シャコンヌ-ピアノ編-

By , 2010年7月30日 8:19 AM

バッハのシャコンヌの編曲。紹介の旅の終点はピアノ編曲です。

シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュート、管楽器、声楽、チェンバロと紹介してきた中で、原曲を除くと一番有名なのはピアノ編曲かもしれません。なぜなら有名な作曲家が編曲しているからです。

一つはフェルッチョ・ブゾーニによる編曲、もう一つはブラームスによる編曲です。ブゾーニ版は華麗に栄える編曲ですが、ブラームス版はエッセンスのギュッと詰まった編曲です。それぞれ対照的で面白いです。ブラームス版は左のみで演奏することが要求され、技術的に非常に難度が高いらしいです。

ブゾーニ版の演奏はエレーヌ・グリモーです。あまりに美人だったので、どんな演奏家か Wikipediaで調べてみたところ、大学で動物生態学を学び、オオカミの生態を研究しながら保護に努めているらしいです。「男はオオカミ」って言いますけど、そっちのオオカミじゃないですよね・・・多分。

・Helene Grimaud Chaconne in D minor -1-

・Helene Grimaud Chaconne in D minor -2-

・Bach – Brahms : Chaconne – (1/2)

・Bach – Brahms : Chaconne (2/2)

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シャコンヌ-チェンバロ編-

By , 2010年7月29日 7:27 AM

長々と紹介してきたシャコンヌの編曲も後2回。今回はチェンバロ編です。

これまでは、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュート、管楽器、声楽を紹介。長い旅でした。

・J. S. Bach – Ciaccona BWV 1004 Part 1

・J. S. Bach – Ciaccona BWV 1004 Part 2

チェンバロ編曲は原曲より音符が増え、凄く新鮮に聞こえます。装飾が綺麗ですし、アルペジオの部分も圧巻ですね。極自然に聞こえるので、元々こうした曲だったのをバッハが省略を重ねて現在のようなスタイルに落ち着いたのではないかとすら感じました。

さて、次はいよいよピアノ編。有名作曲家による編曲で締める・・・筈です(新しい編曲がみつからなければね)。

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シャコンヌ-声楽編-

By , 2010年7月27日 7:22 AM

バッハのシャコンヌの編曲も、残すところは声楽と鍵盤楽器のみ。これまでは、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュート、管楽器を紹介しました。

今回は声楽を紹介します。ヒリアードアンサンブルはバロックの歌曲に定評のある声楽のアンサンブル団体です。バッハのシャコンヌも声楽のみ、声楽+ヴァイオリン(古楽器)で録音しています。これらは「Morimur」という CDに収録されています。

ヒリアードアンサンブルの凄いところは、声楽でありながら音律に厳格であるところです。ヴァイオリンの巨匠達の言を聞くと、わざと音律から外して音を高く或いは低くとることがあり、それが一つの大切な表現ではあるのですが、ここでは音律に厳格な演奏が作り出す演奏効果を実感することができます。特筆すべきはノン・ビブラート奏法です。高音をノン・ビブラートで唱うのは相当怖いと思いますが、脳天を刺激するような音色を作り出しています。オペラでは声量を要求されるので、体格の劣った日本人の声楽家に不利な面があると思いますが、こうした繊細さを要求される奏法は、あまり体格が関係なさそうなので、日本人声楽家に向いているのではないかと思いました。

ヒリアード・アンサンブルのこの録音は、私のお気に入りです。是非聴いてみてください。

・Bach Chaccone with Chorales Hilliard Ensemble 1 of 2

・Bach Chaccone with Chorales Hilliard Ensemble 2 of 2

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シャコンヌ-管楽器-

By , 2010年7月26日 6:25 AM

シャコンヌの編曲の紹介、続きです。結構お腹一杯になってきた感もありますが、あと数回あるのでお付き合いください。今週中には終わる予定です。

復習すると、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュートでした。

今回は管楽器。趣が全然違います。フルートは和音を分散して演奏していますが、違和感ありません。トランペットはオーケストラをバックにつけ、ソロという形で演奏していますが、壮大なスケールを感じます。

・J.S. Bach: Chaconne BWV 1004, arranged for flute (part 1/2)

・J.S. Bach: Chaconne BWV 1004, arranged for flute (part 2/2)

・Chaconne: BWV 1004 for orchestra by J.S.Bach for Trumpet solo by Erich Kunzel

何と、ファゴットというのもあります。この動画はシャコンヌだけではなくて、パルティータ第2番全曲の触りだけを演奏してあります。CDを注文するか会員登録されていると全曲聴けるようです。シャコンヌは 4分25秒からです。

・J.S.BACH/Ryohei Nakagawa : Partita II BWV-1004 -The Chaconne-

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シャコンヌ-ギターとリュート-

By , 2010年7月25日 2:28 PM

バッハのシャコンヌ特集。えと、これまで紹介したのが、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロでした。まだまだ続きます。

今回はギターとリュート。撥弦楽器の方が和音が弾きやすいので、この曲は演奏しやすいと思います。音の減衰が、何か落ち着いた雰囲気を生み出していて良いですね。

・Andres Segovia Plays Bach Chaconne (Part 1)

・Andres Segovia Plays Bach Chaconne (Part 2)

・Bach / Ciaccona (part 1) of Solo Violin Partita Ⅱ BWV1004, M.Okazawa(Lute)

・Bach / Ciaccona (part 2) of Solo Violin Partita Ⅱ BWV1004, M.Okazawa(Lute)

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シャコンヌ-弦楽合奏編-

By , 2010年7月22日 8:17 AM

バッハのシャコンヌの様々な編曲について、7月 21日にオーケストラ版を紹介しました。今回は弦楽合奏についてです。

まず紹介するのはチェロカルテットです。

・I. S. Bach, Chaconne, cello quartet – I

・I. S. Bach, Chaconne, cello quartet -II

チェロ4台だと迫力がありますね。聴くと結構疲れますけれど (^^;

かと思えば、カルテット版もあるようです。これは弾いてみたいですね。

・Bach Chaconne

聴くとアマチュアの演奏でしょうか。プロの演奏も聴いてみたい気がします。

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シャコンヌ-オーケストラ編-

By , 2010年7月21日 7:21 AM

7月19日に紹介したバッハのシャコンヌ。これから色々な編曲を紹介していこうかと思います。

オーケストラ編曲としてはストコフスキー版と斎藤秀雄版が有名ですね。ストコフスキーは高名な指揮者でしたし、斎藤秀雄氏はチェリストとして或いは指導者として名を残しました。お二人とも残念ながら亡くなりましたが、斎藤秀雄氏の教え子らはサイトウ・キネン・オーケストラを作り、現在でも長野県松本市を中心に活動しています。教育のすばらしさを感じさせられます。斎藤秀雄氏はバッハの無伴奏曲に特に関心を寄せていたそうで、弟子達に楽譜を声部毎に色分けさせていたという話をどこかで読んだことがあります。ストコフスキーと斎藤秀雄の編曲を聴き比べてみるのも楽しいですね。ストコフスキーの編曲の方が有名ですが、個人的には斎藤秀雄氏の編曲の方が聴いていてワクワクします。

・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Stokowski’s transcription) – Part 1

・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Stokowski’s transcription) – Part 2

・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Hideo Saito’s transcription) – Part 1

・Bach’s Chaconne for orchestra BWV 1004 (Hideo Saito’s transcription) – Part 2

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シャコンヌ

By , 2010年7月19日 7:08 AM

バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータには素晴らしい曲がたくさんありますが、最も有名なのがパルティータ第 2番最終楽章の「シャコンヌ」でしょう。私も好んで良く演奏する曲です。難易度が高いので人前で弾くのは嫌ですが・・・。

名演奏とよばれる録音はたくさんありますが、ここでは私がお気に入りのミルシテインの演奏を紹介しておきます。出だしの音が少しきつく聞こえるかもしれませんが、聴いているうちに引き込まれます。

・Bach BWV 1004 Chaconne Nathan Milstein Violin – Part 1

・Bach BWV 1004 Chaconne Nathan Milstein Violin – Part 2

Henryk Szeryngもバッハの演奏にかけては凄く評価の高いヴァイオリニストです。一部分を Youtubeで見ることが出来ますのでこちらも紹介しておきます。

・Henryk Szeryng – chaconne

さて、このシャコンヌは色々と編曲されていることでもお馴染みです。ブラームスやブゾーニの編曲はピアノを弾かれる方なら御存知でしょうし、ストコフスキーはオーケストラ用に編曲しました。今後、編曲について少しブログで触れていきたいと思いますので御覧ください。

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将棋と脳科学

By , 2010年7月18日 8:57 PM

「将棋と脳科学 (NPO法人 脳の世紀推進会議編, クバプロ)」を読み終えました。2009年 9月 30日に行われた第17回「脳の世紀」シンポジウムでの公演を収録した本です。

最初は羽生善治名人による「脳の可能性」という特別講演。定跡がデータベース化されていく中どのようにデータを扱うかや、現代将棋の特徴などについて、長考しているときの心理状態についてなどをわかりやすく講演しました。

棋士が一手に数時間長考しているとき、何を考えているかに興味がありますが、実は選択肢が選べなくて迷っている場合も多いらしく、羽生名人は「ここはこのように進めようって割り切れるときが、非常に調子のよいときになります」と述べられていました。

また目隠し将棋にも触れています。私も先日研修医と目隠し将棋をして何とか勝ちましたが、頭の中だけで一局駒を動かすのはなかなか大変な作業です。羽生名人は盤面を頭の中で4分割して覚えると話していましたが、私が指したときにも無意識のうちにそうしていました。ただ、私の場合、4分割した盤を統合しようとしても一つにくっつかないんですよね。佐藤康光九段はいっぺんに3人とか5人と目隠し対局出来るそうで、びっくりしました。

次の講演は中谷裕教氏の「将棋棋士の直感を脳活動から探る」でした。中谷氏は私が理化学研究所を訪れたとき話し込んだ研究者です。そのときの様子をブログ記事に書いたことがあります。今回の講演では、思考の小脳仮説について述べられていました。運動のモデルが小脳に蓄えられているとする考え方はかなり確立したものです。運動では手や足を動かしますが、思考ではイメージや概念を操作します。両者は学習効果や「何かを操作する」という点など共通する点が多いので、思考も運動と同じように小脳で扱われるのではないかというのが小脳仮説です。そこで直感について考えてみると、直感は「熟練者が無意識で自動的に、なおかつ素早く正確に」考えられた結果ですので、小脳が大きく関与しているのではないかと考えられます。中谷氏らの講演は、プロ棋士に脳波や fMRIを用いて行った実験などがふんだんに織り込まれていてとても面白いので、是非本書を読んでみてください。

近山隆氏はコンピューター将棋について講演をしました。人間は直感的に次に指す手、ないし数手先の局面を思いつき、それを検証していきますが、コンピューターには直感という方法がとれません。ルールで許される手を全て検証していくしかないのですが、一局最後までルール上可能な手を全部挙げると、全宇宙の素粒子数を上回るほどの可能性があるとも言われるくらいで、全部を検討するのは現実的には不可能です。そこで絞り込みが行われます。ミニ・マックス探索とか静的評価関数などといった方法がとられるのですが、こうした技法について初めて読んだのでとても新鮮でした。

笠井清登氏は統合失調症の脳病態について講演されました。将棋には直接関係ありませんでしたが、光トポグラフィーなど最近のトピックスを勉強することができました。

最後の講演は鍋倉淳一氏の「発達期の神経回路の再編成」でした。未熟期や脳損傷後の脳では大雑把な神経支配しかされていないので、大きな動きしかすることができません。例えば、赤ちゃんはチョキができないそうです。しかし、成長、あるいは神経損傷の回復に伴い余剰シナプスを除去することで、より選択制の高い運動ができるようになります。

GABAは神経細胞に対して通常抑制的に働きます。すなわちGABAによって Clチャネルが開くと、細胞内に Clが流入してきて細胞電位が下がるのです。しかし、未熟期では細胞内の Cl濃度の方が高いため、GABAによって Clチャネルが開くと細胞内から Clが流出し、細胞内電位は高くなります。すなわち GABAが興奮性に働くのです。これは非常に面白い現象だと思いました。脳損傷後の脳も、未熟期の脳と同じように GABAの抑制作用が減弱しているそうで、しばらくして徐々に GABAのはたらきが回復してくるそうです。未熟期からの脳の発達と、神経損傷の回復の共通点が見られて興味深いですね。

まだまだ面白い話はたくさんあるのですが、紹介しきれないので簡単に概要を紹介するに留めました。脳科学や将棋に興味がある方は是非読んでみてください。

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ミックス

By , 2010年7月17日 12:45 PM

以前、二つの曲をミックスさせて演奏する杉ちゃん&鉄平についてお伝えしました。

Youtubeをプラプラと眺めていたら、「Melo Holic」というデュオを見つけました。

・残酷な天使のテーゼ+ハンガリー舞曲第5番 【MeloHolic】

・スーパーマリオシリーズとエンターティナーを混ぜ混ぜしてみた

ミックスしたというか、ほとんど原曲を繋げただけのような気が・・・。編曲も演奏も「杉ちゃん&鉄平」に及ばない気がするのですが、可愛いから許す (爆)。これが噂に聞く「萌え~」ってやつですかね (^^)

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