感銘を受けたコメント
前回、「レナード・バーンスタイン 音楽のよろこび」という DVDを紹介しました。
それに対する、はり屋こいしかわ先生のコメントに感銘を受けたので、紹介させて頂きます。
偉大な音楽家を語るときには、いろいろな切り口があると思いますが、バーンスタインは教育者としての功績が大きいですが、彼の教育の魅力は、何かをなすきっかけを夢を以って示すことが出来たことではないかと思います。種を撒く事、とでも言ったらいいでしょうか。
私の大学時代の恩師が、「教育で大切なことは、種を撒くことで、苗を植えることでは必ずしもない。」という主旨のことを昔おっしゃったとき、そのときは月並みな内容に感じましたが、この頃になって、その本意をもっと考えてみるようになりました。種は自分の芽を出しうる畑となるまで何年も土で滋養して、そして時を得て初めて根を張って芽を出す。苗は不幸にして畑が合わなければ直ぐに枯れてしまう。そんなようなことを伝えられたかったのかなと思っています。
バーンスタインと外れてしまいましたが、彼にもそんなところがあるかなと思っています。
表現者としての彼も、ヘンな言い回しですが情緒の筋道-この短調のフレーズに喜びがあり、このリズムに神性がある-みたいな、そんな聴き手へも教育的な面があるように感じます。勿論押し付けがましくなく、自然にそう感じられるのは彼の芸術の特性の一部ではないかと思います。音楽におけるプラグマティズムの美しい理想の具現とでも言いましょうか。例えば彼の演奏によるマーラーあたりは、音の洪水のような彼の交響曲の聞き方を教えてもらったように思います。
冗長になりました。すみません。