シャコンヌ-声楽編-

By , 2010年7月27日 7:22 AM

バッハのシャコンヌの編曲も、残すところは声楽と鍵盤楽器のみ。これまでは、シャコンヌ原曲、オーケストラ版、弦楽合奏版、ビオラとチェロ、ギターとリュート、管楽器を紹介しました。

今回は声楽を紹介します。ヒリアードアンサンブルはバロックの歌曲に定評のある声楽のアンサンブル団体です。バッハのシャコンヌも声楽のみ、声楽+ヴァイオリン(古楽器)で録音しています。これらは「Morimur」という CDに収録されています。

ヒリアードアンサンブルの凄いところは、声楽でありながら音律に厳格であるところです。ヴァイオリンの巨匠達の言を聞くと、わざと音律から外して音を高く或いは低くとることがあり、それが一つの大切な表現ではあるのですが、ここでは音律に厳格な演奏が作り出す演奏効果を実感することができます。特筆すべきはノン・ビブラート奏法です。高音をノン・ビブラートで唱うのは相当怖いと思いますが、脳天を刺激するような音色を作り出しています。オペラでは声量を要求されるので、体格の劣った日本人の声楽家に不利な面があると思いますが、こうした繊細さを要求される奏法は、あまり体格が関係なさそうなので、日本人声楽家に向いているのではないかと思いました。

ヒリアード・アンサンブルのこの録音は、私のお気に入りです。是非聴いてみてください。

・Bach Chaccone with Chorales Hilliard Ensemble 1 of 2

・Bach Chaccone with Chorales Hilliard Ensemble 2 of 2

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