明けましておめでとうございます
新年あけましておめでとうございます。昨日東京に戻って来ました。
正月には、久しぶりに叔父に線香をあげることができました。そこで、線香をあげながら色々考え事をしました。
私の叔父は「患者の為の医療をしなさい。それで病院が潰れたら、それは国の責任だ」というのが口癖で、それを地でいく人でした。ところが、今は、本当に病院が潰れる時代です。病院が潰れるというのも大変な事です。叔父が生きていたら何というかなぁ・・・などと考えていました。
叔父の葬儀では、宗派の異なる町中のお坊さんが集まり、「お経をあげさせてください」と無料で声をそろえて経をあげたという逸話があります。浄土宗も浄土真宗も、様々な宗派の僧が日蓮宗の経をあげたのは、よほどのことではないかと思います。葬儀には、平沼赳夫氏や片山虎之助氏といった自民党議員、岡山大学、鳥取大学の教授達も多く集まり、人望の厚さを実感しました。更に驚いたのは、雪が降りしきる道の両脇に、多くの人々が出て、霊柩車を拝んでいたことです。いつ霊柩車が通るというアナウンスもなかったのに、葬儀場から火葬場まで10キロあまりの沿道に集まっている人たちのことは、今でも覚えています。
そんなことで、将来は叔父の遺志を継いで地域医療に尽力出来たら良いなと思っているのですが、今の医療の現状では難しいと思います。また、田舎で一人で神経内科医をしていくには、私もまだ力不足です。力を蓄えて、時期を待ちたいと思います。
元旦には、親戚一同と飲んだのですが、IT業界の社長、土建屋社長、アナウンサーなど様々なジャンルの方と一緒で、面白い話が聞けました。IT業界の社長は、テレビ番組のスポンサーを探す仕事などもしているらしいのですが、苦情が来ないので、テレビで医者叩きはしやすいのだと言っていました。逆に薬害問題などを扱うと、製薬会社がスポンサーにつかなくなるので番組が作りにくいと言っていました。マスコミによる医療の偏向報道が医療崩壊に与していることを考えると、医師も黙っていてはいけませんね。それから、私が普段読んでいる「東洋経済」については、「提灯記事を売り込みに行く仕事もしているんだけど、あそこは固いからそういうのは載せないんだよ」と言っていました。そういう意味では、信頼できる雑誌ということですね。
新年早々、暗い考え事をしてしまいましたが、本年もよろしくお願い致します。