バイオリン奏法

By , 2007年6月3日 4:08 PM

かの有名なW.A.Mozartの父は、レオポルド・モーツァルトといい、名音楽教師でした。彼は「Versuch einer Grundlichen Violinschule」という本を書いており、邦訳が出版されています(「バイオリン奏法 (レオポルド・モーツァルト著、塚原哲夫訳、全音楽譜出版社)」)。

目次

バイオリン奏法 (Violinschule) への序
第1節 弦楽器、特にバイオリンについて
第2節 音楽の起源、および楽器について
第1章
第1節 新旧の音楽文学と音符、そして現在使われている譜線と音部記号について
第2節 拍子について
第3節 音符、休止符、符点などの長さ、または価値について。同時に、全ての音楽記号と音楽用語について
第2章 バイオリンの持ち方と弓の扱い方
第3章 生徒は弾き始める前に何を守らねばならないか。言葉を変えて言うと、一番始めに生徒に何を示さなければならないか
第4章 上弓と下弓の理法について
第5章 弓を巧みにコントロールし、いかに美しい音色をバイオリンから引き出すか。正しい様式の中で生み出すか
第6章 3連符と呼ばれるものについて
第7章 種々のボウイングについて
第1節 同じ音符におけるボウイングの変化
第2節 様々の音符よりなる音型におけるボウイングの変化
第8章 ポジション
第1節 全ポジションについて
第2節 半ポジションについて
第3節 複合または混合ポジションについて
第9章 前打音とそれに属する装飾音について
第10章 トリルについて
第11章 トレモロ、モルデント、その他即興の装飾音について
第12章 楽譜を正しく読むこと。優れた演奏について

鈴木慎一氏は本書の冒頭に寄せて「恐らく、このレオポルド・モーツァルトの『バイオリン奏法』は、世界で最初のバイオリン奏法の本ではないでしょうか。」と記しています。

実は、1751年にジェミニアーニが、「The Art of Playing on the VIOLIN」という本を書いているのですが、これはほとんどが練習曲で構成されており、それに対する解説がつけてあるというスタイルなので、L. Mozartの本とは若干異なります。ちなみにジェミニアーニの本も、邦訳が簡単に手に入ります。「バロックのヴァイオリン奏法 (フランチェスコ・ジェミニアーニ著、サイモン・モリス解説、内田智雄訳、シンフォニア)」という邦題です。

本書のはしがきに「1756年干草月 (※7月) の26日に書かれた」とありますから、ジェミニアーニの少し後ですね。

本書では、まずバイオリン属の楽器について解説します。ポケット用ガイゲ (Geige=fiddle)、4分の1ないし2分の1サイズのガイゲ、普通のバイオリン (「これこそ特にこの本でこれから扱っていこうというものなのです」と記載あり)、アルト用ガイゲ、バス・ビオル、大バス(ビオロン)、ガムバ、ボルドン、ビオラ・ダモーレ、ビオレッタなどです。知らない楽器がたくさんあります。

ついで、楽器の構造について、それから簡単な音楽史、音楽理論と進みます。第2章では楽器の持ち方が記載され、以後実際の演奏法が豊富な譜例とともに記されます。演奏する上での留意点が充実しています。

最後の言葉は、こう締めくくられています。

この本を私は骨を折って書きましたが、目的があったためです。それは初心者を正しい道に導き、彼らのために、音楽のよい趣味への知識と感覚を準備するということです。我々の尊ぶべき壇上の芸術家のために、もう少し言いたいことがあるのですが、ここで筆を置くことにします。もしかしたら私はあえて再び音楽の世界にもう1冊の本を出そうとするかもしれません。が、それは誰にもわかりません。それは、初心者に役立ちたいというこの私の熱意が、全く役に立たないわけではなかった、ということがわかった時のことです。

数多の名曲を残したモーツァルトの父親も、偉大な人物だったのですね。

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神経学会関東地方会

By , 2007年6月3日 2:07 PM

6月1日に、神経学会地方会で発表してきました。とりあえず、発表は無難に終了。色々と質問はされたけれど、それなりに答えることが出来ました。

ある先生の認知症に対する発表に、「先生の発表は、認知症じゃなくて痴呆でしょ」とつっこむ先生がいて、発表者は「痴呆は差別用語なので認知症としました」と答えていたのですが、更に「しかし両者は医学的には異なったものだから・・・」と議論になりました。痴呆を認知症と呼ぶことになったことは、現場にいくばくかの混乱を与えています。

学会の会場で、外勤先の先生と偶然会い、「先生の外来は評判が良いらしいね。」と声をかけられました。滅多に他人を褒めない先生なので気分を良くしていたところ、その後、同病院の診療部長に会いました。診療部長から「人手不足なので、誰か欲しいと思っていて、昨日みんなで話し合ったんだけど、みぐのすけ先生ならいいって結論になったんだ」と。直前に褒められたのは、そういう伏線だったのか・・・と納得しました。あまり良い返事はできませんでしたが。

それから、T先生の発表を聞きました。彼女は郡山時代に指導したことのある先生で、現在は千葉県の有名病院に勤めていますが、なかなか興味深い発表でした。

学会が終わってから、学生時代所属していた部活の新歓に参加しました。考えてみると、今年の新入生は平成生まれ。一回りも年下になるんですね。年齢を感じました。とりあえず、朝まで飲んで今に至ります。

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