Neurology誌におぞましい論文が掲載されていました。シンガポールからの報告です。
鎮痛目的に使用する薬に Buprenorphineというオピオイドがあります。商品名でレペタンというと、癌診療に従事する多くの医師は使ったことがあるでしょう。
正しい使用法、正しい容量で使用すれば、状況によっては有用な薬なのですが、悲しいことに多くのオピオイド系薬剤と同様に依存症の患者が存在します。
この錠剤を自分で溶解して注射した患者が起こした脳梗塞をまとめたのが、今回の Neurology誌の報告です。注射痕が頸部にあり、頸動脈に注射したなどという乱暴なものもあり、にわかには信じられませんでした。日本では聞いたことがありませんが、シンガポールは薬物汚染が進んでいるんでしょうか?
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当直をしていて、興味深い症例に遭遇しました。
今年 10月に発熱しインフルエンザ A型陽性であった (と本人が言っていた) 10歳代の患者が、発熱のため私が当直する病院を受診しました。インフルエンザ迅速キットで検査すると、インフルエンザA型陽性。
ひょっとすると、どちらかが季節性で、どちらかが新型だったのかもしれません。
ということは、都内でも新型に隠れて季節性が流行り始めているのかもしれませんね。まぁ、治療は一緒なので、それほど困ってはいませんが・・・。
話は変わりますが、昨日の当直では未だに治癒証明書を求める方が何人もいらっしゃって辟易としました。この証明書、医療機関に負担をかける反面、意味を持たないものです。厚生労働省も文部科学省も意味がないというお達しを出しているのに、学校にはきちんと届いているんでしょうか?
前回購入したコーヒーの粉がなくなってきたのをきっかけに、しゃんでりあの君の助言どおり、今後コーヒー豆からコーヒーを作ることにしました。
早速、Kalita セラミックミル C-90 (ブラック)を注文しました。
ついでに、Melitta ステンレス キャニスター MJ-2156も発注。
さて、あとは豆だけです。
11月 10日に第 11回ニューロトピックス21という研究会に出席してきました。
今回は趣向を変えて二木立先生を招いて「臨床医のための医療経済学入門」という講演でした。
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「ベートーヴェンの生涯 (ロマン・ロラン著、片山敏彦訳、岩波文庫)」を読み終えました。短い小説なので、色々な方に是非読んで頂きたいです。
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11月 8日 (日) は知人の結婚式に行ってきました。
前日夜から郡山に入り、当日朝 4時まで飲んでいたこともあって、10時の式に間に合うように起きられるかが不安でしたが、自然と目が覚めました。二日酔ではありましたが。
披露宴は、赤を基調としたヨーロッパの王宮のような装飾で、すごく豪華な雰囲気の中行われました。新郎、新婦とは一緒に働いたことがあるのですが、さすがに病棟とは全然感じが違いました。
私は、挨拶代わりに演奏をさせて頂きました。曲はエルガー作曲の「愛の挨拶」の他に急遽一曲増え、モーツァルトを演奏しました。
・W.A. Mozart – Divertimento No.17 in D Major K.334 – Menuetto
相当緊張しましたが、精一杯の演奏が出来、何とか無難に終わり、一安心でした。
式後、ちょっとした時間を使って、泉屋酒店に行き、「飛露喜」「野ウサギの走り」を入手することが出来ました。
二次会では旧友たちと再会を懐かしみました。とはいっても、私は夕方から東京で飲み会があり、あまり長く話す時間がなかったのが残念です。
そんな中、一人の呼吸器の先生が、「忙しくて体調を悪くしていて、一日中不整脈が出るのです。血圧も収縮期が 88 mmHgくらいだし、脈は 50 bpmくらいだし、右脚ブロックもあるし、中性脂肪も 36 mg/dlしかなかったし・・・」と訴えていたのが気になりました。体は大切にしないと。
さて、私自身の結婚はと聞かれることが増えてきたのですが、後輩によると、結婚には以下の 3つが必要なのだそうです。
1. Feeling
2. Timing
3. Happening
ハプニングをお待ちしています。
ヒトのDNAのすべての遺伝情報(ゲノム)を、一人分わずか40万円で解読できる新技術を米企業の研究者らが開発し、5日付の科学誌サイエンス(電子版)に発表した。これまで報告がある中で最も安価だった400万円余の10分の1。個人が自分のゲノムを調べ、病気の予防や健康作りに役立てる「パーソナルゲノム」の時代が間もなく到来しそうだ。
ヒトのDNAの遺伝情報は4種類の塩基が対になった塩基対の配列で記され、すべて合わせると30億塩基対ある。米カリフォルニア州のコンプリートゲノミクス社などのチームは、DNAの短い断片をコピーしてつなげて「DNAナノボール」という固まりを作る技術などを開発、男女計3人分のゲノムを機械で一気に読み取った。誤読は塩基10万対あたり一つ程度という精度の高さだ。
ゲノムには、特定の病気のなりやすさや薬の効きやすさ、酒酔いのしやすさなどの体質に関する情報が含まれており、ゲノムを一度調べればそれらが網羅的にわかると期待される。個人のゲノム解読にかかる時間と費用は、03年に終了したヒトゲノム計画時にはおよそ10年、1千億円以上ともいわれたが、技術進歩で近い将来、15分、1千ドル(約10万円)程度にできると予測する企業もある。
ただ、ゲノムは「究極の個人情報」とも呼ばれる。実用化に向けては倫理面の配慮や情報管理をより慎重に行う必要性もある。(小堀龍之)
次世代シークエンサの進歩によるものですね。
人のゲノムは iPodに全部納めることが出来るくらいの情報量なので、将来自分のゲノムを持ち運ぶことも可能になるかもしれません。
ただ、自分の遺伝子を知りたいかというと、難しい問題ですね。遺伝子異常が明らかになって、将来何歳くらいで不治の病を発症するか明らかになったとしたら、相当つらいものがあります。
何人かの遺伝異常を持つ方を診ましたが、発症していないにも関わらず、遺伝子異常を持っていると知っただけで自殺を図った方もいます。
安易な商業化は避けるべきだとも思うのですが。
11月6日5時3分配信 時事通信
ウマの全遺伝情報(ゲノム)の概要を解読した成果の論文を、米マサチューセッツ工科大とハーバード大のブロード研究所や日本中央競馬会(JRA)競走馬総合研究所(宇都宮市)などの国際研究チームが6日付の米科学誌サイエンスに発表した。
解読データは2007年2月に公表され、ウマ遺伝子の個体差や働き具合を調べられるようになった。競走馬総合研究所の長谷川晃久生命科学研究室長は「解読成果をウマの健康管理や生理学の理解に活用したい」と話している。
解読対象は「トワイライト」と名付けられた雌のサラブレッド。ゲノムのサイズは約27億塩基対と、イヌより大きく、ヒトやウシより小さかった。遺伝子数は約2万個と推定された。
ウマは6000~4000年前に野生種が家畜化されたと考えられるが、アラブなど他品種についても遺伝子の個体差を解析した結果、家畜化がユーラシア大陸の広い範囲で同時進行したとの見方が裏付けられた。
ウマの遺伝子のうち、約1万5000個はヒトとほぼ共通であり、染色体上の遺伝子の構成も半分が同じだった。ウマにはヒトに似た遺伝性疾患が多数あり、研究成果はヒトの医療にも役立つという。
馬の塩基配列がすべて明らかになって、多くの馬での情報が集まった後、速く走るための遺伝子、スタミナ遺伝子とかが明らかになったらどうでしょう?
出生馬の毛とか血液から遺伝子を同定して、どの程度走るか予測。セレクトセールでの失敗は減るでしょうね。遺伝子次第では、走る前に能力なしと見なされて処分される馬が出るかもしれません。
もっと進むと、遺伝子操作で競走馬を作る時代がくるかもしれません。法で禁止しても、こっそり行うことは技術的に可能と思います。
プラスの面では、遺伝子により病気の発症を予測して、過度のトレーニングを控えることが出来るかもしれません。
ひょっとすると、あと10~20年すると、こうした技術のせいで競馬界はかなり変わってくるかもしれませんね。
音楽の世界には、「びよらジョーク」と呼ばれる小話集があります。オーケストラで目立たないヴィオラをからかったジョークを集めたものです。
Viola Jokes
ヴィオラ弾きの音程が悪いことや、多くの人がヴィオラに興味を持っていないことを自虐的に扱っています。これが派生してヴァイオリンジョークなども生まれました。他の楽器のものもあります。
びよらジョークに触れた日本語のブログを紹介。
考える葦笛-ビオラ・ジョーク傑作集です!-
そのほか、日本語で最も多くのびよらジョークをあつかったサイトが下記です。ただ、ブラウザによっては文字化けすることがあるかもしれません。その際は、ブラウザの「エンコード」を「日本語 (EUC-JP)」を選択してご覧くださいい。
楽器ジョーク