モーツァルトを「造った」男 ケッヘルと同時代のウィーン
「モーツァルトを『造った』男 ケッヘルと同時代のウィーン (小宮正安著、講談社現代新書)」を読み終えました。モーツァルトを「造った」という表現がタイトルにありますが、モーツァルトが生きた時代にはモーツァルトよりハイドンの方が有名であり、モーツァルトは様々な政治的な要因があり、後世ウィーンの音楽の象徴となった訳です。もちろん音楽自体のすばらしさは言うまでもありませんが、ケッヘルがモーツァルトの楽譜を集め、散逸を防ぎ、ほとんどの作品を網羅した目録を作り上げていなければ、今日ここまでモーツァルトの楽曲は耳に出来なかったかもしれません。モーツァルトがいかにして今日の姿に造られたかは、是非本書を読んで頂ければと思います。
音楽の勉強をしていると、「時代背景を勉強しなさい」と言われますが、本書を読んでモーツァルトやケッヘルの置かれた時代の流れがとても勉強になりました。特にウィーン旅行を考えている方には、是非読んで頂きたい一冊です。
以下、備忘録。
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