STEPEN KOVACEVICH

By , 2007年1月31日 10:17 PM

去年のクリスマスに購入したDVDを、暇なときに鑑賞しています。今日見たのは、STEPHEN KOVACEVICHというピアニストのDVD(EMI 094633149496)。ベートーヴェンのピアノソナタOp.110, 111などが収録されています。

私はあまり詳しくなかったのですが、彼はベートーヴェン弾きとして有名らしいです。私がベートーヴェン弾きで好きな演奏家は、何といってもバックハウス。それから、リヒテルも好きですね。そこにお気に入りがもう一人加わりました。

・Ludwig van Beethoven sonata n. 32 op 111 Stephen Kovacevich piano

Post to Twitter


Vista

By , 2007年1月30日 11:47 PM

Windows Vistaを本日購入です。

以前のパソコンの調子が思わしくなく、機嫌が悪いと立ち上がってすらくれません。そのため、今日発売の OSとあわせて、Panasonic CF-W5を購入しました。

パソコン自体は軽く、DVDも見れますし、キータッチも柔らかい。マウスカーソルの動きも思い通りですし、気に入っています。

Office 2007も購入ですが、これまでのところ、使いやすいように思います。何にしても、感覚的に使えるのが一番。最近、病院では電子カルテが流行っていますが、感覚的に使うには難があるのは、医療現場を知らない人たちが決めたシステムだからでしょうか(おまけに回線が細いので、表示に時間がかかってストレス倍増)。電子カルテを導入して、作業効率が上がったという意見は皆無に等しいので、電子カルテ業者と、厚生労働省(電子カルテ化を推進)の癒着すら疑ってしまいますね。

と、脱線したところで、インストール作業が忙しいので、また。

Post to Twitter


医療崩壊についての講演ファイル

By , 2007年1月28日 3:02 PM

医療費、医療崩壊問題を一気に問題を社会的現象に広めた立役者の一人が、「医療崩壊」を執筆した小松医師です。

ある町医者の診療日記」では、その小松医師と本田医師の講演会で使用されたファイルがアップロードされていました。

ある町医者の診療日記-日本の医療が崩壊している-からダウンロード可能です。

Post to Twitter


鳥インフルエンザ

By , 2007年1月27日 9:18 PM

 農林水産省は27日、岡山県高梁市の養鶏場で、26~27日に17羽の鶏が死に、高病原性鳥インフルエンザの疑いがあると発表した。同省と岡山県は、家畜伝染病予防法に基づき、この養鶏場に鶏の隔離を、発生場所から半径10キロ以内の養鶏場にも鶏や卵の移動自粛などをそれぞれ要請した。

同省によると、鶏が死んだのは、約1万2000羽の採卵鶏を飼育している養鶏場。現在、ウイルスの鑑定を進めている。

宮崎県の清武町と日向市の養鶏場では今月、強毒性の「H5N1型」の高病原性鳥インフルエンザが確認されている。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070127-00000313-yom-ent)

岡山県高梁市とは、私の実家の近くですね。先日、宮崎の鳥インフルエンザに関連して、私の元で研修していた宮崎大学出身の医師が、「発生地は大学の前の養鶏場で、おまけに僕の家の裏でした」と、メールをくれました。鳥インフルエンザがこんな身近な所で検出されるようになってきているとは・・・。

Post to Twitter


マーラー

By , 2007年1月27日 6:53 PM

1月25日 サントリーホール
第587回定期演奏会
交響曲第9番ニ長調(G.Mahler)
指揮:小林研一郎
日本フィルハーモニック管弦楽団

例によって、頂いたチケットで、コンサートへ。今回のコンサートは、演奏以外にも話題性が豊富にありました。まず、マーラーの指揮を多くしている小林氏が、第9番を振るのが今回が初めてということ、小林氏が日フィルの音楽監督を離れること。

マーラーは、ウィーンフィルの指揮者兼作曲家で、フロイトのカウンセリングを受けていたなどの逸話をもつ人物です。彼は、ベートーヴェンが第9交響曲を書いた後に死亡したのを気にしていて、自分も第9番交響曲を書いたら死ぬのではないかと考え、<大地の歌>を交響曲と呼び、第10交響曲としてこの曲を作曲しました。その4ヶ月後に実際に死亡した訳ですが・・・。死因は、心内膜炎で、血液培養からは多数のレンサ球菌が検出されたといいます(「音楽と病」ジョン・オシエー著, 法政大学出版局)。

曲の始まりで、特に金管楽器を中心として音程が曖昧で、聞いていてヒヤヒヤしましたが、尻上がりに演奏は良くなり、最終楽章、曲の終わりの終結部は極上の美しさでした。音が消え入り、演奏が終わってからも音を立てる観客はいませんでした。全員が息を潜め、数十秒してから、指揮者が姿勢を解くと、割れるような拍手が鳴り響きました。指揮者も、「観客の拍手の間が絶妙でした」と大絶賛。演奏者、観客で作り上げた名演でした。もちろん、コンサートマスターの木野雅之氏を含めた各楽器のソロも素晴らしかったです。

Post to Twitter


バラエティ?

By , 2007年1月24日 9:55 PM

一昨日、朝バラエティータッチのニュース (テレビ朝日) を見ていたら、「あるある大辞典はバラエティではなくて健康番組なんですから・・・」と言っているコメンテーターがいてびっくりしました。あれは健康番組と呼べる代物ではなかったですよね。

1月24日付けの東京スポーツには、「お医者さんにとって『あるある大辞典』はお笑い番組の扱いなんですが」と書かれていましたが、「あ、一般の人はお笑い番組として見ていなかったのかな」と思いました。東京スポーツの秀逸なところは、1月25日付けの記事。

 日本テレワークは今回の不祥事の責任をとり古矢直義社長が辞任し取締役に。ホームページにもおわびが掲載されているが、これがたったの3行。(中略)

昨年12月12日に放送された「今、日本がおかしい!現役ドクター大告発!アナタの命を救う病院教えますスペシャル」 (フジテレビ系)にも同社は制作協力していた。数々の医療ミスが匿名医師たちによって暴露されるのが見どころだが妙な点が多かった。

ある看護師は「おかしな点が多かった。絶対に医師なら使わない表現をしていたり・・・。作り話やヤラセで医師を叩いて視聴率を稼ごうとするのは許せないってことで (中略)」

また、ある製薬会社は「番組の内容が大変不適切」と、同番組のスポンサーを降りていた。

テレビ局にきちんと突っ込みを入れた東京スポーツには、愛読紙として、賞賛を送りたいと思います。

Post to Twitter


あるある大辞典

By , 2007年1月20日 10:04 PM

捏造報道が話題になっています。医療事故のように、社長が記者会見して、それをニュースで朝晩流すのでしょうか。故意である点は、医療のそれよりもタチが悪いですね。

これに踊らされたのが視聴者。納豆が店から消えたといいます。みのもんた現象と同じです。普段好きなケーキ食べて、納豆を免罪符にしようなんて都合の良い話があるわけないじゃないですか。

これに懲りて、良質の医療番組を放送して欲しいものです。患者の理解が上がれば、医師の説明も理解しやすくなり、医療の質も向上するでしょう。

関西テレビ(大阪市北区)は20日、今月7日にフジテレビ系で全国放送したテレビ番組「発掘!あるある大事典2」で、事実とは異なる内容が含まれていたと発表した。「納豆を食べるとダイエットができる」との内容だったが、研究者のコメントや被験者の検査データをねつ造していた。同テレビは社内に調査委員会を設け、原因の究明を行うとともに過去の放送分についても検証を行い、番組を継続するかどうかを含めて検討する。また、21日に放送予定だった同番組は、テーマは納豆ではないが、別の番組に差し替え、冒頭で一連の経緯を説明する。
同テレビによると、(1)被験者がやせたことを示すのに別人の写真を使用(2)米の大学教授の発言の日本語訳の一部をねつ造(3)被験者の一部の中性脂肪値が正常値になったとしたが、測定せず(4)納豆を朝2パックまとめて食べた場合と、朝晩1パックずつ食べた場合の比較で、被験者の血中イソフラボン濃度の結果をねつ造(5)被験者の血中のホルモン(DHEA)量検査のデータをねつ造――していたことが分かった。
千草宗一郎社長は「報道機関でもある放送局として、視聴者の信頼を裏切ることになった。誠に申し訳ない」と謝罪した。(毎日新聞)

(参考)
発掘?あるあるトンデモ大実験

Post to Twitter


新年会

By , 2007年1月20日 3:00 PM

先日、医局の新年会に参加しました。t-PA治療明けでヘロヘロでしたが、徹夜明けのハイテンションで参加。

まずは教授のご挨拶。「今年は猪年ですが、海外では豚年というのです。元々日本には豚がいなかったので、代わりに猪というようになったのです。だから中国では豚年ですよね(中国人留学生が頷く)。豚は元々用心深い動物。ですから、猪突猛進ではなく、注意深く前進していきましょう。」名挨拶に一同感嘆。更に教授から「ドン・ペリ」2本が差し入れられました。「ドン・ペリ」はすぐになくなってしまい、とても私までは回って来ませんでした。残念。

立食パーティーの途中で、教授と会話する機会がありました。私が「音楽家外来を将来やりたいと思っているのです。」と話しかけると、教授は「例えば?」と仰るので、「振戦の治療でアルマールなどのβブロッカーを使ったりとか、緊張型頭痛とか・・・。うちの妹はテノーミンを処方されたみたいだけど、循環器のDrは使い慣れているからテノーミンとかアーチストとか出す人が多いですよね。」というと、教授がβブロッカーについて色々教えてくださいました。

「あなたの妹はテノーミンが効いたの?あまり効かないと思うけどなぁ。βブロッカーで一番振戦に効くのは、インデラルだよ。カルビスケンはあまり効かない。これはどういうことかというと、β2作用が大切ということ。色々試してみたんだけど、β1選択性が高い薬が効かないからわかったことなんだけどね。」

どのような話題に対しても、勉強になる答えが返ってくるのが凄いところ。その後の話題は、N響と共演するときだけジストニアが出る演奏家の話。千住真理子が演奏に自信をなくして引退しようかと思ったとき、聴衆から「あなたのおかげで自殺を思いとどまりました」と言われ、聴衆から救われた話。

何故か漫画の話題へ。教授は「最近の漫画にしても、アニメにしても、簡単に人が死にすぎる。昔の狂言などでは、人が死ぬにしても、葛藤があり、さんざん悩んで引っ張った挙げ句、そうするしかないことが観客に伝わってから殺人を犯す。最近のは、いきなりドバッとか葛藤がない。」と苦言を呈しておられました。また、「ヒーロー物というのもあるが、悪人(手下)といっても、それぞれ家庭がありそれぞれの人生がある。やむを得ずにそうして働いているのかもしれない。それを一方的な視点で倒していくことを教えるのはどうか?」「ブラックジャックは胸がすくような話が多いが、あれは手塚治虫が漫画界での地位が危うくなっていたころの作品で、失敗するわけにいかなかったから、わかりやすい作品を書いたんだ」など・・・。

考え方を含めて、教わることの多い会でした。

Post to Twitter


血栓溶解療法

By , 2007年1月20日 9:58 AM

先日、当院神経内科で初めてのt-PA療法を行いました。この治療法はいくつかのテレビ番組や新聞で紹介されているので、知っている人もいるでしょう。

私が当直中、救急隊から連絡があり、発症から1時間で搬送出来るとのこと。禁忌で該当するものはなく、結局、発症2時間半で投与することが出来ました。元々、完全な左片麻痺だったのが、投与直後左足が挙上出来るようになりました (上肢はflaccidのままでしたが・・・)。

体制が整っていなかったことや、初めて使う薬剤なので戸惑った点もありましたが、使用して良かったと思えるような症例でした。

ただ、大変だったのは、午前1時からの投与だった点。投与中 1時間は 15分毎、投与 1-7時間後は 30分毎、投与 24時間後までは 60分毎の診察 (10分くらいかかる評価法を毎回) が必要だからです。夜通し診察を繰り返しました。

この薬で忘れてはいけないのは、ハイリスク・ハイリターンの薬剤だということです。大野病院産科医逮捕事件で、医師の多くが無過失を主張する事件で、片岡検事は「一か八かではやってもらっては困る」とマスコミに対して発言したようですが、この治療は一か八かの治療です。一か八かを受け入れた方のみ、使用することが出来ます。投与開始のリミットは発症 3時間。考える時間はほとんどありません。決めるのは、医師と家族の短時間の話し合いです(患者に意識があれば確認しますが)。

Post to Twitter


音楽家の悩み

By , 2007年1月14日 7:58 PM

音楽家というのは、特殊な体の使い方をするため、種々の健康上の悩みを抱えていることがあります。それをいくつか紹介したいと思います。

①緊張型頭痛/頸肩腕症候群
ヴァイオリンの演奏姿勢は、本来不自然な格好です。また、他の楽器であっても、常に同じ姿勢を強いられるため、肩こりを中心とした症状が多く見られます。マッサージや湿布が手放せない方も多いようです。筋弛緩薬の内服などを使用します。

②振戦
特に音大生に多いと思いますが、緊張すると手など、体が震えて演奏が上手く出来ないというものです。βブロッカーの内服が有用ですが、喘息、徐脈性不整脈などの方は禁忌です。

ジストニア
最も重篤なのが、職業性ジストニアです。これは、普段の動作は問題ないのに、ある姿勢をすると、その姿勢で固まって全く動かなくなるというものです。例えば、ピアノを弾く動作を空中ですると問題がないのに、鍵盤の上に手を置くと、指が動かなくなったりします。演奏家生命に関わりますが、治療が難しく、神経内科以外では診断をきちんと下されないことも多いので、患者はいくつもの病院を転々とします。
原因ははっきりとはわかっていません。ただ、脳がある姿勢を憶えていて普段はその姿勢で演奏しているのが、何かの拍子にちょっとしたコンディションの違いが生じた結果、あるべき姿勢がわからなくなって脳がパニックになり、その姿勢から動かなくなってしまうのではないかと考えられています。
副交感神経遮断薬の投与を行いますが、緑内障に禁忌で、前立腺肥大症での尿閉を悪化させるので、中年以上には使いにくいところがあります。その他、ベンゾジアゼピン系薬剤も使いますが、決め手に欠きます。最も期待できる治療は、高額になりますがボツリヌス毒素の局所注入です。ただし、行える施設は限られます。

上記のような疾患での音楽家に対する医療に興味を持っている医師は、日本にはほとんどおらず、勉強していこうかなと思っています。

Post to Twitter


Panorama Theme by Themocracy