外来を愉しむ攻める問診
「外来を愉しむ攻める問診 (山中克郎著、文光堂)」を読み終えました。
診察において問診は極めて重要で、問診のみでほぼ診断がつく病気は珍しくありません。診察や検査は、それを裏づけるための補助的なものにすぎないことはしばしばです。また、通常問診によって当たりをつけてから、行う検査を決定します。従って、問診の巧みさは医師の診断能力に直結しています。
本書は、主訴別に想定しなければならない疾患を挙げ、それに対する問診の仕方について、感度・特異度を織り交ぜながら解説しています。また頻度の少ない疾患であっても、見逃すと危険性が高い疾患をピックアップするテクニックも示されています。
内容が豊富で一度読んだだけでは消化できなかった部分があるので、時間をあけてから再度読みたいです。何度も読むだけの価値のある本だと思います。
なお、最近患者家族になった知り合いの先生曰く、「問診は時に侵襲的ですので、用法用量を守って正しくご使用ください」とのことですので、それは肝に命じておきたいと思います。