科学者と芸術家
以前読んだ「物理学者の心」が面白かったので、寺田寅彦の他の随筆も読んでみました。
短い随筆なので上記リンクを実際に読んで頂くのが早いのですが、科学と芸術の相違点に触れつつ共通する根幹部分を述べています。特に感銘を受けたのが下記の部分でした。
長い間考えていてどうしても解釈のつかなかった問題が、偶然の機会にほとんど電光のように一時にくまなくその究極を示顕する。その光で一度目標を認めた後には、ただそれがだれにでも認め得られるような論理的あるいは実験的の径路を開墾するまでである。もっとも中には直感的に認めた結果が誤謬である場合もしばしばあるが、とにかくこれらの場合における科学者の心の作用は芸術家が神来の感興を得た時のと共通な点が少なくないであろう。