古楽器奏法による Beethovenのヴァイオリンソナタ
普段聴き慣れたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタも、古楽器奏法で演奏されるとまた異なった趣があります。
私が初めて聴いたのが、ヤープ・シュレーダー (Violin) / ジョス・ファン・インマゼール (Fortepiano) による全集でした。ただ、この録音は、技術的不安定さが目立ちましたり、細かなヴィブラートが時に耳障りに感じました。
ベートーヴェン : ヴァイオリンソナタ全集
次に聴いたのが、寺神戸亮 (Violin) / ボヤン・ボデニチャロフ (Fortepiano) の全集です。音楽的にも技術的にも満足いくものでした。ただ、モダン楽器の演奏に慣れすぎているせいか、クロイツェル・ソナタはイマイチ迫力不足な感じがしました。ベートーヴェンの時代には楽器も進化を続けており、後半のソナタになってくると古楽器だと楽器の性能的に不利なのかなと感じましたが、私の思い過ごしかもしれません。
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ全集
数年前に聴いたのは、イザベル・ファウスト (Violin) / アレキサンダー・メルニコフ (Piano) による全集。モダン楽器に古楽器奏法を取り入れた演奏で、素晴らしい演奏効果をあげています。一時期はこの録音ばかり聴いていました。ファウストは、バッハの無伴奏ソナタ (CD1, CD2) や、シューベルトのヴァイオリン・ソナタなど、秀逸な録音が多いですね。
ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ集(全曲) (Beethoven: Complete Sonatas for Piano & Violin) (4CD)
最近聴いたのが、ヒロ・クロサキ (Violin) / リンダ・ニコルソン (fortepiano) です。私は学生時代、このコンビでのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの録音を聴いてカルチャー・ショックを受けたのですが、今回の演奏も素晴らしいものでした。
Beethoven: Violin Sonatas 1
Vol. 2-Beethoven: Violin Sonatas
Beethoven: Complete Violin Sonatas
Violin Sonatas Vol. 4
ということで、興味のある方はイザベル・ファウストやヒロ・クロサキの演奏を是非聴いてみてください。この聴き慣れたソナタ達に違った世界が見える筈です。
(参考)