東海道中膝栗毛

By , 2009年3月31日 6:59 AM

3月27~29日に京都に行ってきました。methyl先生が、2年間の出張から大学病院に戻ることになった記念に京都旅行に行こうとしていたので、便乗させてもらった形です。かくいう私も明日から大学病院に戻ることになりました。今の病院への出張を 1年間伸ばそうとも思ったのですが、大学も退局者激増で、戻らなくてはいけなくなったのです。

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バードストライク

By , 2009年3月24日 7:22 AM

 ドクターヘリに鳥衝突 浜松、緊急着陸し無事

2009.3.18 13:16

18日午前9時45分ごろ、浜松市北区の聖隷三方原病院のヘリポートを飛び立ったドクターヘリが高度約240メートルを飛行中、操縦席の風防に鳥が衝突し、穴が開いた。ヘリは市内の遊園地「浜名湖パルパル」の駐車場に緊急着陸、乗員や同乗の医師ら計5人にけがはなかった。
国土交通省によると、ドクターヘリは救急要請に基づき中日本航空が運航。病院で医師と看護師を乗せた後、患者がいる浜松市西区のヘリポートに向かっていた。

Wikipediaでバードストライクについて調べてみると、2006年には 1233件の報告があります。旅客機での報告が多いそうですが、ヘリコプターが墜落することもあるらしいです。ドクターヘリでの事故は珍しいようですが、今後ドクターヘリの普及に連れて増えていくかもしれませんね。

ドクターヘリの場合、住宅地付近を飛ぶことが多いので、特に鳥とぶつかる危険性が大きいのかもしれません。

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古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ⑤

By , 2009年3月22日 2:00 PM

「古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ」特集のトリを飾るのは、ヒロ・クロサキです。モダン楽器、古楽器を含め、モーツァルトの主要なヴァイオリン・ソナタを全て網羅した録音は、1996年のこの CD以前ありませんでした。ヴァイオリン・ソナタ集とはいっても、全て網羅していた訳ではなかったのですね。

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古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ④

By , 2009年3月20日 10:26 AM

Raychel Podger は、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータを古楽器で録音し、高い評価を得た女流ヴァイオリニストです。何と、前回のエントリー「古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ③」で紹介した Manzeとバッハのドッペルコンチェルトも演奏しているのです。即興での装飾の応酬が興味をそそります。

その Podgerが Gary Cooper (fortepiano)と組んでモーツァルトのヴァイオリン・ソナタを録音しました。現在の所、Volume 6まで発売されています。彼らは初期のソナタをかなりルバートを効かせて演奏しています。バロック音楽の名残があり、自由度を高く設定したのでしょう。中期・後期のソナタとなるに従って、古典派として様式感が聴き取れるようになります。

Podgerと Cooperの演奏の特徴は、即興性です。バロックや古典派の時代は、即興も音楽の大切な要素で、演奏家のセンスを判断する目安のひとつでした。当然、モーツァルトも自作のソナタを即興たっぷりに演奏したことでしょう。Podgerらはそうした点を意識したのだと思います。他の古楽器演奏家と比較しても、Podgerらの即興性の要素は強く、何度も聴いた曲が新鮮に聴かれるのではないかと思います。音楽的にも非常に聴きやすいので、お勧めです。

(気が向いたら)つづく

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古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ③

By , 2009年3月17日 6:58 AM

今日紹介する演奏家は、Andrew Manzeです。古楽器好きの方々の間では有名な存在です。私が衝撃を受けたのは、彼が「悪魔のトリル (Tartini作曲)」を無伴奏ヴァイオリンのために編曲して演奏したのを聴いた時です。ヴァイオリン一本で紡ぎ上げるおどろおどろしい世界?は、悪魔の演奏を思わせました。

・1-Manze-Devil’s Trill

Andrew Manze (violin) と Richard Egarr (fortepiano) によるMozartの録音は、技術的に非常に安定した聴きやすい録音です。Manzeのことだから、何かとんでもないことをしたのではないかと先入観を持って聴きましたが、実は非常にオーソドックスなスタイルでした。上記のTartiniの時代の演奏と違って、演奏家に許される自由度が多少異なるのかもしれません。それ以上に、Mozartのソナタが編曲の余地が無いほど完璧に作曲されていたからでしょうか。演奏については、ヴァイオリンとピアノの音のバランスが良く、二人の息もぴったりで、音楽的にも非常に自然でした。また、収録されたソナタは全て、モーツァルトがウィーンを訪れた 1781年に作曲されたもので、選曲に Manzeらのセンスを見た気がしました。

楽器はヴァイオリンが「Joseph Gagaliano (1782年)」、弓が「Jutta Welcher」、フォルテピアノが「Johann Zahler (1800年)」が使用されたそうです。

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古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ②

By , 2009年3月14日 10:50 AM

前回、「古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ①」で述べたように古楽器ブームが起こりましたが、ブームを支えた演奏家として、クイケン3兄弟は多大な功績を果たしました。3兄弟とは則ち「ヴィーラント・クイケン (チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者)」、「シギスヴァルト・クイケン (ヴァイオリン、ヴィオラ奏者、指揮者)」、「バルトルト・クイケン (リコーダー、フルート奏者)」です。このうち、シギスヴァルト・クイケンは、世界的なバロック・ヴァイオリンの名手ヒロ・クロサキ寺門戸亮などを育てました。

さて、シギスヴァルト・クイケンはリュック・ドゥヴォスと組んで、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ全集を録音しました。「The Sonatas for Fortepiano and Violin Sigiswald Kuijken / Luc Devos (ACCENT ACC20041)」です。使用された楽器は、ヴァイオリンが1700年製の「Giovanni Grancino」、フォルテ・ピアノが「Claude Kelecom, Brussels 1978 after J.A.Stein, Augsburg 1788」とライナー・ノートに書かれています。

演奏は古典派というより、ややバロック風な印象を受けます。音が颯爽と流れていくシンプルな心地よさが魅力です。一方で、伸びやかさに多少欠く感があります。フォルテ・ピアノの方はチェンバロに近い音で演奏されています。一概にフォルテ・ピアノといっても時代によって様々ですから、どのようなフォルテ・ピアノを用いるかは演奏者の意図と考えることができます。
(気が向いたら)つづく

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古楽器で聴くモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ①

By , 2009年3月13日 9:39 PM

今回紹介するのは、古楽器で演奏されたヴァイオリン・ソナタ(モーツァルト作曲)です。まずは基礎知識から。

古楽器という定義は難しいですが、現代のオーソドックスなオーケストラで用いられる「モダン楽器」以前の楽器と考えるとわかりやすいかもしれません。誤解を恐れずに言えば、古楽・バロック期・古典派の時代に用いていた楽器のことです。

我々が普段目にするピアノはチェンバロからフォルテ・ピアノを経て現代のスタイルとなっています。チェンバロが弦を爪(プレクトラム)で弾いて演奏する撥弦楽器であるのに対して、フォルテ・ピアノはハンマーで弦を叩いて演奏する打楽器です。しかしフォルテ・ピアノはより現代のピアノに近い割には、張ってある弦がチェンバロのように細く強い音は出せませんでした。室内楽向けの楽器と言えると思います。

フォルテ・ピアノは改良を加えられ、音域を拡大していきました。さらにペダルが改良されたり、強い音が出せるような改良が加えられました。かのベートーヴェンもフォルテ・ピアノの進化に合わせて作曲するピアノ・ソナタの音域を拡大していきました。音域の拡大につれて、作曲の幅は広がり、演奏者も技巧を要求されるようになりました。

時代的にも貴族の地位が低下し、ベートーヴェン以降、主として貴族のためであった音楽は大衆にも開放されるようになりました。音楽がそれまでの<貴族のための室内楽>から大きなホールで演奏されるように変わったことで、求められたのは強い大きな音が出せることでした。それはピアノの進化の歴史と方向を同じくしています。

ヴァイオリンでも同じ事が言えます。バロック期に最高の名器は「アマティ」でしたが、現代では「ストラディヴァリウス」「グァルネリ」と言われます。それらが作られた時代はあまり変わりません。アマティは室内楽向けには良い楽器だったのですが強い音が出にくく、致命的なことに改造がしにくかったのです。「ストラディヴァリウス」や「グァルネリ」は大ホールでの演奏向けに改良するのに適していました。したがって、現存する「ストラディヴァリウス」や「グァルネリ」の多くは現代向けに改造された楽器です。

より派手で華やかに、演奏のチューニング・ピッチはどんどん上がっていき、楽器は改良されていきました。奏法も変わっていきました。我々が現代使用している楽器はそうした進化を辿ってきたものです。

一通りの演奏の可能性が尽くされて、作曲された当時の楽器・奏法・チューニング・ピッチで演奏してみたらどうかという流れが出てきました。これが古楽器ブームに火をつけました。そうした流れが生まれ始めた頃の時代と比べ、名手達がレベルを一気に押し上げました。

(気が向いたら)つづく

(補足)
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番作品106<ハンマークラヴィーア>の作曲の動機が新作のピアノを贈与されたことにあったとする説がありますが、否定的な説もあるので、下記に引用という形で示しておきます。

 作曲家別「名曲解説」ライブラリー③ ベートーヴェン 音楽の友社

スケッチ・ブックによれば、この曲にとりかかったのは 1817年 11月で、翌年初めには第 2楽書まで完成され、4月にルドルフ大公のために浄書が行われた。あとの 2つの楽章はその年の夏をメードリングで過ごしていた間にほぼでき上がったらしく、1819年の 3月には作曲も浄書もすべて終わっていた。

ベートーヴェンは 1818年の夏、ロンドンのピアノ製造者ブロードウッドから優秀なピアノを贈られた。当時、英国製のピアノは性能では他を圧していたが、ベートーヴェンはそれを贈与されたことでピアノ音楽への情熱をかきたてられ、この巨大なソナタを作曲することになったという説がある。ところがベートーヴェンが実際このピアノを手にしたのは 1818年の夏のことであるから、先に述べたように早く作曲された第 1, 2楽章はこの新ピアノとは関係なく作曲され、第 3, 4楽章だけが多分このピアノ到達以後の作品ということになる。とすると、その説を全面的には承服するわけにはいかない。

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7五飛戦法

By , 2009年3月9日 10:51 PM

時代と共に将棋の戦法は変遷を遂げています。昔は、「矢倉」や「棒銀」「腰掛け銀」といった戦法がオーソドックスで、「石田流」や「四間飛車」「中飛車」「雁木」といった戦法が時々指されました。「穴熊」は消極的な戦法として、少なくとも序盤から指向されることは少ない傾向にありました。

しかし、一時から「居飛車穴熊(イビアナ)」が大流行しました。穴熊に囲うことで終盤の速度計算がしやすく、守りを固めても少ない攻め駒で攻めるテクニックが発達したためです。この戦法の優秀さに振り飛車党は苦戦を強いられました。羽生善治名人は、イビアナを指したときの勝率が9割を超えていました。

そうしたイビアナ全盛期に、対抗手段が編み出されました。藤井猛九段が確立した藤井システムです。藤井猛九段は、この戦法で一世を風靡したのですが、研究の進歩と共に対抗手段が発達し、現在では藤井九段自体居飛車も指すようになってきています。

定跡の進歩が著しくなっていく中、後手が勝ちにくくなっていきました。後手番が考えたのは、常識を覆す戦法でした。「2手目3二飛」「4手目3三角」「ゴキゲン中飛車」「一手損角換わり」などです。「2手目3二飛」「4手目3三角」は昔なら行儀が悪いと破門されかねない突拍子もない戦法ですし、「一手損角換わり」については、駒組みの速度を競う序盤にわざわざ一手損する戦法なので棋士の盲点となっていました。

しかし、こうした後手番対抗策の出現で、2008年度は一時期後手番の勝率が先手番を上回りました。戦法の優秀さに加えて、対策が発達していないことや、従来の定跡が通用しなくなった点が、後手側躍進の理由だと思います。

そんな中、最近また新しい戦法が棋王戦の檜舞台で登場しました。今度は先手側の新戦法で、編み出したのは久保八段です。新しい戦法の名前は「7五飛戦法」と言います。

第34期 棋王戦五番勝負 第2局

石田流含みの作戦から、▲7五飛と浮きます。この手に△7四歩なら、▲4五飛とまわるのだそうです。この発想に感想戦を聞いた人達は驚愕したそうです。

実戦は一手一手深く読み合って均衡を保つ戦いが続きました。19手目先手5五角に対して、後手が3三銀と受けるのは、▲6五桂△6四銀▲同角△同歩▲7三銀△同桂▲同桂成△同金▲同飛成△7二飛▲同龍△同角▲6二飛△5二飛▲同飛成△同金▲7一飛で詰めろ角取りとなるので、後手は3三桂は必然なのです(週間将棋3月11日号より)。短手数の決着だったのですが、見所ある勝負でした。棋譜中継サイトの解説がいけてないのが残念でしたが、新しい戦法の出現にとまどったのでしょうか。

少しでも将棋を知った人は、上記の棋譜を見てみてください。従来の常識が覆されます。

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神経内科専門医試験

By , 2009年3月7日 9:53 AM

4月が近づくと神経内科専門医試験を思い出します。

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交流分析

By , 2009年3月6日 7:24 AM

今週の「東洋経済」を読んでいて、「営業に役立つ心理学」という項で、懐かしい記述がありました。

交流分析という心理分析の手法で、大学 2年生の頃、心理学の授業で習ったのを思い出しました。心理学の授業とはいっても、週一時間、一年間だけの講義でしたので、初歩くらいしか勉強していないので、難しいことはわからないのですが。

交流分析では、親の自我 Parent, 大人の自我 (Adult)、子供の自我 (Child) の自我のどれが強いかで特性を判断します。それぞれの自我はさらに細分化されます。

親の自我は Critical Parent (CP) と Nurturing Parent (NP) に分けられます。Critical Parentは批判的な自我で、父性を意味します。これが高いと、物事や他者を批判的に捉えます。Nurturing Parentは優しさや愛情を表し、母性を意味します。これが高いと過保護になったりします。

大人の自我は Adultのみです。親の自我と子供の自我のバランスをとります。どのようなときにどのような行動が適切なのか、冷静に考えます。仕事には必要な自我なのですが、あまりに高いと「冷たい人」という印象を与えます。

子供の自我は Free Child (FC) と Adapted Child (AC) に分けられます。Free Childは奔放で自由な子供で、悪く言えばわがままです。一方で創造的でもあり、芸術家などに向いているかもしれません。Adapted Childは従順な子供で、良い子で適応的なのですが、反抗的側面も持ちます。一見、従順である分には良いように思うのですが、適応しようとしすぎてストレスをため込みやすくなります。

自分がどの要素が強いかは、心理検査で調べることが出来ます。下記のサイトに心理検査が載っていますので、やってみると面白いです。

交流分析 エゴグラム

私は、Free Childの要素が強いようで、20点満点でした。良く言えば芸術に向いているのかもしれませんが、わがままで子供っぽい面があるとも言えるのでしょうね。こうした心理検査では、どういう自我を持っているかと言うより、それを知って活かすことが大切です。自分がどういう傾向を持っているかわかれば、自分を客観的に見て、物事に上手く対処できるようになります。

交流分析では、更にこれを進め、自分のどの部分の自我が相手のどの部分の自我にアプローチしているのか考えます。例えば Adultから Adultになされた交流は Adultに返されれば補完的ですが、相手が Childから Parentに返してくれば交錯した交流と考えます。今日書いたのはさわりだけですが、エゴグラムや交流分析のサイトはたくさんありますので、いくつか眺めてみると面白いかもしれません。

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