脳卒中の血管内治療
2015年2月11日の New England Journal of Medicine (NEJM) に、脳梗塞の血管内治療に関する論文が 2報同時に載りました。
①Endovascular Therapy for Ischemic Stroke with Perfusion-Imaging Selection
発症 4.5時間以内の内頚動脈/中大脳動脈閉塞で、Perfusion CTでの虚血コアが 70 ml以下の患者を selectionして、Alteplase単独と Alteplase + Solitaire FR (Flow Restoration) stent retrieverを比較。後者の有効性が示された。
②Randomized Assessment of Rapid Endovascular Treatment of Ischemic Stroke
発症 12時間以内の頭蓋内動脈起始部閉塞を対象とし、虚血巣が大きい患者と CT angiographyで側副血行路が不良な患者を除外した。有効な血栓除去デヴァイスを用いて血管内治療した群 (77%が Solitaire stent を用いていた) と、通常の治療のみであった群を比較し、前者の有効性が示された。
Merciや Penumbraといった第一世代のデヴァイスを用いた血管内治療は、臨床試験で有効性を示すのが難しかったですが、Solitaireなどの新しいデヴァイスは期待できそうですね。2015年1月7日に published onlineになった NEJM論文 “A Randomized Trial of Intraarterial Treatment for Acute Ischemic Stroke” でも血管内治療の有効性が示されています。
これだけ脳卒中診療に特殊なスキルが求められるようになってくると、脳卒中は独立した診療科が診ることにした方が良いのではないかと個人的に思っています。神経内科医が、他の神経疾患を診ながら・・・という時代ではなくなっていくように思います。