某製薬会社の社員による薬のプレゼンテーションを見ていたときのことですが、ペンみたいなのを操作するだけで、スライドが進んだり戻ったりしていたのです。「スゲー!」と思って聞くと、パワーポイント専用のレーザーポインタがあるのだとか。
近くの電気屋に行っても置いてなかったのですが、コクヨのサイトで売っていました。
コクヨ S & T 株式会社 -パワーポイント対応タイプ-
プレゼンテーション中にスライドが進みすぎてしまって、戻し方がわからなくなってオタオタする演者を時々見かけますが、これがあれば、そんな心配はいらなさそうですね(※コクヨのサイトで買うより、ネットで探すともう少し安く買えるところがありそうです)。
最終章である第8章は神経症候学的序論です。「故意におこしえない客観的症状について、その法医学における重要性について (1904年)」、「臨床における問診および主観的症状に関する 2, 3 の考察 (1925年)」が収載されています。かの Charcot がヒステリーと器質的疾患の鑑別に四苦八苦していたように、神経学に関わる臨床家達にとって、ヒステリーと器質的疾患の鑑別は悩ましい問題でした。Babinski は過去の知見をまとめ、自分で考え出した診察法と合わせて一つの体系を作りました。今日でもヒステリーと器質的疾患の鑑別は甚だ困難なことがあり、ヒステリーと間違えて器質的疾患を見逃したり、ヒステリーの患者を器質的疾患と誤診して過剰な治療を施してしまったりすることも稀に見かけます。自戒を込めて、Babinski が述べた一つの体系を紹介しておくのは、大切なことなのかもしれません。
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英文校正サービスのEditage社のブログ で面白い記事がありました。
論文を書くときなど、パソコンでは綺麗に見える画像をプリントしてみると、それほど綺麗ではないことがたまにあります。オンライン投稿でなければ、論文を投稿するときには、プリントアウトした画像添付するのが一般的です。その画像がそのまま論文に載るとすれば、綺麗に印刷した画像を添付して投稿したいものです。そのやり方がEditage社のブログに書いてありました。
What is the way out, then? Assuming that you have obtained proper permission, you may just be able to get away if you reduce the size of the image at least by half. However, it is best to re-draw an illustration or to have it professionally edited in an image-editing software package such as Photoshop. And save the photographs that you intend to use in your paper as tiff files at higher resolution. The manual that comes with the camera will tell you how to do that. Many websites will also guide you—all I want to do in this blog is to alert you.
どうやらファイル形式を高解像度の tiff にすると印刷したときに綺麗なのだそうです。ちょっとした豆知識ですね。
さて、Babinskiの小脳に関する研究は、1899年に「最初の観察例」「小脳性アジネルジー」、1902年に「静止時における意志的平衡と運動時における意志的平衡。これら両者の分類。アジネルジーとカタレプシー」、「アディアコキネジー」と題された一連の論文から始まります。これは Mouninou という名の患者が契機となっており、H.M. というイニシャルで論文に登場します。これらの集大成として、Babinski は 1913年にトゥルネーとともに「小脳疾患の症状とその意義」という論文を著しています。
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第6章は小脳症状についてです。特にオリーブ橋小脳萎縮症 (OPCA) について扱われます。OPCA という疾患概念を提唱したのは、デジェリーヌとその弟子のアンドレ・トーマです。デジェリーヌは Babinski の8歳年上で、シャルコーの僚友 Vulpian の弟子です。デジェリーヌは脳梗塞に伴う舌下神経麻痺で「デジェリーヌ症候群」として、またDejerine-Sottas 症候群に名前を残しています。有名なのは彼の妻 Augusta Klumpke (1859-1927) が女医では初めてのアンテルヌとなり、女性の医学分野への進出を象徴する人物であったことです。
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第 5章は「腱および骨反射」です。著者(萬年先生)がパリに滞在中の思い出が書かれています。
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Babinskiは、Charcotが課題として残した、器質的疾患とヒステリーの鑑別についても精力的に取り組みます。元々、神経内科の発展の歴史はヒステリーと密接に関連しています。梅毒患者が大きな社会問題となっていた時代、男性患者を収容するためにビセートル病院、女性患者を収容するためにサルペトリエール病院がパリに作られました。これらの病院には精神病患者も多数収容されました。Charcotがサルペトリエール病院に赴任したとき、ヒステリー患者なのか器質的疾患があるか鑑別するのは大きな問題でした。Charcotは多発性硬化症や筋萎縮性側索硬化症を記載したり、Parkinsonが報告した Parkinson病を再評価し、再び光を当てたり、偉大な業績を残しましたが、ヒステリーの診断においては汚点を残しました。Charcotは催眠術により鑑別を試みたのですが、自分では催眠術を行わず、弟子に行わせ、弟子達は師匠の意向に添うように患者を訓練しました。公開講義などでは、患者は金を受け取って、催眠術にかかったふりを演技したと言います。しかし、精神医学の分野で、Charcotの弟子であったフロイトがヒステリーをテーマに業績を残します。Babinskiも負けてはおらず、1900年に「器質性片麻痺とヒステリー性片麻痺の鑑別診断」という論文を発表し、本書の第 4章で取り上げています。そこに掲載されている鑑別表が、現在でも通用する程素晴らしいので紹介します。
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昨日は、一人でDVDを見ながら、ワインを飲んでいました。DVDは、バッハの「クリスマスオラトリオ」で、クラクフ・バッハ・アカデミー ’90管弦楽団、クラクフ・バッハ・アカデミー ’90合唱団ゲヒンゲン聖歌隊、ヘルムート・リリング指揮による演奏でした。録音場所はクラクフの聖母マリア聖堂。クラクフには先日行ったばかりで懐かしく思いました。
クリスマス・オラトリオ は、典型的なバッハの宗教音楽です。私は、バッハのこの手の曲が全部同じに聞こえてしまうので、「マタイ受難曲」の一節だよと言われたら、全然わかりません。スタイル、作り方が同じなので当然かも知れませんけれども。しかし、アリア「わが心よ、この聖なる奇蹟を」には心を動かされました。
・Schließe, mein Herze, dies selige Wunder(わが心よ、この聖なる奇蹟を)
その後、ギドン・クレーメルがバッハの無伴奏パルティータを演奏するDVDを見ました。かなりアクが強くて好みが分かれる演奏です。最初に聴くのにはお勧めしませんが、色々な演奏家の録音を聴いた後だと新鮮味があるかもしれません。「教科書的」演奏は対極にあって、他人の真似ごとではなく、純粋に楽譜から彼が感じたまま演奏されたんだなと感じさせます。
ところで、このクリスマスというイベント。エクストリーム・クリスマス なんていう競技もあるのを初めて知りました(^^;
さて、第3章が、彼を彼たらしめた、かの有名な足指現象で所謂「Babinski徴候」です。Babinski徴候に似た診察法として Chaddock反射などが知られていますが、Babinski徴候ほど有名なものはありません。著者のガルサン教授にまつわる逸話を紹介します。
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9月26~28日に長野に行ったとき、しゃんでりあの君に連れて行って頂いたのが、スイス村ワイナリー。郵便受けを空けると、ダイレクトメールが届いていました。懐かしかったです。
このワイナリーには、普段飲まない国産ワインがたくさんあってサイトからも買うことができます。いわゆる赤とか白といった正統派(?)とは言えないかもしれないけれど、「かりんワイン」お勧めです(^^)
スイス村ワイナリー