日本フィルハーモニー交響楽団
第591回東京定期演奏会
6月14日(木) 19時開演 東京オペラシティ
1.ジークフリート牧歌 (ワーグナー)
2.交響曲第39番 変ホ長調 (モーツァルト)
3.交響曲第6番 ヘ長調 (ベートーヴェン)
指揮:Martin Sieghart
日本フィルハーモニー交響楽団
ジークハルトはとてもオシャレな雰囲気を持っていて、洗練された指揮は (映像でしか見たことがないけれど) カルロス・クライバーを連想させました。
モーツァルトが素晴らしかったのですが、ベートーヴェンも、最高でした。聴きながら自分自身の存在が希薄になっていくような不思議な感じがして、途中から胸が張り裂けそうになりました。途中管楽器のチューニングが微妙に狂っていたのは少し気になったけれど、音楽的にはこの上ないものでした。
この指揮者の CDを色々買ってみたいと思います。
演奏会は、すべて対向配置で行われました。最近ブームです。
6月12日に内輪で抄読会を行いました。
電気整理の I先生は、「糖尿病性動眼神経麻痺は、末梢神経の虚血性ニューロパチーと考えられているが、実は動眼神経核など、中枢の虚血が原因の症例も多いのではないか?」という論文を紹介しました (Hopf HC, et al. Diabetic 3rd nerve palsy: Evidence for mesencephalic lesion. Neurology 40; 1041-1045, 1990)。
私は、胸腺腫について2本紹介しました。
①Lamberts SWJ. The thymus : at the interface between immunology and neuroendocrinology. Ann Med 31; 3-4, 1991
②Muller-Hermelink HK, et al. Pathological aspects of malignant and benign thymic disorders. Ann Med; 5-14, 1991
①の論文は、胸腺についての総論。胸腺における somatostatinやsubstance Pの重要性などについて。
②の論文は胸腺腫の病理分類について。まだ色々な分類が混在しているので、それを整理しました。また、胸腺疾患はしばしば重症筋無力症を合併しますが、何故胸腺炎での胸腺摘出は重症筋無力症の症状を緩和するのに、胸腺腫では改善に乏しいかを検討しました。胸腺腫で改善に乏しいのは、既に自己攻撃性 T細胞が胸腺から播種しているからとされていますが、それでも心臓血管合併症を起こすため、手術はせざるを得ないことも記載されていました。
結局末梢神経の病理を専門に選んだ K医師は、「massachusetts general hospital」のカンファレンスを題材に症例呈示しました (N Engl J Med 2007; 356: 1252-)。Sjogren症候群って、本当に扱いが難しいですね。私たちの勉強会の結論では、sicca syndromeとsjogren syndromeは別個の疾患で、sicca syndromeは診断基準にあるのと反対に、実は sjogren syndromeの本態ではないのではないか・・・、ということでした。もちろん overlapすることも多々ありますけど。また、多発性硬化症と Sjogren症候群による脊髄炎はしばしば鑑別が困難ですね。
New England Journal of Medicineは、世界で最も権威ある医学雑誌の一つですが、最近「Wii」というゲーム器で肩を痛める Wiitisという病気を掲載した、ユニークな面も持っています。