動画による不随意運動検討会2014

By , 2014年3月13日 9:28 PM

動画による不随意運動検討会2014に参加してきました。

まず、不随意運動の定義が示されたあと、多数の不随意運動の動画が提示されました。以下、取ったメモの内容です。

 動画による不随意運動検討会2014

2014年3月6日 (木) 18:50~

野村コンファレンスプラザ新宿

「不随意運動の動画による鑑別診断」

演者:順天堂大学 名誉教授 水野美邦

不随意運動:「意思に基づかない不合理な運動」「意識は覚醒している」「てんかんは除く」「Restless leg’s syndromeは除く」

①Chorea:鑑別 L-Dopaによる peak-dose dystonia, Huntington disease, DRPLA

②Chorea:Huntington-disease like 2 (HDL2)

③Chorea: 小脳 atrophyあり、SCA-17, CAG repeat 47/39

 HD like symptomを来す疾患:Huntington disease, HDL1 (psychiatric), HDL2, HDL4 (SCA-17), DRPLA

④Pantothenate kinase-associated neurodegeneration (Hallervorden–Spatz syndrome)

⑤Dystonia-Parkinsonism, oral dyskinesia:頭部MRIで線条体/視床の低信号あり、血清フェリチン低下→Neuroferritinopathy

⑥Postural tremor:血清鉄低値、血清フェリチン高値→Aceruloplasminemia

⑦Chorea:尾状核の萎縮あり, CK上昇あり→Chorea-acanthocytosis

⑧左上下肢不随意運動:Pallidolusyan TIA

⑨Hyperglycemic chorea

⑩Chorea Ballism:Hyperthyroidism

⑪疼痛を伴う spasm (8歳):DYT TorsinA mutation, GPiの DBSにて改善

⑫Dystonia-Parkinsonian tremor-retrocolis:DYT3 (Lubag)

⑬運動負荷での dystonic posture:DYT5, GCH1 mutation

⑭書字でのミオクローヌス, 頭頸部ミオクローヌス (8歳, 発症は 1歳):DYT11, myoclonic dystonia, GPiの DBSにて改善

⑮Parkinsonism+dystonia:DYT12, ATP1A3 mutation, L-Dopa無効, 急激な発症をするが沈静化してそれ以上進行しない

⑯DYT13:DYTは現在 25まで知られている

⑰顔面の不随意運動 (dystonia):Meige syndrome=かたい (DPi DBSで改善), 鑑別 Oro-bucclungual dyskinesia=やわらかい (原因:メジャートランキライザー, L-Dopa・・・)

⑱Sulpiride 8年服用し、中止 1ヶ月後に発症, 流涎と舌の不随意運動:Tardive dyskinesia→治療 D2 antagnoist (Tiapride) の一時増量

⑲peak-dose dyskinesia:治療 塩酸アマンタジン 300 mg投与, 日本人なら 100 mgでも良いかもしれない。一時的に改善するが、一年くらいして再度出てくる。その場合は drug 減量~offとするが、parkinsonismに効いている場合は継続する。

⑳L-dopa内服して 15分で下肢の不随意運動:L-Dopa induced onset-of-dose dyskinesia, あまり治療はしない

㉑Camptocormia:腰椎or胸椎下部で曲がる, 胸椎上部だと stooped posture

㉒PISA syndrome

㉓Ante-collis (首下がり):MSAに多く、parkinson病には少ない

㉔無酸素脳症の既往, ミオクローヌス:γ-Hydroxybutyric acidが有効だったという症例報告あり、ただし日本では麻薬に指定され使えない

㉕上腹部の異常収縮, sensory trickあり:propriospinal myoclonus (v.s. psychogenic movement disorder), psychogenicが少なくない

㉖歩行で全身が前屈してくる:生食投与で不随意運動が消失→心因性

psychogenic movement disorders:奇異な運動、急性発症あり、のろい動作・運動、見せびらかすような所作、一人の時はあまり出ない、生食でも改善、暗示にかかりやすい、ストレス・心因がある、secondary gainがある。

非常に内容豊富で、「動画による不随意運動検討会 2013」に引き続き、勉強になりました。

DYTに関しては、遺伝子が沢山見つかり、その道の専門家でないと把握しきれないくらいになってますね (^^;

残念ながら、「動画による不随意運動検討会」は今年で終わりらしいですが、引き続きこうして勉強できる機会を探したいと思います。

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