NHKスペシャル

By , 2008年6月15日 9:40 PM

今、NHKスペシャルで中国の医療について特集しています。驚きの連続です。

救急車は自腹。病院に着いたらすぐに、料金が請求されます(放送された事例では2100円)。それを払って診察室に入ると、今度は看護師が診察料を請求します。医療は現金と引き換えで、前金が鉄則です。未払いを防ぐためなのだそうです。

また、救急車を呼ばない場合、診察には診察券が必要で、診察券を買うのに2日間並ばなければなりません。病気であっても徹夜で並ぶのです。周辺にはダフ屋がいて、診察券を20倍(200円→4500円)の値段で売っています。

中国は医療費無料政策が廃止されたため、医療費が払えないせいで、必要な患者の半数しか病院を受診できません。脳梗塞で入院した、ある老人は、年収の2倍の医療費がかかったため、途中で治療を断念しました。入院患者について、取材した病院の一番安い部屋(部屋代450円)では、暖房もありませんでした。

農村部では貧困が問題になっていて、番組で取り上げられた男性は、年収15万円でした。数万円の医療費が工面出来ない場合も多いようです。また、治療のために多額の借金を背負うことになる場合も少なくありません。

一方で、高度な医療を希望して、都市部の病院に患者が殺到しています。都市部にはVIP病院があり、金持ち相手の高度医療を行っています。民間病院の参入もはじまりました。民間病院は、国の許可がなくても医療機器を導入出来、医師の数も規定より増やせるので、進んだ医療が行えます。1つのビジネスです。

激流中国
病人大行列 ~13億人の医療~

市場経済化が加速する中国で、今、政府自ら、最も取り組まねばならない課題としているのが「医療」問題である。激流中国では、北京の大型病院に密着し、その現実を浮き彫りにする。

私たちが取材した公立病院には、連日、全国から大勢の患者が押し寄せる。診察を受けるのは二日がかり、徹夜で並ばなければならない。なぜそうまでしなければ、診察を受けられないのか?医療制度はどうなっているのか?

かつて中国は、国家が医療費を負担し、医療サービスは無料だった。しかし制度の見直しで、利用者負担へと変わり、保険制度の整備も遅れているため、医療費が患者に重くのしかかるようになった。一般の人々が病院に行くのは、いよいよ症状が悪化してからで、地方の病院等ではとても手に負えず、こうした大型病院で診てもらうしか手がないのだ。しかも医療費が、患者家族にとって“破産する”ほど高額となるケースも頻繁に起きている。一方、制度見直しによって、病院は独立採算となり、優れた医師や医療設備を導入し、大勢の患者を集めることのできる病院だけが生き残れるようになっている。

こうした“医療格差”がますます拡大する中、患者家族、そして病院、「それぞれ」をつぶさに記録した。

再放送予定は、「2008年6月17日(火) 深夜 【水曜午前】0時55分~1時44分 総合」です。是非、ご覧下さい。カルチャー・ショックですよ。印象としては、金持ちのみが良い医療を受けられる、アメリカ型医療に似ている気がしました。

四川大地震って、こんな貧弱な医療基盤の中、起きたのですね。

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