くも膜下出血と頭部CT
くも膜下出血の CTでの検出率は、機器の進歩とともに良くなってきているはずです。最近の CT機器での診断精度はどうなのか。Stroke誌に meta-analysisの結果が掲載されていました (2016年1月21日 published online)。
Sensitivity of Early Brain Computed Tomography to Exclude Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage: A Systematic Review and Meta-Analysis
A total of 882 titles were reviewed and 5 articles met inclusion criteria, including an estimated 8907 patients. Thirteen had a missed SAH (incidence 1.46 per 1000) on brain CTs within 6 hours. Overall sensitivity of the CT was 0.987 (95% confidence intervals, 0.971–0.994) and specificity was 0.999 (95% confidence intervals, 0.993–1.0). The pooled likelihood ratio of a negative CT was 0.010 (95% confidence intervals, 0.003–0.034).
神経学的異常所見のない患者の非外傷性くも膜下出血を 16列以上の CTで診断した場合、発症 6時間以内で感度 98.7% (95% CI, 0.971–0.994) 、特異度 99.9%とのこと。100%ではないけれど非常に診断精度は高い・・・、という予想通りの結果でした。
話は脱線しますが、頭部CTで異常がなくてもくも膜下出血が強く疑われる場合は髄液検査が必要となります。しかし、髄液を採取するときに血液が混入してしまうと判断に苦慮することになります。昔は 3-tube method (手技により血液が混入してしまったときは採取するスピッツが後になるほど髄液の赤色が薄くなるが、くも膜下出血であれば採取するスピッツが後になっても薄くならない) が推奨されていましたが、それを否定する論文が出て、最近では「キサントクロミーがなく髄液赤血球数 < 2000 x 106 /Lなら、動脈瘤によるクモ膜下出血を除外できる」という報告なんかもされているようです。