Guidelines for the Prevention of Stroke in Patients With Stroke and Transient Ischemic Attack
American Heart Association (AHA)/American Stroke Association (ASA) から最新の脳卒中予防ガイドラインが出ました。”Published online before print May 1, 2014,” となっていて、雑誌の出版前 5月1日にオンライン公開です。紙の雑誌では、7月号になるらしいです。
Guidelines for the Prevention of Stroke in Patients With Stroke and Transient Ischemic Attack
さっそく Recommendationsすべてと、抗血小板薬の部分全てを通読しました。ざっと読んだ感じでは、網羅的で非常に実践的です。各項に太字で Recommendationsが記されており、前回のガイドラインから変更があった部分には “Revised recommendation”, 追加があった部分には “New recommendation” と記されています。
抗血小板薬については、aspirinや clopidogrel の nonresponderに触れられていました (38ページ)。また、一時期話題になった、clopidogrelとプロトンポンプ阻害薬 (PPI) の併用による clopidogrelの効果減弱については、実際には効果減弱ではなく、単に PPIが脳卒中リスクを高めていたかもしれないことが明記されていました (36ページ)。
新規抗凝固薬 (NOACs) に関しては、弁膜症のない心房細動による再発性脳梗塞で apixaban, dabigatranの使用が class Iになっていて、rivaroxabanが class IIaになっていました。Edoxabanについては、ガイドライン作成までに臨床試験の結果が出ていなかったためか、記載はありませんでした。ただし、この分野は臨床研究が盛んになされており、次回のガイドラインではまた少し変わる可能性がありますね。
このガイドラインは非常に優れているので、脳卒中診療に関わる医師は必読だと思います。英文 77ページとややボリュームがあるので、各項の Recommendationsをまず読んで、Table1か、付録の executive summaryを常に見られるようにしておくのが良いと思います。ちなみにこのガイドラインは無料公開されていて、だれでもアクセスできます。