アメリカでの Dabigatran訴訟

By , 2012年8月22日 9:54 PM

以前お伝えした新薬 Dabigatran (商品名:プラザキサ) は、年間 10億ドル規模の売上を誇る抗凝固薬ですが、アメリカで集団訴訟とのニュースです

Blood-thinner Pradaxa target of mass-claims suit

By Bobby Allyn, The Tennessean

Updated 2d 13h ago

NASHVILLE, Tenn. — After taking the blood-thinning drug Pradaxa for three weeks,Charles Jackson experienced intestinal bleeding. His doctor told him to get off the drug, which he began taking after suffering a stroke last September.

Months later, Jackson, 75, a retired truck driver from the rural railroad community of Hohenwald, saw a television advertisement imploring patients who had complications with Pradaxa to dial 1-800-BAD-DRUG to learn more about joining a lawsuit against the drug company.

Now Jackson is among hundreds of other patients around the country who are teaming against an anti-stroke drug whose sales eclipsed $1 billion last year. Joining the suit thrusts Jackson into the high-dollar stream of product liability lawsuits, a burgeoning world of mass claims in which specialty law firms cast a wide net for injured consumers who represent the pitfalls of marketing risky products. (続きは上記タイトルリンク先参照)

この薬剤には様々なメリットがある一方で、副作用の出血性合併症についても、色々耳にしています (・・・とはいえ、従来使用されてきたワルファリンにも出血性合併症はあります)。アメリカでは、この薬剤のメリットと副作用のバランスをどう取るのか、今後の展開に注目です。

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Parkinson病のニュース

By , 2012年8月22日 8:40 AM

Parkinson病についての研究がニュースになっていました。2年前にお伝えしたニュースの続報です。

パーキンソン病:発症抑える仕組み解明 都医学総研所長ら

毎日新聞 2012年08月22日 00時37分

 神経難病「パーキンソン病」の発症を抑える仕組みを、田中啓二・東京都医学総合研究所長らのチームが解明し、21日の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に発表した。パーキンソン病の原因となる細胞内の小器官「ミトコンドリア」の異常を早期に見つけることが可能になり、病気の早期発見、治療に役立つという。

パーキンソン病のうち20〜30代で発症する「若年性パーキンソン病」は、二つの遺伝子が働かないことでミトコンドリアの異常が蓄積し、運動障害が起きる。

チームは、二つの遺伝子のうち「ピンク1」の働き方を調べた。その結果、ヒトの正常なピンク1遺伝子は、ミトコンドリアに異常が起きるとリン酸と結び付いて働き始め、異常ミトコンドリアが分解された。一方、若年性パーキンソン病患者のピンク1遺伝子は、リン酸と結び付かず機能しなかった。

チームの松田憲之主席研究員は「異常ミトコンドリアの増加や分解が進まないときに、リン酸と結びついたピンク1遺伝子を検出する方法を開発すれば、病気の早期発見につながる」と話す。【永山悦子】

論文リンクはこちら。

PINK1 autophosphorylation upon membrane potential dissipation is essential for Parkin recruitment to damaged mitochondria

ここで論文にされた Parkin-PINK1系については、次々と新しいことがわかってきているので、今後の課題は Parkin, PINK1変異による遺伝性 Parkinson病で得られた知見を孤発性 Parkinson病にどこまで活かせるか、ですね。

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