普段、勉強させて頂いている「Neurology」という blogで、「Parkinson病の音楽療法」が取り上げられていました。
Parkinson病の方には「内的リズム形成障害」があるという考えは、Parkinson病の研究会では、毎回必ずと言って良いほど議題になります。この考えを支持する現象として、Parkinson病の方の歩行に合わせて「1,2,1,2」とかけ声をかけてあげると歩きが良くなることがあります。
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雑誌「東洋経済」の 6月 21日号は、「最強の『読書術』」特集でした。
様々な著名人が、自分の読書術を語るのですが、本に対するスタンスは人それぞれなんだなと興味深く思いました。雑誌に登場する読書人達の、月間の本代は 5-10万円だったのですが、私も同じくらいです。ただ、彼らが一ヶ月に読む本の冊数の多さにはびっくりしました。読むスピードもきっと速いのでしょうね。私の場合は、辞書的に買っている医学書の値段が高いので、多くの冊数を読まなくても、金額が嵩みます。
さて、巷では「速読」というのがもてはやされますが、本の読み方は TPOに応じて変えるべきなのではないかと思います。ハウツー本みたいに、単に情報を得るだけの目的のときには速読も良いですが、小説や歴史書、哲学書を読むときは、ゆっくり妄想に浸りながら、或いは頭の中で議論をしながら、或いは著者の意見と対比して自分の考えを確認しながら読むのが、乙なものです。また、人それぞれ、自分の読書法があって然るべきかなと思います。
読書法に関しては、忘れられない思い出があります。
私は、中学生時代、妹尾与三二氏という作家の私塾で、数学を習っていました。師の自宅に毎週木曜日に伺い、問題を解くのです。竹藪に囲まれた小さな自宅の一部屋に男子生徒が3~4人、もう一部屋に女子生徒が3人、それぞれ机を囲んで問題を解き、最後にみんなで集まって解説を聞くというスタイルです。
妹尾与三二氏は、作家ですので、自分が書いた本をくださったことがありました。中学生だった私は、如何に難しい本をささっと読みこなすかで、大人ぶった振りをしていたところがあり、出来るだけ難しそうな歴史書を買ってきては、読んで偉くなった気がしていたものです。そんな私は、師がくださった「四度目の幸運」という本について問われ、「3時間くらいで読んだんですけど、云々・・・」と誇らしげに答えたのです。
せっかくの本の感想に、そんな返事を貰った、その時の師の悲しげな顔が忘れられません。師は、一言、「もう少し大切に読んで欲しかったな・・・」と仰いました。
本の内容は、ある落ちぶれた老人の話で、富豪だった男が戦後の価値観の変化で、凋落していくストーリーでした。師の家も、もともと富豪で、家には美術品がたくさんあったそうですが、私が師事していた頃に住んでいたのは、竹藪の中の小さな家。もちろん、美術品なんて全然ありませんでした。主人公と師の境遇は驚くほど似ており、自分と重ね合わせ、書き上げた小説だったと思います。彼が、自分の生きた証を刻み込んだような小説でした。
今になって思うと、その作品にかける作家の思いに、如何に失礼な態度だったか、自責の念に駆られます。もう、師も亡くなり、謝ることはできませんけれど。でも、その時のことを思い出す毎に、一冊の本を大切に読まないといけないなと思います。
ま、一方で、そんな気も起きない本もありますけどね。
昨日、自宅の郵便受けを開けると、神経内科専門医試験第一次試験の合格通知が来ていました。直前に体調を崩し(おそらく感冒と、それに引き続く感冒後咳嗽)、追い込みの2週間ほとんど勉強ができなかったことを考えると、感慨深いものがあります。私がどんなスケジュールで勉強していたか、2次試験に合格したら、後進のためにここに書きたいと思います。試験前に色々講義してくださった「はりやこいしかわ」先生をはじめ、お世話になった多くの方々に深謝します。
次は2次試験に向けて勉強ですね。2次試験では神経学的所見の取り方の技術が問われるので、勉強し直さないといけません。その他、フリートークのように試問されるところもあり、こちらは準備しようがありません。普段、勉強しているかが問われますね(勉強していたところを聞かれるかの運不運はありますが)。
昨日、もう一つ通知が届きました。国際学会 European Society of Neuroradiology (ESNR) に演題が Acceptされました。ま、ポスター発表ですけどね。締め切りが 4月 30日から 5月 15日に伸びたためか、AcceptかRejectかの通知も 5月 31日から 6月 19日に遅れたみたいです。やきもきしていた問題が解決したので、ほっとしました。これで心おきなく、ポーランドに行けます。一方、発表の準備はそれなりに大変で、多くの先生の御世話になりそうです。
Wで合格通知が届いたこともあり、今日は「はりやこいしかわ」先生と、祝杯を挙げます。明日は二日酔い確定。
将棋の第66期名人戦で、挑戦者の羽生善治氏が森内名人を破り、通算4勝2敗で名人位を奪取しました。これで羽生氏は過去の名人位通算4期と合わせ、第19世永世名人を名乗る資格を得ました。
今回のシリーズはなかなか見応えがありました。特に、1手で均衡が崩れる中盤戦を熟慮し、慎重にバランスを取りながら戦うシーンが多かったのが印象的でした。駒組みに専念する時間が多く、なかなかアマチュアには理解が難しい局面が多かったように思います。このシリーズの各局を素人目に感じたように書いてみます(「第○局」というところをクリックすると棋譜が見られます)。
第1局は、後手の羽生挑戦者が優勢を築きながら、無理仕掛けを強引に行い、逆転負け。後手58手目の8六同飛が敗着だったようです。
第2局は、先手の羽生挑戦者が堅実な差し回しで、勝利しました。31手目先手3五歩、71手目6三銀が、気づきにくい好手と評されました。103手目の6八玉も落ち着いていましたね。
第3局は、後手の羽生挑戦者が、必敗と思われた将棋を、執念でひっくり返し、勝利しました。勝利後の羽生挑戦者の表情が、如何に厳しい勝利であったかを物語っていました。
第4局は、森内名人が24手目後手5四金と積極的な差し回し。38手目の後手8二角が、徐々に好位に進出してくる手順には驚かされました。結果的に、後手は千日手を選ぶのがベストと思われた局面で、56手目3五歩の仕掛けが無理筋で、的確に咎めた羽生挑戦者の勝利。81手目に羽生挑戦者が2七飛として、2七で飛車を取らせたのが好判断でした。千日手を選ばなかった名人について、渡辺竜王は、名人としては千日手狙いの消極的な手順で先手に先に攻められると後悔が残るし、指しにくかったのだろうと解説していました。
第5局は、森内名人が第3局のリベンジ。第3局と同じ戦型を選択しました。羽生挑戦者も、第3局で標的となった7三桂を跳ねずに戦いましたが、2二銀の壁銀が痛く、先手森内名人の59手目7三歩成、87手目4一角が好手で、名人勝ちになりました。
第6局は、46手目の9二角が最後まで働かず、名人苦戦となりました。47手目、羽生挑戦者が2三歩から3四の銀を引きつけたのが好判断で、3九の「と金」に仕事をさせませんでした。後手は2三歩を払った金の形が悪く、先手の銀が再度進出し、飛車がさばけました。89手目先手5三桂成は、踏み込んだ手。95手目7五金でわかりやすくなり、99手目6五同金では8五銀の方が素人目には安全だったかもしれませんが、勝ちを読み切った挑戦者が格好良く決めました。最後はかなり大差となりました。
羽生二冠が名人位を奪取し、永世名人の資格を手に――。山形県天童市の天童ホテルで16日から指されていた第66期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の第6局は17日午後8時10分、挑戦者の羽生善治二冠(37)が105手で森内俊之名人(37)を破り、対戦成績を4勝2敗とし、名人位を奪取した。
羽生二冠が名人戦を制したのは、第52期(94年)、第53期(95年)、第54期(96年)、第61期(03年)に続き、通算5期目。これで名人5期の条件を満たし、引退後に永世名人の称号を名乗る権利を獲得した。名人戦が実力制になって6人目の永世名人(十九世)の資格を得た。
羽生二冠が永世名人になるチャンスは過去2回あったが、名人として臨んだ第62期(04年)では森内挑戦者に2勝4敗で敗退。第63期(05年)では森内名人に挑戦したが、3勝4敗で敗退。三度目の挑戦で、永世名人になった。
羽生新名人は、王座、王将と併せ、三冠となった。現在、棋聖戦五番勝負で佐藤康光二冠(棋聖、棋王)に挑戦中で、将棋界の統一に乗り出した形だ。(http://www.asahi.com/culture/update/0617/TKY200806170036.html)
羽生善治氏のファンの私としては、今日は棋譜を並べながら美味しい酒が飲めそうです。
少し前のニュースなのですが、ネタ的に食いついてみました。「錠剤飲んだらDカップ」ってそんなバカな・・・。Fカップの人が飲んだらどうなるんだろう。こうした詐欺に引っかかる感覚を男性は理解できないのですが、原因は男性か・・・ (^^;)
神奈川県警が押収した豊胸効果をうたった健康食品=28日、神奈川県警本部
神奈川県警は28日、豊胸効果をうたった健康食品を販売したとして薬事法違反容疑(無許可販売・貯蔵)で、東京都新宿区の健康食品販売会社「ファイナルジャパン」の実質的経営者郭充良容疑者(52)と社長明石まゆみ容疑者(41)ら計4人を逮捕した。「3箱ぐらい飲んだら(胸が)Dカップになる」と宣伝して健康食品の錠剤を約2万6000人に売り、約8億3000万円を稼いでいたという。
[ 2008年5月28日12時48分 ]
この記事を読んで、「バスト占いの歌」が頭に浮かんだのは私だけでしょうか?
今、NHKスペシャルで中国の医療について特集しています。驚きの連続です。
救急車は自腹。病院に着いたらすぐに、料金が請求されます(放送された事例では2100円)。それを払って診察室に入ると、今度は看護師が診察料を請求します。医療は現金と引き換えで、前金が鉄則です。未払いを防ぐためなのだそうです。
また、救急車を呼ばない場合、診察には診察券が必要で、診察券を買うのに2日間並ばなければなりません。病気であっても徹夜で並ぶのです。周辺にはダフ屋がいて、診察券を20倍(200円→4500円)の値段で売っています。
中国は医療費無料政策が廃止されたため、医療費が払えないせいで、必要な患者の半数しか病院を受診できません。脳梗塞で入院した、ある老人は、年収の2倍の医療費がかかったため、途中で治療を断念しました。入院患者について、取材した病院の一番安い部屋(部屋代450円)では、暖房もありませんでした。
農村部では貧困が問題になっていて、番組で取り上げられた男性は、年収15万円でした。数万円の医療費が工面出来ない場合も多いようです。また、治療のために多額の借金を背負うことになる場合も少なくありません。
一方で、高度な医療を希望して、都市部の病院に患者が殺到しています。都市部にはVIP病院があり、金持ち相手の高度医療を行っています。民間病院の参入もはじまりました。民間病院は、国の許可がなくても医療機器を導入出来、医師の数も規定より増やせるので、進んだ医療が行えます。1つのビジネスです。
市場経済化が加速する中国で、今、政府自ら、最も取り組まねばならない課題としているのが「医療」問題である。激流中国では、北京の大型病院に密着し、その現実を浮き彫りにする。
私たちが取材した公立病院には、連日、全国から大勢の患者が押し寄せる。診察を受けるのは二日がかり、徹夜で並ばなければならない。なぜそうまでしなければ、診察を受けられないのか?医療制度はどうなっているのか?
かつて中国は、国家が医療費を負担し、医療サービスは無料だった。しかし制度の見直しで、利用者負担へと変わり、保険制度の整備も遅れているため、医療費が患者に重くのしかかるようになった。一般の人々が病院に行くのは、いよいよ症状が悪化してからで、地方の病院等ではとても手に負えず、こうした大型病院で診てもらうしか手がないのだ。しかも医療費が、患者家族にとって“破産する”ほど高額となるケースも頻繁に起きている。一方、制度見直しによって、病院は独立採算となり、優れた医師や医療設備を導入し、大勢の患者を集めることのできる病院だけが生き残れるようになっている。
こうした“医療格差”がますます拡大する中、患者家族、そして病院、「それぞれ」をつぶさに記録した。
再放送予定は、「2008年6月17日(火) 深夜 【水曜午前】0時55分~1時44分 総合」です。是非、ご覧下さい。カルチャー・ショックですよ。印象としては、金持ちのみが良い医療を受けられる、アメリカ型医療に似ている気がしました。
四川大地震って、こんな貧弱な医療基盤の中、起きたのですね。
先月の話なのですが、プロ棋士の対局で珍事がありました。
プロにネット将棋を打って頂こうという試みの、大和証券杯。最強棋士の呼び声高い羽生善治氏が、マウスの操作を誤り、時間切れで負けになりました。機械操作でない対局なら、自分の手で急いで駒を置けば良いですし、駒を落としてしまっても、指したいところを指さして、指し手を叫べば大丈夫です。敗れた羽生氏は、「中途半端な形で終わってしまい、大変申し訳ありません。次回はマウスの練習をもう少しします。」とコメントを残しています。
11日夜に行われた第2回大和証券杯ネット将棋・最強戦で、羽生善治二冠(37)がプロ入りから23年目にして公式戦初の反則負けを喫した。
最強戦は、パソコン画面の将棋盤の駒を対局者がマウスなどを使って動かし、インターネットを介して対戦するプロ公式戦。羽生二冠は東京・千駄ケ谷の将棋会館、相手の渡辺明竜王(24)は都内の自宅で対局した。相矢倉の中盤戦で、羽生二冠が68手目に持ち駒を打とうとしたところ、盤面が隠れるように対局と無関係の画面が開き、それを消して指したが、制限時間の30秒を超えていた。羽生二冠は「消さなきゃと焦っているうちに時間がなくなってしまった」と話す。「二歩」などルール上の反則はいくつかあるが、時間切れも反則の一種。羽生二冠は反則を犯したことはなかった。
ネット対局では、盤と駒を使う通常の対局ではないような珍プレーが起きる。ネット女流公式戦では、今年2月に中井広恵女流六段が時間切れ負け。昨年12月には、反則ではないものの、石橋幸緒女流王位がマウス操作を誤って、駒を意図しない所に落とすミスも起きている。
対戦相手の渡辺明氏が、対局についての解説をブログに掲載されています。
渡辺明ブログ-大和証券杯最強戦・1回戦羽生二冠戦。-
だいぶ、体調も改善してきました。2日くらい前までは、咳のため連日夜間目覚めていましたけれど。
先週、HDDを交換中にパソコンを壊してしまって、しばらくネットにつなげていませんでした。「Let’s note」って、頑丈な分、結構内部がガチガチに固定されているんですね。ちなみに、内部は http://www.bunkai.jp/note/panasonic/cf-w5.html で見られます。
バームレストを持ち上げたあとのケーブルがトラップでした。
結局、DVD-ROMを認識しなくなってしまったので、新しく買い直しました。「Let’s note CF-W7」です。プレミアムエディションを購入。今回は、HDDが 320GBあるので、少しゆとりがあります。
で、6月 6日にNew machineが届いて、インストール作業をしていました。
6月 7日は、神経内科専門医試験でした。1次試験だったのだけど、結構やばいかもしれません。結構難しく、手応えとして一般問題が 6-7割、画像問題が 5割くらいしか出来ませんでした。画像問題は、75問だったのですが、同級生と答え合わせしたら、自信のなかった5問くらいが全部間違っていて、一気に疲れました。5月上旬は中弛みしてて、下旬は体調不良で勉強してなかったんで、自業自得かもしれません。
ま、受かっていても、落ちていても、給料も待遇も何にも変わらないんで、気をとりなおしていきます。来年受けるのは面倒くさいけど。
とりあえず、色々な問題が一段落したので、こっちも更新していけるように頑張ります。
なかなか解熱してくれません。解熱剤ボリボリ食べてます。発熱してから、ここ数日の出来事をちょっと日記風に。
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