笑しました。

 今年も例年通り、年賀状を一枚も書いていません。面倒くさいという以外に理由はありません。

 そんなこんなで1年が終わってしまいました。論文という意味では、さぼった部分があるので、来年は気合いを入れ直します。

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放牧

By , 2006年12月29日 11:23 AM

昨日は埼玉で外来後、大学病院で患者家族への病状説明や、患者申し送りなどをしていました。

 帰ろうとすると、「あれー、当直シフトが間違っている」との声。人手が足らないことが明らかになり、結局23時過ぎまで救急を手伝って帰りました。患者の来ない時間帯には研修医に「頭痛」「糖尿病」の講義を空いた救急ベッド脇ですることが出来て、研修医にも喜んで貰えました。

 体調は徐々に回復し、昨日は夜に豚汁を1杯口にすることが出来ましたが、さすがに3日間ほとんど何も口にせず、働くのはしんどかったです。

 今日、可能なら新幹線で実家に帰ろうかと思います。消化の良い食事を期待出来そうです。ただ、新幹線で岡山まで4時間。14戦12勝とディープインパクト並の戦績を誇る我が肛門括約筋に期待する他ありません。

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究極のダイエット

By , 2006年12月27日 5:30 PM

食事をすると、腸の運動が活発になって腹痛が増悪するため、ここ2日間でそば一杯しか食べていません。そのため、少し体重が減ったのではないかと期待しています。

 今日も仕事はお休みです。午前中猛烈な腹痛に苛まれたものの、午後からは大分体調も戻ってきています。とはいえ、体温はまだ37度台後半はありますが・・・。明日は午前中埼玉で外来をして、午後は大学病院の病棟で正月の間の指示を出す予定です。

 病棟では、男性用に限っていえば、大のトイレが1つしかなく、腹に爆弾を抱えたまま乗り込むには不安が残ります。

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受難

By , 2006年12月26日 2:34 PM

 昨夜、マタイ受難曲第1部のDVDを鑑賞し、23時くらいにベッドに入りました。

 ベッドに入ってすぐ、強烈な悪寒が襲って来たのです。毛布にくるまれて、「今日は寒いなぁ・・・」などと暢気に構えていましたが、さすがにずっと続くので、体温を測ってみました。

 38.2℃だったので、「まぁ、知恵熱か。今日は勉強したしな。」とそのまま眠りました。しかし、腹痛、下痢、嘔吐で断続的に目が覚め、「急性胃腸炎、ノロウイルス?」という結論に達しました。

 朝起きて、体温は38℃台だったものの、発熱以外の症状が軽かったため、仕事に行こうと思ったのですが、「○○大学病院でノロウイルス蔓延!主治医が持ち込む。」という見出しが頭に浮かび、上司に電話しました。

 休んで良いとの許可を得て、仕事を休みました。研修医の頃は、39.7℃ありながら徹夜で当直していたり、40℃超えていながら仕事を休めなかったりしたのですが、上司が優しくて助かりました。

 そんなこんなで、家でゴロゴロしています。ノロウイルスの患者はこれまで100人くらい診察してきたので、自分も感染すると思い、整腸剤、解熱剤、胃薬などをあらかじめ同僚に処方してもらっていました。「備えあれば憂いなし」とは、まさにそのことです。

 看病してくれる女性も処方出来れば良いのに・・・。

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マタイ受難曲

By , 2006年12月25日 10:17 PM

あまり触れたくはない話題ですが、触れないわけにはいけないでしょう。

今日は、クリスマスというのだそうです。スパークリングワインを片手に、一人で七面鳥の足を囓っています。まぁ、飲めれば何でも良いのですが・・・。

そんなこんなしながら、「マタイ受難曲(J.S.Bach)」のDVDを鑑賞し、たった今、第一部を見終わりました。「たけしの誰でもピカソ」というTV番組で、N響の長峰氏が感動的な演奏を披露して以来、いつか見たいと思っていた音楽作品です。キリスト教を信じている訳ではありませんが、バッハを演奏をしていく上では、一度内容を把握する必要があるし、今日は良い機会と思っていました。

実際に見てみて、それほど感動するストーリーではありませんが、音楽は綺麗です。以前、バッハの全集のCDでは聴いていましたが、内容まで知って聴いたのは今日は初めてです。なかなか新鮮でした。

数日前にCD、DVDを大量に買い込みましたので、良いクリスマスが過ごせそうです。書くべき論文の存在は、頭の片隅に追いやられました。

・Bach: Erbarme dich, mein Gott (Matthäuspassion) – Galou (Roth)

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ラストラン

By , 2006年12月24日 9:06 PM

今日は、私にとって特別な日になりました。

ディープインパクトの引退レースです。

昼くらいに中山競馬場に向かい、レースの1時間半くらい前に競馬場に着きました。既にチケットは売り切れた後でしたが、岡山の友人が前売り券を郵送してくれていて、それを見せて入場することが出来ました。

今年の入場者数は 117251人とやや少なめだったそうですが、それでもかなり混雑していました。

レースは、ディープインパクトが危なげない内容で、強い勝ち方をしました。中山競馬場との相性を危ぶむ声もありましたが、直線半ばで後続を突き放し、最後は追わずに上がり 33.8 (秒)。

残念ながら馬券は当たりませんでしたが、胸が熱くなりました。私が見ていた場所は、直線入り口から少し進んだ辺り。丁度ディープが先頭に立つくらいのところで、しっかりとその勇姿を目に焼き付けることが出来ました。

レースが終わって、武豊騎手が両手を突き上げたときには、本当に感動しました。目頭が一瞬熱くなりました。

諸事情のため、引退式には参加出来ませんでしたが、約2年間に渡って感動を与えてくれた名馬に、心から感謝の言葉を贈りたいと思います。本当にありがとうございました。

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奈良県の事情?

By , 2006年12月23日 1:40 PM

奈良県南部地域で、ついに産科が絶滅したそうです。

ある産婦人科医のひとりごと-奈良南部の病院、産科ゼロ 妊婦死亡、町立大淀も休診へ (産経新聞)-

大淀病院は、脳出血を合併した妊婦の搬送先がなく、19病院で拒否などとセンセーショナルに報道された病院です。しかし、問題となったのは、マンパワーを含めたゆとりない運営によってどの病院も超重症患者の搬送を受け入れられない状況にあったためと考えられ、当事者の産科医を責めても何の解決にもなりません。医療システムの問題です。

常勤医は、週3回以上の宿直(医師の宿/当直は36時間連続勤務ですし、代休はありません)など、地域の産科医療を身を粉にして、支えてきた方であったと思いますが、あげくの果てに(医師から見てもほとんど過失がないのに)事故報道ですから、産科医を続ける意欲はなくなったでしょうね。彼を最後に、地域から産科医がいなくなったのは、「最後の武士」という言葉を連想させます。

上記のブログに書かれていた文章を紹介します。
「たとえ理想には程遠い不十分な医療施設であろうとも、何も無いよりははるかにましだということに、世の中の人々が早く気付く必要があると思います。」

低コストで、高い医療水準を保っている日本の医療が、崩壊してきています。その崩壊も目に見える形として、いくつかの地域で噴出するようになりました。

今後は医療制度として、「低コストで低い医療水準」を選ぶか、「高コストで高い医療水準」を維持するか、「払った金に応じた水準の医療」を受けられるようになるのか、どの方向かに進むのでしょう。安倍政権の印象では、最後の選択肢の可能性が他よりやや高いかもしれません。

今後、奈良県南部地域では、産科に限って言えば、医療事故は0になります。「人がやることだから絶対にミスはある。それを前提に議論しないといけない。ミスをなくすには医療行為をしないこと。そういうわけにいかないから、システムを・・・」などという冗談から始まる講義を聞いたことがありましたが、冗談ではなくなってしまいました。今、神奈川県でも大量のお産難民が発生し、千葉県まで搬送するのもしばしばのようです。

まだ、くだらない医者叩きバラエティー番組をみて笑っていて大丈夫でしょうか?この地域の問題だけではないと思います。もっと建設的な議論をしなければ・・・。

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オペラシティ

By , 2006年12月19日 8:13 AM

知人から頂いたチケットで、オペラシティの演奏会に行ってきました。貰い物のチケットばかりで恐縮です。チケットが2枚あったので、先輩医師と一緒に聴きに行きました。先輩医師は学問上の良いディスカッション相手で、医療問題についてもしばしば議論します。非常にインテリジェンスの高い方です。私が以前勤務していた郡山の病院で働いていたことがあります。

12月13日 オペラシティ
第204回定期演奏会
・ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503 (W.A.Mozart)
・交響曲第6番イ短調「悲劇的」(G.Mahler)
指揮:飯守泰次郎指揮、ピアノ:高橋アキ
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ピアニストの高橋アキさんは、とても音が綺麗でした。しかし、オケとの練習が少なかったのか、しばしば両者の演奏にズレがありました。特に、少し間を置きたい場所などの打ち合わせが十分でなかったような印象でした。多くの場合、オーケストラとソリストの事前練習は十分とれないので、仕方のない気もします。

マーラーは、先輩医師が「初めて聴いた」音楽。新鮮な感動を味わい、「是非、また聴きたい」とのことでした。すごく迫力のある演奏でした。バロック、古典派を聞き慣れた耳には違和感がありますが、それまでの音楽から脱却し、より新しい音楽をというのは、時代の要請でもあります。1903年に作曲されたこの曲は、そのような聴衆の要望に応えるものです。一方で、曲の長さに疲れます。

演奏が終わって、オペラシティのレストランで先輩医師と食事をし、音楽史や和声、曲の構造についての講釈を垂れてみたのですが、先輩医師は浮かない顔。何度もメール、電話をしています。「かみさんが出ない。家にいるはずなのに。怒っているのかなぁ・・・。」前日は忘年会の後、私と深夜まで飲んでいて、その日は私とまた飲みに行ったことが妻の逆鱗に触れたそうで、帰宅後こってりしぼられたと後日聞きました。

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終診

By , 2006年12月16日 1:02 PM

先日、埼玉のとある病院に代診に行きました。着くと看護師から、「次に来る先生がいないので、今日で外来は終わりなんです。先生紹介状とかお願いしますね。」と言われました。

初めて行く病院で、初めて診る患者ばかりですが、分厚いカルテをひっくり返して、一人一人問題点を整理し、次の受診先を決め、紹介状を書きました。医師が確保出来ず、一つの診療科を閉めるというのが、これ程切ないものかと思いました。

一番困るのは患者でしょうが、これから医療崩壊が始まり、同様の光景があちこちで見られるようになります。固定観念をもたれている方もいますが、医師は決して楽をしている訳でもなく、医療の高度化に伴う負担増を制度的に支えられなくなってきているのです。一人の患者にかかる労力は、一昔前より雲泥に増しています。

医学が高度化すれば、それだけ鑑別診断も増えるし、検査法も増えます。今まで「原因不明」「調べる手段がない」「治療がないから」と全身管理のみであった疾患も、多くの検査が行われ、いくつもの治療が組み合わされることとなります。医師はそれらの検査、治療のすべての指示を出し、結果を評価します。医学の進歩は労力を増やす方向に働くというのが感覚的にわかると思います。治療にしても、例えばt-PAという治療は、ほぼ24時間医師が一人の患者につきっきりで診察していないといけません。

訴訟の増加は、防衛のための書類を山のように増やします。Informed consentの充実はそれだけでかなりの時間を要します。また、コンビニ感覚での夜間の受診が増えています。旧泰然とした制度で、これらが支えられるとは思いません。

医療崩壊について、多くの医師が警鐘を鳴らしています。日本的な特徴として、夕張市の例をとるまでもなく、問題が顕在化するときは、手遅れになったときです。こうした問題に対するマスコミの報道も貧困なものです。

(参考)
三重県医師会 日本の医療が崩壊する?!
新小児科医のつぶやき -春のドミノ-

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忘年会での合奏

By , 2006年12月16日 11:07 AM

12月11日は当直でした。翌日は当直明けに症例検討会で発表。世界的に珍しい疾患を発表しました。こうした症例検討会で発表するために、前日英語の論文 30本くらい読んで準備してきたのですが、教授、助教授クラスの質問はやはり厳しいものでした。とはいえ、私のみならず、世界の誰もがわかっていないことなので、いずれにせよ仮説でしか答えられませんが。

症例検討会が終わると、医局の忘年会に行くために駅に向かいました。駅のホームで、愛読紙の東京スポーツを読んでいると、後ろから「いやー、一緒になっちゃったねぇ」との声が。無視して新聞に集中していると、もう一度「いやー、一緒になっちゃったねぇ」。人違いかと思って後ろを向くと、楽器を抱えた教授でした。

電車で一緒に話せるといううれしさと、気付かなかった後ろめたさ。東京スポーツはそそくさと鞄にしまいました。

電車の中では、いろいろな話をしました。

私が、ルツェルンのピカソ美術館で「3人の楽師達」という絵を見たと話すと、教授は「ルツェルンは思い出の街でね。パリでお金がなかったときに、バーゼルで会議があって、『よしっ』と思ってルツェルンに時計を買いに行ったんだ。鳩が出てくるやつ。ラヴェルの家にあったような時計が欲しくてね。パベル橋が燃える前の話だけど・・・」

また、ハンブルクの話、ドイツの綺麗な街の話、演奏家の話など話題は尽きませんでした。

ホテルに着くと、早速練習を始めました。最初は全く呼吸が合わない箇所もありましたが、3回くらい練習して合うようになったのでそのまま本番に挑むことにしました。

練習後、教授は夜景を指さし、「あそこが僕の母校で、池辺晋一郎とか坂本龍一が出身なんだよ」と教えてくださいました。

忘年会は、私が2人の幹事の内1人でしたが、ほとんど仕事せず、同僚に仕事して貰っていました。どうも幹事というのは苦手です。

そして、いよいよ演奏の時間が来ました。曲は「DUO in B, KV 424 (W.A.Mozart)」。

練習ではゆっくりめのテンポで演奏しようと話していたのですが、アルコールが手伝ったこともあり、CD同様のテンポで始まりました。リズム感のある部分の多い曲なので、速いテンポが生きたと思います。教授が「この部分綺麗だね」とおっしゃったころは、お互いの呼吸が一致して、美しく演奏出来たと思います。

直前に 3回合わせただけで本番なので不安はありましたが、大きなミスもなく演奏することが出来ました。教授からも、終了後「楽しかった」と言って頂けて万感の思いでした。

2次会は親しいものだけで飲みに行き、そのうち 3人で 3次会へ。午前 1時過ぎまで飲んで乱れていましたが、さすがに徹夜明けなので睡魔に襲われ帰宅しました。

演奏を聴いていた先輩医師から後日メールを頂きました。嬉しかったので、許可を得て転載させて頂きます。

 先生のバイオリンはなかなかのものだと風の便りに耳にしておりましたが、こんなに素晴しいものいだとは予想していませんでした。
いままで聴いた医者の演奏のなかで、初めて「医者の余技だから」と自分を無理に納得をさせる必要なく、楽しんで聴くことができました。もっとも、上杉先生の生の演奏を知らないものだから、バイオリン以外の演奏についてはあまりいいかげんなことはいえないけれど。先生の演奏を聞いただけでも、あまり良くない体調をおして夜の新宿に出かけた甲斐があったというものです。J.S.Bachの無伴奏バイオリンパルティータのあの有名なシャコンヌは、先生弾けるかな?もしできたら、なにかの機会に聴きたいものです。
それにしても、良い演奏を、ありがとう。

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