神経学の原著
神経学の原著
神経学は、その歴史を通じて積み上げられた一つの体系です。原著に触れることで、歴史上の神経学者の思想に触れることができますし、その観察眼に驚かされます。ところが、膨大な原著は、どれもあまりに古いため、医学論文の検索システムで、掲載誌などの情報を得ることができません。そこで、こうした論文の著者、論文タイトル、掲載誌、発行年などの情報をリストとして記した論文を豊倉先生が発表されました。
Toyokura Y. A List of original and classical descriptions of neurological diseases, signs and syndromes with their historical notes (1). 神経進歩 14: 868-896, 1971
はじめに
神経学の領域では、疾患の種類がはなはだ多く、徴候、症候群の数もおびただしい数にのぼる。そして、これらの記載は神経学の確立と発展を着実に基礎づけてきた重要な記念碑である。著者は約20年前から、これらの原著または古典的な論文のコピーを、折にふれ少しづつ蒐集してきたが、このたび研究者の便宜のために、不完全なことは覚悟の上、そのリストを掲載してゆくことにした。
下記の論文にそのリストが掲載されています。
①Toyokura Y. A List of original and classical descriptions of neurological diseases, signs and syndromes with their historical notes (1). 神経進歩 14: 868-896, 1971
②Toyokura Y. A List of original and classical descriptions of neurological diseases, signs and syndromes with their historical notes (2). 神経進歩 15: 1051-1070, 1971
③Toyokura Y. A List of original and classical descriptions of neurological diseases, signs and syndromes with their historical notes (3). 神経進歩 16: 745-770, 1972
④Toyokura Y. A List of original and classical descriptions of neurological diseases, signs and syndromes with their historical notes (4). 神経進歩 16: 1121-1136, 1972
⑤Toyokura Y. A List of original and classical descriptions of neurological diseases, signs and syndromes with their historical notes (5). 神経進歩 17: 765-785, 1973
⑥Toyokura Y. A List of original and classical descriptions of neurological diseases, signs and syndromes with their historical notes (6). 神経進歩 18: 417-435, 1974
また、それ以外にも、原著を紹介しながら、解説を記した名著として、「ヤヌスの顔」「続ヤヌスの顔」「続々ヤヌスの顔」「ヤヌスの顔第4集」「ヤヌスの顔第5集」があります。私も手元に置きつつ、まだ通読はしていませんが、少し時間ができたら読みたいと思っています。