4分間のピアニスト
映画「4分間のピアニスト」のDVDを見ました。
あらすじ~DVDのジャケットから~
心をわしずかみにする圧倒的な演技とクラシックの概念を打ち破る衝撃の演奏
生きる希望を砕かれた天才ピアニストが、自分の才能を信じてくれる女性教師との出会いを通して、再び人生の輝きを見出すまでを描いた感動作。主人公ジェニーと、ピアノ教師クリューガーの迫真に迫る演技は、世界各国で絶賛され、数々の賞を受賞。また、モーツァルト、ベートーヴェンなど、クラシックの名曲はもちろんのこと、ジャズやロックなど他のジャンルのテイストを大胆にアレンジしたピアノ曲も堪能できる。主人公が織り成す、ラスト4分間の壮絶な演奏は必見!観る者の心を激しく揺さぶる。
類まれな才能を持ちながらも、人生は過ちばかり 自由をつかむために、彼女に残された演奏時間は、たったの4分間だった-。
ピアノ教師として刑務所にやってきたクリューガーは、問題児とされている少女・ジェニーの類まれなるピアノの才能を見抜き、それを開花させることこそが、残り少ない自分の人生の使命だと考え、所長を説得して特別レッスンをはじめる。その日から、全く違う世界に生きていた2つの魂のぶつかり合いが始まった。
全てのものに牙をむき、自らを傷つけようとするジェニーだったが、自分と同じ孤独を抱えるクリューガーの情熱にいつしか心を開いていく。しかし、新たな悲劇が2人を襲うのであった・・・。
ピアノ教師クリューガーの演技が凄まじかったです。地味で厳格なピアノ教師なのですが、一挙手一投足が洗練されていて、抑制された話し方が役柄を際だたせていました。
映画のシチュエーションが実際にあるかどうかは別として、クリューガー役の演技のおかげで、現実感が生み出されました。クリューガーの演技だけで、必見の映画ですね。
クライマックスで、おそらく精神的なトラウマのメタファーであるシューマンの曲を前衛的に演奏するのですが、主人公は幸せになれませんでした。これは過去のトラウマに囚われ、壊しても、また不幸が待っている、むしろ壊すことも新しい不幸と連鎖しているという、悲しいメッセージなのかもしれません。一方で、全く別の受け取り方をするのなら、シューマンの曲を全うに演奏できなかったことが、自分の過去と向き合えず、トラウマを乗り越えられなかったことを意味しているのだとも受け取れます。色々考えさせられます。
落ち着いて色々と考えながら映画をみたい人には、お勧めかもしれません。