アスピリンの話
神経内科では、脳梗塞の二次予防によく抗血小板薬を使います。具体的にアスピリン、クロピドグレル、シロスタゾールといった薬剤です。
さて、2014年8月5日に、アスピリンを内服することによる癌予防効果が副作用を上回るかもしれないという、興味深い論文が発表されました。
Estimates of benefits and harms of prophylactic use of aspirin in the general population
論文によると、75~325 mgのアスピリンを 5年以上飲むと、メリットがデメリットを上回るらしいです。50~65歳に限っていえば、10年間アスピリンを内服することで、15年あたりの癌、心筋梗塞または脳卒中患者が、相対リスクで 7% (女性)/9% (男性) 減少し、20年間あたりの死亡が、相対リスクで 4%減少するという結果だったそうです。
アスピリンは、大腸癌の予防や乳癌の再発予防においてもいくつか知見が出ているみたいですし、面白いですね。