The Future of Research in Parkinson Disease
JAMA neurologyにパーキンソン病の最先端の研究について簡単に纏められていました。いくつか知らない研究があったので参考になりました (iPS細胞を用いた治療には触れられていませんでした)。
The Future of Research in Parkinson Disease
☆パーキンソン病の原因、いつどこで変性が始まるのか
黒質の細胞体ではなく軸索の末梢から変性が始まり逆行するという “dying back” 仮説
αシヌクレインがプリオン音蛋白のように振る舞うというシード仮説
☆どうやってパーキンソン病の予防、進行抑制、改善させるか?
下記のような研究が行なわれている
<神経保護作用、疾患修飾作用>
- Isradipine:L型カルシウムチャネル拮抗作用薬。動物モデルでのドパミン産生神経細胞の保護作用。
- Inosine:抗酸化作用
- AZD-3241:Myeloperoxidase阻害薬。ミクログリアの活性化を制御するかもしれない。
- RP103:抗酸化薬として作用する脳由来の神経成長因子などが増加する。
- Pioglitazone, exenatide:サイトカイン誘導性アポトーシスから保護するかもしれないglucagon-like peptide 1 receptor agonistである。
- グリア細胞由来神経保護因子とneurturin: 臨床試験での有効性証明できず
<遺伝子治療>
ProSavin:ドパミン合成に必要な 3つの酵素 (tyrosine hydroxylase, dopa-decarboxylase, GTP cyclohydrolase-1) を、レンチベクターを用いて導入する遺伝子治療。運動スコアが軽度改善したが、実験的治療である。
<抗シヌクレイン>
PT200-11, quinpramine, PBT434, rifampicinなど:・αシヌクレインの凝集抑制
PD01など:αシヌクレインに対する抗体を誘導するワクチン
PRX002など:αシヌクレインに対する抗体を用いた免疫治療
☆新しい治療
・L-Dopaの新しい投与経路:貼り薬、ポンプ、吸入薬、腸管内持続投与
・pimavanserin tartrate: serotonin 2A inverse agonistで、FDAが最近承認した。第3相試験では、安全で認容性が良く、運動症状を悪化させることなく levodopa誘発性精神病に効果があった。
・深部脳刺激 (DBS)