TUBA4A

By , 2014年10月25日 8:08 AM

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の原因遺伝子がまた新たに同定されました。2014年10月22日の Neuron誌に論文が掲載されています。

Exome-wide Rare Variant Analysis Identifies TUBA4A Mutations Associated with Familial ALS

著者らは、Exome-wide rare variant analysisという手法を用い、363例の家族性 ALS患者を調べました。そして、チューブリン Alpha 4Aをコードする TUBA4Aを原因遺伝子として同定しました。TUBA4Aの変異部位は、G43V, T145P, R215C, R320C/H, A383T, W407X, K430Nでした。TUBA4Aの変異は、微小管ネットワークを不安定化させ、再重合能を低下させるそうです。微小管というと、国立精神神経センターなどが研究している軸索輸送などにも関わってくる話でしょうか。

今回の論文は、患者検体を用いた遺伝子解析と、生化学的な機能解析のみが記載されています。今後 TUBA4A変異がある ALS患者の臨床像を記した論文が出てくるのを楽しみに待ちたいと思います。

なお、TUBA4Aのように細胞骨格に関連した ALS原因遺伝子だと、以前紹介した ARHGEF28を思い出します。現在、ALS研究では RNA代謝の話題がホットですが、こちらの方面での研究も加熱しそうです。

Post to Twitter


Panorama Theme by Themocracy