レッスン
昨日、久々にヴァイオリンのレッスンに行ってきました。
モーツァルトのヴァイオリンソナタK.304を見て頂きました。この曲は、YouTubeでも演奏がアップされていますね。
Mozart Violin Piano Sonata in E minor K.304 – 1st Movement
Mozart Violin Piano Sonata in E minor K.304 – 2nd Movement
YouTubeでの、この演奏は、音は綺麗ですけど、様式感にやや欠ける感じがします。ザハール・ブロン氏は、この曲について「ギャラント様式」という句を連呼し私も同感なのですが、この演奏では特に2楽章でちょっとベタッとしている印象を受けます。ちなみに「ギャラント様式」について、辞書的な意味を記載しておきます。
「ギャラント」という語は、18世紀のヨーロッパにおいて、「優雅で洗練された」という意味で広く用いられた。音楽史では、厳格な対位法様式に対して、自由でホモフォニックな様式をさす。2-3声部の簡素なテクスチュア、装飾された上声部の優位、周期的な楽句構造、簡潔な和声、不協和音の自由な扱いなどを特徴とし、前古典派の音楽はこの様式に含まれる。F・クープランに代表される18世紀前半のフランス音楽のみをさし、ロココ音楽と同義に用いられる場合もある。(「新編 音楽中辞典(音楽之友社)」より引用)
私の前にレッスンを受けた方は、芸大生だったのですが、リスト音楽院に受かったそうです。先生から受験の話を聞きました。リスト音楽院の受験で大変だったのは、各科の試験問題が共通であることらしいのです。例えば、東京芸大だと「声楽科」と「器楽科」で問題が違うらしいのですが、リスト音楽院では共通。従って、ヴァイオリンで受験しても、声楽曲が出題され、「オラトリオはどれか?」などと問われるらしいのです。宗教曲が非常に多く出題され、日本人には大変だったと聞きました。また、和声の記載法が異なり、記載法を知らないと問題が解けないと聞きました。日本では、和声をⅠとかⅤとか記載しますが、向こうではギリシャ数字のみなので、国際化の流れに乗って、最近では芸大でも両方の記載法を併記するようになっているようです。 さて、昨日のレッスン。私はザハール・ブロンのレッスンのDVDで予習して練習していったのですが、レッスンではアプローチの仕方が違って、面白かったです。私の先生は、和声学を専門にしており、そのようなアプローチからのレッスンでした。和声の面から見ていくと、それだけで弾き方が決定するところがあり、そうしたところを外すと音楽的に非常におかしく聞こえるので要注意です。レッスン後は、「本当に音楽的に弾いているわよね」と褒めて頂きました。
更に、お薦めの演奏家を教えて頂きました。芸大の浦川宜也教授が退官コンサートの伴奏に、20歳代の演奏家を起用したらしいのです。そんな大切なコンサートに、何故その演奏家を起用したのかみんな訝しんでいたのですが、聴いてみたら素晴らしかったと。そのピアニストは鈴木慎崇さんとおっしゃるそうです。今後、売れてくるかもしれません。注目したいと思います。
で、お知らせです。8月3日(日)に、サロン・ド・パッサージュで発表会があり、私も出演します。曲は上述のモーツァルト。 今回は、テクニック的にはリスクの少ない曲ですので、友人を誘おうと思っています。興味のある方は聴きに来てください。時間は追って連絡致します。