Gustavo Dudamel

By , 2008年9月13日 12:12 PM

Gustavo Dudamelの CDを聴きました。

・「Beethoven 5 & 7」Simon Boliva Youth Orchestra of Venezuela, Gustavo Dudamel
・「Mahler 5」Simon Boliva Youth Orchestra of Venezuela, Gustavo Dudamel

実際に聞いてみて、ベルリンで聴いた時の方が良かったなぁ・・・と思ったのですが、一つはオーケストラの技量、もう一つはベルリンで聴いた方が生演奏だったという違いがあり、一概に比較はできません。

印象的なのは、テンポが良く動くことです。テンポが良く動くというか、動きすぎる印象もあって、結構気になります。でも、我々が従来の演奏に耳が慣れすぎているせいかもしれません。逆に、将来はこういった演奏が珍しくなくなっている可能性もあるわけです。後は、凄く情熱的な演奏ですね。ベネズエラという国のイメージと一致する気がします。クラシック音楽とは言っても、国によって多少特徴が出ますね。

さて、「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ」というオーケストラは聞き慣れない名前です。彼がこのオーケストラを大事にしているのは、彼自身の出自及びベネズエラで行っている活動と無縁ではないでしょう。このオーケストラは全員 25歳までで構成されると聞きます。オーケストラの結成の経緯が CD “「Mahler 5」Simon Boliva Youth Orchestra of Venezuela, Gustavo Dudamel” のライナーノーツにありました。

 広く知られているようにベネズエラ (小さなヴェネツィアというのが国名の語源とされる) はカリブ海を臨む共和国であり、豊富な石油資源によりラテン・アメリカ諸国では個人所得が最高位にランクされるほど恵まれた国家である。人口は約 2600万人とされるが、ご多聞にもれず貧富の差は大きく、青少年が麻薬、暴力など犯罪行為に巻き込まれる例も多いという。そんな時に青少年救済、社会政策として音楽を積極的に活用しようと設けられたのが Fesojiv (The Foundation del Estado para el Sistema de Orquesta Juvenil e Infantil de Venezuela) という財団である (SISTEMAの呼称でも親しまれている)。

既に30年近くの歴史をもつこの財団の前身は、ホセ・アントニオ・アブレウというひとりの経済人で音楽家でもあり、また政治家でもある人物が生み出したものであった。アブレウは子供たちを犯罪から守り、彼らに輝かしい未来を与えるため、また社会全体が音楽の力により平和で豊かな潤いの心をもつ環境へと変わるようにとの願いをこめてこの音楽組織を発足させている。

最初の頃、地下駐車場での練習に集まった子供たちはわずか12名だったというが、信念を支えとするアブレウは「ここから新しい歴史が始まる」と皆を説得したという。名状しがたい魅力と求心力があったのであろう。次のリハーサルには 25人、その次には 46人と増加、この活動はたちまち軌道に乗っているし、石油による好景気の波を受けて政府からの援助も受けるようになり、この活動はまもなくベネズエラの文化行政、いや社会施策としての成果を挙げ始めたのである。

(中略)

一見、底辺の底上げといった感もないではないが、この底辺が充実してくることで、その豊かな土壌からドゥダメルのような指揮者が育ち、また17歳でベルリン・フィルにコントラバス奏者として入団したエディクソン・ルイスといった逸材が生まれてきたのであり、ある意味でベネズエラの奇跡には必然性があったのである。

(中略)

こうした土壌のもとに生まれた最高の実りがドゥダメルであり、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラということになる。

Gustavo Dudamel THE BEST!!!!

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第7回MS研究会

By , 2008年9月13日 11:00 AM

昨日、第7回東京MS研究会がありました。

第7回東京MS研究会

2008年9月12日(金) 18:50~
パレスホテル2階 チェリールーム

講演1 抗アクアポリン4抗体陽性例の臨床的特徴と治療
国立精神・神経センター病院 神経内科 岡本智子先生

講演2 動物モデルから観るMSの病態
国立精神・神経センター神経研究所 免疫研究部 室長 三宅幸子先生

特別講演 新多発性硬化症ガイドラインについて
九州大学病院 神経内科 講師 越智博文先生

仕事が終わるのが遅かったので、着いたのが20時30分頃でした。しかし進行が遅れており、特別講演を聞くことが出来ました。会場は一杯に神経内科医で埋まっており、大盛況でした。

特別講演は多発性硬化症 (MS) の新ガイドラインについてでした。新ガイドラインといいながら、結局は視神経脊髄型 (OSMS)、Neuromyelitis Optica (NMO) をどう扱うかという話でした。

内容は、まずガイドラインの作成方法、それから OSMSが NMOと同じ疾患なのか、それとも違う疾患なのか、違うとすればどのくらい over lapするのかについての議論。最後に治療の話でした。OSMSの治療として急性期はステロイドパルス療法が有効ですが、無効例は速やかに血漿交換を行うべきとされました。再発予防には、少なくとも 10 mg以上のステロイド内服を行った方が良く、難治例ではアザチオプリンの併用を検討すべきであるとされました。OSMSでのインターフェロンの単剤投与は、初回治療としては出来るだけ行わないことも示されました。通常型 MS (CMS) については、特に新しい知見はありませんでした。

この秋に新ガイドラインが正式に発表されるので、メモは特にとらずに聞きました。詳細は、正式発表されたものを御覧ください。一緒に聞きに行った先輩が、「これって、俺が今までやってた治療と全部同じじゃん」と言っていたのが印象的でした。会が終わった後、世話人をされた教授と、高級 Barに飲みに行きました。そこで話したことも非常に面白かったです。

この研究会とは直接関係ないのですが、最近 MS関連の論文を何本か読んだので紹介しておきたいと思います。

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